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2017年5月26日 (金)

「STOP」:原発/放射能にキム・ギドクが挑む怪作

Stop

映画『STOP』は、キム・ギドクが単身日本に来て、監督・脚本・撮影・録音・編集、そして(合同で)配給までもを行った、「自主映画」と言ってよさそうな執念の作品。確かに見たことのない役者さんたちと、オール・ゲリラ・ロケだろうなーって感じの撮影が、いかにも自主映画っぽいのです。いかにもお金かかってなさそうですし。

新宿や代々木の見慣れたそこかしこが「東京映画」と言っていいほど映像に刻まれる一方で、小生が知らない福島もリアルな感じです。

で、30分ほどたったところで、映画はキム・ギドクらしく狂ってきます。トゥー・マッチになっていきます。奥さんをガムテープでぐるぐる巻きの拘束したり、「オレ福島に行って、動物たちが元気に暮らしてる写真を撮って来る。そしたら大丈夫ってわかるだろ。」って、・・・ギャグですか? とにかくこの夫のダメダメな言動が、無知で無知性で無責任で、観ていて笑っちゃったり腹立たしかったりで、もう大変です。もしかして、この映画のテーマって「男はバカ」なのかしらん?とさえ思っちゃいました。 福島の廃屋の中には、あまりにもキム・ギドク的な狂女?が登場するのですが、彼女とのからみにおいても、この夫は無能でバカみたいで、まいっちゃいました。

しかも夫はあまりにもしょっちゅう福島まで行ったり来たりするし(交通費だってかかるのに)、彼が後に意気投合する男が福島の動物(豚?)の汚染されているかも知れない肉をさばいて、新宿・想いで横丁の店に売るエピソードだって、福島往復して包み3つばかり売ったって、赤字だろ?とか、もうツッコミ所満載ではありますが、キム・ギドクはそんなこと気にしないのであります。 終盤、夫の暴走は止まるところを知らずに突き進むのですが、それって妄想だったの??とも取れるように描写するあたりが、これまたギドク流であります。

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それにしても怪作ではあります。でも、これまでもギドク作品で大なり小なり怪作でなかったことなんてありゃしません。監督が悩みながらも勇気を持って、(日本の映画作家たちが手をこまねいている)この領域=原発の問題 にアタックしてくれたことを、我々は感謝しなければならないと思います。

ラストシーンの後、溶暗してタイトルロールが始まる所で、あの「♪リンロン リンロン・・・」という不気味な地震速報の警報音が鳴り渡ります。我々に、「忘れてはいけない」と諭すようでもありました。

終映後にキャストや宣伝担当者の舞台挨拶がありました。非常に小規模な公開(新宿K'sシネマは2週間限定で上映回数も日に1-2回。本日が最終日)でしたが、今日の客席はほぼ満席。今後、名古屋や横浜での公開が続くそうです。

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