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2017年4月11日 (火)

「はじまりへの旅」:過ぎたるは猶及ばざるが如し

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映画『はじまりへの旅』は、かなりヘンテコな作品です。子供たちを山奥で、現代文明に触れさせずに高度な教育とフィジカル・トレーニングを与え、自分の王国を築いている男・・・って、ちょっと『モスキート・コースト』っぽくもありますが、どう見ても共感できるものではありません。だって似非宗教の洗脳としか思えませんから。

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まあ、この親父の支配の暴君ぶりが凄くって、危険な目やケガに遭わせるし、万引きを強要するし、完全な洗脳教育を施すし・・・と、明らかな児童虐待を堂々と行っていますから。観てる小生としてはイライラしながら反感を抱くしかなく、完全に妹夫婦や祖父母の立場に立っておりました。

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この子らがこのまま育ったらと思うと、末恐ろしいものがありました。歪で一面的な価値観を持ちながら、頭脳だけは優れているなんていうと、どこかのカルト宗教だとかテロリスト集団みたいになってしまうのではないかと思わざるを得ませんもんね。だから後半に祖父や子供らから攻撃されたり、親父の自信が揺らいできたりする場面では、「もっとやってやれ! ザマーミロ」って感じでした。大江戸も本当に単純ですね。

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(以降少々ネタバレあり) 亡くなった奥さんの仏教解釈にも疑問がありますよね(小生もそんなに仏教に詳しいわけではありませんが)。遺灰をトイレに流せだなんて・・・ほとんどネガティヴ・キャンペーンではないでしょうか? へんなの。

何事も「過ぎたるは猶及ばざるが如し」ですね。そういった意味でなら、教訓的な作品なのかも知れません。

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