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2017年8月30日 (水)

「幼な子われらに生まれ」:荒井脚本とネオ浅野のお手柄

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映画『幼な子われらに生まれ』は、やっぱり映画って脚本だよなーと思える作品。これまで大江戸が評価して来なかった三島有紀子監督が、荒井晴彦のホンを得て、見違えるような仕事をしてくれてます。家族を、人間を、きちんと描いた日本映画らしい日本映画の良作になっています。

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一見平和そうな家族にひびが入り、崩壊へと向かっていく数々の描写が、リアルに丹念であり、ダイアローグが生きています。もうこれは、さすが荒井晴彦だとほめるしかありません。人間を深く見つめるまなざしが、映画ならではです。みんな不完全、みんなむしろダメな人、でもそれってあなたでもあり私でもあるでしょ、という踏み込み。これって、近年の映画には妙に欠けているんですけど、荒井脚本(まあ重松清原作によるものかも知れませんが)では、そこらを描くことこそが命題とばかりに攻めて来ます。そうです、大人だってみんな確信なんかなしに、これでいいのだろうかと悩みながら生きているのです。

 

360464_002でも大人たちに比べて、この映画の子供たちはリアルじゃないというか、何を考えてるのだろうかって所がありました。むし子供らの言動に納得がいかないと申しましょうか・・・。 急な和解もどきも、「そうなるかなあ?」って感じで、脳内の疑問符が消えませんでした。そこはややマイナスでした。

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で、浅野忠信が、素晴らしいのです。普通のサラリーマンのバツイチお父さんなんですけど、その普通さの裏の感情の揺らぎだとか、小さな表現の喜怒哀楽だとか、ハッタリだとか、家庭内の役割演技だとか、そういったあれこれを繊細に演じて、これまでの「変人浅野」「怪人浅野」とは違う位相での名演となっています。これは評価すべきですね。

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2017年8月29日 (火)

「ボブという名の猫 幸せのハイタッチ」:ネコ映画の最高峰

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映画『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』の原題は“A Streetcat Named Bob”。“A Streetcar Named Desire(欲望という名の電車)”のもじりですね。これ、ポスターをちらっと見た限りでは(タイトルもね)、ほのぼのとしたネコ映画なんだろうなあと思っていたのですが、そうではありませんでした。なんと実話に基づいたベストセラーの映画化で、主人公の青年は薬物中毒者。えー、それって暗い話? とか思って観てみると、これが意外やとっても出来の良いステキな作品なのでした。

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脚本も演出も演技もみな高い水準で、心に訴えかける一級の作品になっています。「ネコ映画の最高峰」と言えるのではないでしょうか。 監督はベテランのロジャー・スポティスウッド。デスパレートな境遇から救われていく主人公に寄り添う丹念な描写、戸惑う家族の描写から、周囲の人々との交流、そしてもちろん猫のボブ(実際のボブ本人、いや本猫です)の描写まで、まなざしが(時として厳しくも)暖かいのです。じんわりと、嫌みなく感動させてくれます。 主人公の禁断症状との闘いの場面なども、実に上出来でした。

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それにしても、このボブくん、名演を引き出されています。まあ演じるも何も、本猫なのだから当たり前なのかも知れませんけど。いい顔してます。大江戸はこういうタイプの顔、そして茶トラが好きなので、結構にんまりとしてしまいました。主人公役のイケメン俳優さんとのからみも抜群です(肩乗り猫だし)。ちなみにこのイケメンさん(ルーク・トレッダウェイ)、顔の良さばかりじゃなく相当繊細な演技力の持ち主です。

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(以降ネタバレあり) ラストで、ボブとの自伝を出版した主人公がサイン会をやる場面に、原作小説の作者、つまりこの主人公のモデルの人が出て来て、「この本は僕の人生そのものだ」とか言います。よくある楽屋落ちですが、その後のエンドタイトル場面に彼の写真が出て来るのでわかるってところが(もっともイギリスでは有名なので、写真が出る前からわかっちゃうのでしょうけれど)、しゃれてます。

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2017年8月28日 (月)

押上「来来来(みらい)」の極太タンメンうまし!

