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2017年5月17日 (水)

「佐藤晃一の輪郭」展@松屋銀座

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松屋銀座のデザインギャラリーで始まった『「佐藤晃一の輪郭」展』(~6/12・入場無料)を観て来ました。

佐藤さんが急逝したのは1年前の5月24日。早いものです。享年71歳でした。

佐藤晃一さんって、グラフィックデザイン界の大御所ではあったのですが、(初期には資生堂に所属していたものの)大きな企業との広告での結びつきがほとんど無く、したがって一般の人々の記憶に残るような作品ってのもあんまり無いという、ちょっと不思議な方でした。多摩美の教授としての比重も大きかったのだと思います。

そのような晃一さんの作品歴の中でもツートップといえば、展覧会のハガキ図柄にもなっている「ニュー・ミュージック・メディア」(箱に鯉が入っている)と、勅使河原宏監督の映画『利休』(長次郎の黒茶碗が発光している)のポスターでしょう。 会場では、日本デザインコミッティーのメンバーが、自分が推薦する佐藤晃一作品1点にコメントを寄せているのですが、それらが集中したのがやはりこの2作品です。それらの言葉が本当に面白くて深くて、思わず精読してしまうのです。

改めてこのようにまとめて観ると、いやー佐藤作品って、やっぱりすごいです。琳派や日本のグラフィックデザインの伝統を継承しつつ、見事な完成度で屹立しております。特に『利休』の美しさ、神秘性、力強さには圧倒されます。日本の映画ポスター史上の最高傑作かも知れないと思ってしまいます。

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その他の作品もみな素晴らしく、品格溢れる精緻さと人を食ったユーモア、つまりご本人の性格自体が作品に反映されておりました(大江戸は晃一さんがサインしてくれた佐藤晃一カレンダーを持っていたりします=写真)。晃一さんのデザインって、やはり見事に「ザ・ニッポン」だと思います。そういえば20年ほど前でしょうか、晃一さんが某デザイン雑誌に執筆した「新しい日の丸(日本国旗)デザイン」の私的考察記事が、今もなおとても印象に残っています。デザイン学的にこうあるべきという、白地と赤円の比率を分析、新提案なさっていました。

大江戸が観ていたら、この展覧会担当であるデザインコミッティー・メンバーの佐藤卓さん(同じ佐藤ですが、もちろん晃一さんとの姻戚関係はありません)が、たまたま会場にいらっしゃいました。卓さんもじっくりとコメントを読みながら、ゆっくりと一作一作を噛みしめているようでありました。

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