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2017年4月15日 (土)

「LION ライオン 25年目のただいま」:3-40分で語れる話

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映画『LION ライオン 25年目のただいま』は、もう予告編だけですべてを語っちゃってる作品。スケールの大きな迷子実話であり、巷間で言われているようにグーグルアース讃歌でもあります。

インドでの迷子シークェンスに関しては、台詞がほとんどなくてあたかもサイレント映画のよう。でもこのあたりの一つ一つの描写はしっかりしています。テンポも良いです。

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ところが中盤からのオーストラリア部分になると、ガクッとテンポが悪くなります。結局これ、物語としては(実話をもとにしているだけに、必要以上にひねれないし)3-40分で語れるような代物なんですよね。それを1時間59分の映画に引き伸ばしちゃってるものですから、どうしたってダレてしまうのです。主人公が悩み、周囲の人々と静かに語る場面が延々と続くものですから、これではしんねりむっつりと停滞して、イキのいい映画になっていきません。

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(以降ネタバレあり) で、邦題からも予定される通りの結末となるのですが、まあ必要以上にドラマティックに盛り上げたり、感動をあおらないあたりには好感がも持てました。でも、「再開できたよ、良かったね」以上の話にならないことも事実で、映画としての物足りなさが残ります。

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デヴ・パテルは髪型とヒゲのせいか妙にカッコ良くなりましたね。堂々と主役の芝居です。彼とルーニー・マーラが道の両サイドを歩く場面の、ルーニーの動き(くるりと回ったり、柱に隠れたり)が、かわいいったらありゃしませんでした。 そしてオスカー助演女優賞にもノミネートされたニコール・キッドマンが、初めてのおばさん演技。ゴージャスに見せることなく、肌の衰えや首のシワを見せておりました。これからのキャリアを考えての決心だったのでしょうね。実際にアカデミー賞の授賞式では、まだまだゴージャスでしたもん。

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