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先日お伝えした東京スカイツリーふもとの「すみだ水族館」に入る前、お昼を食べようとご近所を探しました。

_20170807_090509すぐ裏手にはこんな川(もともとあった小さな川をオシャレに改造したもの)があるんですよね。すぐ目に入る所といえば、チェーン店のラーメン屋とかがありまさいたけど、わざわざここでそんな所に入ってもねえ・・・と思っていたら、おお、太い道路沿いにちょうどいいのがありました。

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ザ・昔ながらの押上って感じの中華屋さんです。写真のように「昔ながらの太タンメン」と大書してあります。

それにしても店名が「来来来」で「みらい」とルビが打ってあるとは! 「来」が三つで「みらい」っていうダジャレに、まずは先制攻撃された思いです。

で、店内はまさに昭和のご近所中華。お世辞にもきれいとは言えないのですが、感じ出てます。

さて、これだけアピールしているなら、太タンメンを食べないわけにはいきません。そしてタンメンと来ればギョーザで「タンギョー」にするのが王道です。ちょうどセットがあったので、それにしました。もちろん太麺です。

そしてこの暑さで、夏休み中の1日ですから、瓶ビールをつけます。いや、これがうまいこと!

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しばらくして出て来たタンメンは、実に昭和なタンメン。キャベツとモヤシとニンジン少々の野菜たっぷりで、野菜の甘みが感じられる塩味スープに、コショウを振っていただきますと、うーん、いい味です。太麺好きの大江戸としては、実に嬉しいタンメンです。

ギョーザも、皮パリパリのいい焼き具合で、オーセンティックなおいしさでした。これも当然ビールによく合って、最高です。

いやー、最高でした。ナイス・チョイス! 食べ終わって炎天下に出ると、汗ダラダラにはなりましたが、また来てみたい、いや3度来てみたいお店です(来来来)。

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2017年8月27日 (日)

「打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』」:やはり岩井版は偉大

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映画『打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?』、大江戸も岩井俊二ファンのはしくれとして、伝説のドラマ版は大好きです。あの映画では奥菜恵とか山崎裕太とかが小学生で、実にコドモコドモしていたのですが、今回は中学生の設定なので(しかもアニメなので)、別物として受け取りました。そもそも大雑把な筋以外は忘れちゃってますし。

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川村元気プロデューサーが『君の名は。』の約1年後に放つタイム・リピートもの、かつ少年少女の淡い恋を描いたSFアニメーションなので、誰もが『君の名は。』と比較したくなるハンディキャップを背負った作品です。で、奥ゆかしいと言うか何と言うか、決して『君の名は。』を超えたりしない作品でありました。質的にも、興行的にも。

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この『打ち上げ花火~』ってのは、とても小さな話なんですよ。隕石が落ちてきたりはしないんです。その中で、二度と帰らない子供の時間への郷愁みたいなものがやるせなく立ち上がってくるのが、何とも最高な岩井俊二版だったのです。でも今回の作品は、(45分のドラマの倍に当たる)90分を費やしている割には、「えっ?それだけですかい??」ってなエンディングでした。観客の間にも、ちょっと肩透かし感が漂っていたような・・・。

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少女を魅力的に見せようとする努力はわかるのですが、まあ実写版の奥菜恵はある種の「奇蹟」でしたからねえ・・・。

実写版の予告編動画とかフッテージとかを探して見てみたのですが、本作ってオマージュというか、かなり実写版に忠実な絵作りをしていたりするのですね。そういった「遠慮」のおかげで、少し創造物としての伸びやかさが不足してしまったんじゃないかなあ。

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2017年8月25日 (金)

すみだ水族館に行きました

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開館から5年少々・・・先日ようやく東京スカイツリーのふもとにある「すみだ水族館」に初めて行きました。

夏休み中の日曜日の午後2時ぐらいだったりしたのですが、20数分(炎天下に)並んでようやく券を買って入場できるという混雑ぶり。しかも小ぶりな水族館の割には、大人2,050円という強気な料金設定です。

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序盤戦で早くも、大好きなクラゲ登場!

