「夜は短し歩けよ乙女」:ミュージカルとしての価値
映画『夜は短し歩けよ乙女』は、かなりユニークなルックのアニメーション。その感覚と、内容のバンカラ感&インテリ感&ロマンティシズムが、よくマッチしています。
良すぎるほどのテンポで進行する狂騒感に乗れるか乗れないかで、評価が大きく違ってくる作品でしょう。小生は最初のうちは、「おっ、趣味性が強くて面白いかも」と思ったのですが、だんだんと乗れなくなっていきました。
別に、この世界観がやたらと好きなわけでもないので、飽きてしまうのですね。たぶん小説ならその言葉を味わいながら面白く読み進められるのだと思いますが、映画だとこれは飽きます。2-30分の短編なら良いのでしょうけれど。
でもかなり長めに入っているミュージカル部分は、見もの聴きものです。日本のミュージカル映画史に足跡を残したと言えるのではないでしょうか。そして意外なことに、パンツ総番長役のロバート秋山が歌うますぎ! リアルにミュージカル俳優いけるんじゃないでしょうか?
どうでもいいけど、翌日になってもあのヘンテコな「詭弁踊り」が脳から離れませんでした。そんなに面白くも素敵でもないのですが、妙に食い込んできますね。
劇場(TOHOシネマズ新宿)の入口で『夜は短し歩けよ乙女 銀幕篇』なる表紙除く8ページのブックレットをくれました。原作者の森見登美彦さんの書き下ろしによる乙女から先輩への手紙といった内容。「劇場来場者特典 その2」と書いてありましたから、その1があったのでしょうね。 読んでみると、やはり文章の方が魅力的な気がいたしました。
| 固定リンク
コメント