「ミュシャ展」@国立新美術館
乃木坂の国立新美術館で『ミュシャ展』(~6/5)を観ました。この月・火も含めてゴールデンウィーク中は夜8時までやっているというので、六本木方面での仕事帰りに寄りました。
今回の展覧会の目玉は、超大作「スラヴ叙事詩」全20作のチェコ国外では世界初となる公開。これまでよく知っているアール・ヌーヴォーのミュシャとはだいぶ毛色の違うこれらの作品、果たしてどういうものなのでしょうか。
いやー、巨大な絵でした。大きいものは幅8m、高さ6mにも及びます。でも数字よりも、実際にその作品の前に立った時のサイズ感、見上げる高さが、圧倒的です。まさに壮大なスペクタクルです。こんな超大作を1年に何枚も描いていたりするのですから、まったくどうなってるんでしょうかそこらへん!
一室だけ写真撮影OKだったので撮ったのがここの写真ですが、まあそれは広告などに使われているキャッチーな代表作ではないので、写真も地味です。とにかく本物のデカさと迫力は、ぜひ美術館でどうぞとしか言いようがありません。
そもそも展覧会冒頭の解説に、「パリでその名を広く知られるようになったので、日本では<ミュシャ>というフランス語発音で知られてきたが、本店ではチェコで制作された『スラブ叙事詩』に関してはチェコ語に基づき<ムハ>と表記する」といきなり出て来て、驚かされます。そうか、実は『ムハ展』だったのかあ。 確かに会場内のキャプションには「ムハ(ミュシャ)」と書かれていました。そして『スラヴ叙事詩』以外の作品には「ミュシャ(ムハ)」と表記されていました。 こういう試みや努力を続けているうちに名前の表記が正しい現地読みみ改まっていくことは、絵画だろうと小説だろうと映画だろうとあることなので、何十年か立った時には「ムハ」が当たり前になっているのかも知れませんね。
後半は割とおなじみのポスターや絵画の世界。花や芸術の4連作とか、サラ・ベルナールの演劇ポスターなど、時代をさかのぼって19世紀末からのミュシャ作品が並びます。最後の方はもう小さな小さな作品ばかり。巨大な作品に始まって、小さなもので終わるっていう構成を意図したのでしょうね。
いやー、これまで持っていたミュシャ感が大きく変わる展覧会でした。とにかく『スラヴ叙事詩』の持つ力(大きさ自体もさることながら、そこに込められた魂のようなパワー)にはただならぬものがありました。観て良かった展覧会です。
それはそうと、あのドでかい作品をどうやって持って来たのでしょうか? 車に載るわけはありませんし・・・。大江戸の勝手な推測としては、額=組み立て式、キャンバス=取り外してぐるぐる巻きかなあと思っているのですが・・・、ほんとのところを教えてほしいものです。
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