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でも(平凡な)ミズクラゲ中心だし、量的にもそんなにありません。

あまりじっくり眺められる配置でもなかったし・・・。

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続いて目を引いたのが、チンアナゴ。珍奇なる生き物であります。

こいつ、かなり人気者のようで、出口のミュージアム・ショップにはチンアナゴのぬいぐるみがありました。けったいですね。

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その先には、ペンギンの岩山があったり、その脇をオットセイが泳いでいたりします。

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そのそばにあるカフェ(というよりはドリンク類売店って感じですが)の名は、「Penguin Cafe」。そういえば、ペンギン・カフェ・オーケストラってのがありましたよね。

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岩山横の水槽を上から見ると、オットセイの下に人間が!

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これって、下から覗けるようになっているという「金沢21世紀美術館方式」? いやー、オットセイくんのお顔が、すぐそばに大きく見えました。

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かと思えば、季節の特集でご覧の金魚軍団。

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江戸をテーマにした風流な展示である一方、フナからの変異種を交配し続けて金魚が生まれたこととか、中国が原産であることとか、基礎知識もわかるようになっておりました。

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いいなあ、金魚。きれいで、涼しげで。

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ここの館内では一番大きな東京大水槽には、エイだとか大小いろんな魚が泳いでます。そして、お姉さんがアクアラングで潜りながら、何かしらなさっていました。

コンパクトなところが好みの分かれ目かも知れませんが、街なか(しかも観光地)の水族館としては、やはり貴重でありましょう。 そういえば、これで大江戸は都内の水族館すべて制覇しました(そのはず)。もっともサンシャイン水族館はリニューアル前だったので、また行かなきゃですね。

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2017年8月24日 (木)

平塚の本格バウムクーヘン

_20170820_174531周知のとおり大江戸はちょくちょく平塚にサッカー観戦に行っておるのですが、基本的にJR平塚駅の北側にしか用が無かったので、南側は未知の世界。で、そっちの方に有名なバウムクーヘンのお店があるのを知ってはいたのですが、そのような事情+「いつでも行けらぁ」ってんで、これまで行っておりませんでした。そんなことではいかんと意を決し、先日サッカー観戦の前に行って来ました。

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店の名は「コンディトライ バッハマン」。まあ「コンディトライ」ってのは、パティスリーとカフェを併設した店ってことだそうですから、純粋な店名は「バッハマン」ってことですね。バッハマン・・・なんかクルクル巻きの髪の毛がすごいボリュームの、黒マスクに黒マントのヒーローを思い浮かべませんか? ませんよね。

さて、このお店の中心商品はバウムクーヘン。大江戸が大好きなのもバウムクーヘン。バウムクーヘンは1段が1,365円、2段が2千6百数十円で、まずは初心者として謙虚に1段を購入。

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うーん、袋もパッケージも(レコード盤のラベルを思わせる)ステッカーも、実に本格古典ドイツ菓子って感じで、いやがうえにも期待が高まります。

一般的な感覚で言うと、お値段の割には小ぶりですが、それだけ「良い物」だってことなんでしょう。で、お味の方は、やはりさすがですね。本格古典ドイツ・バウムクーヘンって感じです。当然(最近のふわふわタイプじゃなくて)ハードタイプなんですが、思ったほど堅くはなくて、おまけに外周部分が、シュガーコーティングでカチカチというタイプではないので、よけい柔らかめな印象が残ります。大江戸の好みだと、もう少し堅い方が好きです。

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何と言っても、シナモンをはじめとするスパイス濃いめの感じが「おお、本格古典」です。いい味してます。材料はバターをはじめとする古典的なもので、アンズジャムやレモンの皮も使われております。

かなりの高得点ではありますが、ナンバーワンかと問われると、大江戸の好みとしては桜新町のヴィヨンの方ですねえ。

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2017年8月23日 (水)

「甘き人生」:イタリアの男って・・・

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映画『甘き人生』ってタイトルは凄いですね。「甘い」じゃなくて文語的に「甘き」なのであります。まあ、今年は『素晴らしきかな、人生』ってのもありましたけど。原題及び英語題は「甘い夢(Sweet Dreams)」って意味らしいのですが、本作中にも出て来る「良い夢を!」って感じでもありますよね。

