「王様のためのホログラム」:全てにわたって「まあまあ」
映画『王様のためのホログラム』は、柄にもない大作で大失敗した『クラウド アトラス』のトム・ティクヴァ監督が、同作に続いてトム・ハンクスと組んだ小品。今回はまあまあの出来です。前作と違って冒険はしてないけど、オーソドックスに見せるって感じ。
サウジアラビアの砂漠の中というアウェイ状態で、トム・ハンクスが右往左往する異文化コミュニケーション映画です。暑さも不条理的フラストレーションも、きちんと描かれています。コメディとしても、まあまあ笑わせます(爆笑とはいきませんが)。
なぜか終盤に至って、ラブロマンスの要素が急拡大して来ます。そこは何だか取ってつけたようで、唐突な印象がしました。還暦を迎えたトム・ハンクスには、似合わない気もしましたし・・・。それに終盤はテンポが悪くなって、1時間38分の作品なのに、やけに長く感じられました。中盤まではまあまあのテンポだったんですが。
『スター・ウォーズ』エピソード4のレイア姫のホログラムを実寸にしたような映像が面白かったです。それだけに、このくだりをもう少しふくらませてもらいたかったなあ。その映像にベン・ウィショー(ティクヴァ監督作では『パフューム』以降、常連)が出て来たのには、ちょっとびっくりでありました。
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