映画作りが上等と言いましょうか、一つ一つのシーンに「だしが利いてる」感じ。そこは、マルコ・ベルッキオ監督を褒めるところでしょう。撮影もしっかりと煮込んで、味が染みてる感じです。

でもお話としては、(マザコンとして有名な)イタリア男の一生はマンマ、マンマ・・・だという身も蓋もないようなもの。日本男子の小生が見ていると、少々うんざりするものがあります。

むしろ父親とのいくつかの場面--父に連れられて、トリノFCの試合に行く場面(家の真ん前がスタジアムで、窓から客席上段が見える!)だとか、歳月が過ぎて父が若い彼女と再婚すると伝える場面だとかが印象的でした(この場面では、父と老け顔の主人公がほとんど同年配に見えます)。

イタリアの人(特に男)にとっては、共感を呼ぶストーリーなんでしょうかねえ。大江戸にとっては、母の死を引きずり過ぎとしか思えないのですが・・・。

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2017年8月22日 (火)

「海辺の生と死」:じーーーっくり撮りすぎでは?

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映画『海辺の生と死』は、奄美の離島を舞台にした戦闘シーンのほとんどない戦争映画(米軍機からの機銃掃射のシーンが一つだけあります)。こじんまりとしながらも2時間35分の長尺です。

ただ、物語はいたってシンプル。長くなった理由は、一つ一つのカットをじーーーっくりと撮っているから。そこまでじーーーっくりと撮らなくてもいいなじゃないの?ってぐらいじーーーっくりと撮っています。

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ロングショットが多いのです。そして長回しも多いのです。だからロングショットでの長回しも多いのですが、その効果がさほど出ていないように思えました。芝居の持続により、役者の全身から立ち上るリアルな切迫感や情動が、(例えば相米の長回しのようには)感じられなかったのです。この手法を生かすには、満島ひかりの場合(演技が)うますぎたのかも知れません。あ、でも永山絢斗の芝居は今回もうまいとは言えませんが・・・。

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芝居と言えば、子供たちの芝居(発声)も学芸会みたいで、もう少し何とかならなかったものかと思ってしまいました。

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(以降少々ネタバレあり) ラストは、やけにあっさりしておりました。まあ、「緊張→弛緩:意外性とそこに漂う虚しさ」という構図はわかりますが、何だかやりようによっては、もっとこの作品を高められたような気がしてなりませんでした。特に最後の最後はあまりに軽くて、この2時間35分を支え切れていなかったように思えるのです。

 

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2017年8月21日 (月)

「海底47m」:脚本も演出も力不足

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映画『海底47m』ってタイトル、最初は「うぷぷ。しょぼっ!」と思ってしまうのですが、考えてみれば14-15階建てのビルぐらいの深さですし、ケージの外にはサメがいるし、台詞によって立派に潜水病になるぐらいの水深だだということもわかりますので、逆に「油断させといて、リアルに怖い」タイトルだぜってことになるのです。原題も同様の“47 Meters Down”。

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大江戸はこの手のワン・アイディアをふくらませてリアルな恐怖を描く、低予算の「遭難映画」って結構好きでして、昨年の『ロスト・バケーション』だとか、その前の『オープン・ウォーター』やら『フローズン』やら(もっと格上だけど、ダニー・ボイルの『127時間』もその仲間かな)、・・・みんなかなり面白いんですよね。VFXやスターに頼らない頭脳勝負の映画ですもんね。そういえば、この手の映画って、夏後半の公開が多いですね。ビッグ・バジェットのA級大作が疲れてきた頃に、箸休め的に出て来る感じ。

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でも、この『海底47m』はダメでした。役者の安っぽさは他の作品も似たり寄ったりでしょうけれど、脚本と演出がかなり物足りません。他の作品だと、「一難去って、また一難」的に次々と工夫を凝らした艱難辛苦が襲ってくるのですが、本作では最初から最後まで「サメがいます」「空気が減っていきます」「急浮上すると潜水病の危険があります」ってだけですし、それらが実に常識的に展開するだけなので、先が見えない意外性に欠けています。まあ、最後に一つ「仕掛け」を用意してありますが、それはちょっと「反則気味」ですしねえ・・・。

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また、肝腎のサメの恐ろしさの描き方も力不足。『ジョーズ』とは申しませんが、『ロスト・バケーション』あたりにも随分と差をつけられておりました。それにあの二人、あれだけアタックされていて、何でほぼ無傷なの?? 信じられません。

(以降ネタバレあり) 終盤に、ケージの吊げ用ワイヤーをもう一本の方にチェンジしたのに、そのワイヤーも切れちゃうっていう「脚本家、どんだけ頭悪いんだ」って展開には、笑いました。普通恥ずかしくて、そんなこと書けませんです。

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2017年8月20日 (日)

首位湘南、19位熊本と0-0

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BMWスタジアム平塚で、湘南ベルマーレvs.ロアッソ熊本の一戦。全42試合のJ2リーグで、残り試合は今日を入れて14。つまりあと1/3を残すのみとなってまいりました。

小生の心がけが良かったのか、久々に雨の降っていない夕方~夜。7時キックオフのスタジアムは、この時期にしては比較的涼しく感じられます。でも試合結果も背筋が涼しくなるもので、19位のロアッソ相手にまさかの(と言っては失礼ですが)スコアレス・ドロー。ベルマーレって、上位に競り勝っても下位に取りこぼすことが多いですよね。まったくもう。

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序盤は完全にベルマーレが主導権を握り、もういつでも点が取れるだろうって感じだったのですが、そこらに気のゆるみが出たのでしょうか。いつまでたっても、得点できやしません。水曜の試合から中3日ということも、「走るチーム」にとっては、後半辛かったのかも知れません。とはいえ、熊本も条件は同じですし( しかも移動を伴ってます)、最後まで全員が厳しいプレスを続けてました。あのプレスにやられちゃった感じです。

湘南はムルジャが初先発で、悪くなかったのですが、後半5分にハムストリングスをやっちやったような感じで、自ら交代を要求。でも、歩いて去って行ったので、重症ではないと思いたいです。

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ここんとこすっかり「縦に遅い」攻撃になっちゃって、そうこうしてるうちにミスが出たり、ボールをさらわれたりして(山根も石川も、同じミスを繰り返してました)、よろしくないですね。シュートも枠に行きゃあしませんし。 (前節の千葉戦もひどかったようですが)今日の試合内容では、J1に上がれたとしても、残留がおぼつかない感じです。でもその一方では、「チームで一番目と二番目に力のあるフィールドプレイヤー(高山と菊地)が怪我で長期離脱してるのに、よくやってるよなあ」とも思いますけどね。

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いずれにしてもハーフタイムの花火のようには、景気の良い攻撃ができませんでした。ま、ここのところ試合見に行きゃ勝ってたので、こういうこともあるさってところです。でも、「あーあ」ですね。

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ベルマーレクイーンの5人が持ってる「湘南必勝!!」のうちわも、ちょっと虚しくなるような試合でありました。

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気恥ずかしくって(?)お面で顔を隠したりもしちゃってますけど・・・。

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2017年8月19日 (土)

「スパイダーマン ホームカミング」:軽やかな青春コメディ

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映画『スパイダーマン ホームカミング』は、昨年の『キャプテン・アメリカ シビル・ウォー』で既に顔見せ済みの若きスパイディーの本格リブート第1作。軽やかな青春コメディのノリです。実際、ほとんど「学園モノ」です。新スパイダーマン=トム・ホランドの持つ若さと軽みが、作品のトーンとマッチしていますね。だって、高い所に糸を引っかけられない公園では、しょうがなくて走っちゃったりするんですもん。

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それにしてもこの学校、今風のダイバーシティに富んでいます。主人公ピーターの親友はアジア系ですし、憧れの女子はアフリカ系、ピーターに対抗心を燃やす男子も南米系かどっかの感じでしたし、終盤にピーターとハッピーがいるトイレで個室から出て来たのも東アジア系でした。ハリウッド映画って、1970-90年代あたりでアフリカ系がぐんと増えて、90年代後半~00年代にはヒスパニックが増加し、2010年代に入って中国をはじめとしたアジア系が激増していますよね。そういう時代の流れがあるのですねえ(ま、中国人俳優の増加には、資本参加による側面が大きいわけですけども)。

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トムくんのスパイダーマンはお調子者で、まあやることなすこと「小僧っ子」ですね。悪い意味で「軽い」。でも、本作はそんな彼の成長譚にもなっています。 そして、最後まで忘れてたけど、「あ、そういえばMJって・・・」ってなった場面では驚きました。これまでと全く違うタイプのMJ(むしろマイケル・ジャクソンじゃね?って感じのMJ)で、次回作に興味津々です。

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マイケル・キートンの“バードマン”(ヴァルチャー)には、誰もがひっくり返ることでしょう。あの翼の造形とか、「まんま」じゃん。 それにしてもマイケル・キートン、ますますもって悪人顔ですねえ。 

今回ちょっとだけの登場で場面をさらうトニー・スターク=ロバート・ダウニー・Jr.は、儲け役でありました(ま、金持ってっからね)。

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2017年8月18日 (金)

「ロスト・イン・パリ」:ポップで軽いお楽しみ

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映画『ロスト・イン・パリ』は、現役のクラウン(道化師)であるドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン夫妻が作った作品。パントマイムの要素を取り入れたりして、いかにもな仕上がりとなっております。

このご夫妻、二人とも’57年生まれだから今年還暦なわけですけど、細身の体は衰えを見せることなく、ところどころに見事な体技を披露してくれます。

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サイレントでもわかるような笑いを色々と用意して(爆笑と言うよりは、さりげない笑いが多いですね)、終始軽やかに楽しませてくれます。ジャック・タチを受け継いだところもあるし。それほど多くを期待しなければ、気軽な83分のお楽しみってことになるんじゃないでしょうかね。

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色彩設計がポップにキレイなのもいいですよね。さすがパリって気になるじゃあないですか(最初と最後の部分は「さすがカナダ」って感じなのですが)。 こういう作家趣味をバリバリに出して、絵をコントロールしまくる監督って、今はウェス・アンダーソンとかミシェル・ゴンドリーとか僅かしかいないので、貴重です。

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感心した点を3つ。 ①フィオナの大きな黒縁メガネ・・・喜劇の主人公らしくていいですよね。 ②パリはホームレスだっておしゃれですねえ(ま、フィクションですけど)。 ③フィオナが橋からセーヌ川に落ちる場面で、スマホの画面に真っ逆さまに落ちる下半身が写っているところが、やけにおかしかったです。

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2017年8月17日 (木)

「少女ファニーと運命の旅」:子供たちの逃亡サスペンス

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映画『少女ファニーと運命の旅』は、気がついたら公開されていましたが、いやー、小粒でもピリッとした山椒のような佳品でした。

第二次大戦下のフランスで、ドイツ軍の手を逃れようと旅する子どもたちのサスペンス。心配で心配で、ハラハラしてしまうサスペンスです。これ、ジャック・ドワイヨンの娘(ローラ・ドワイヨン)が監督したんですってね。そして、実話に基づいていて、最後にまだ存命中のファニーが出て来て驚きました。

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いろんな年齢構成の女の子&男の子たちが山を越えて行くあたりは『サウンド・オブ・ミュージック』を、列車を使った逃亡サスペンスとしては『ジュリア』を連想したもりしました。 でも本作を一番よく表しているのは、広告に出ていた山田洋次監督の感想です=「ぼくは子供たちと共に旅をした。とても恐かった、お腹が空いた、最後にホッとした。戦争は悪だ。」。まさに、そういう映画なのです。

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13歳の少女ファニーが、子供たち9人のリーダーとして、気丈に統率していくのですが、いやー、大したものです。命がけの逃走の全責任が小さい肩にのしかかっている中、言動の一つ一つが素晴らしいのです。

子供たちの演技が見事。そして、無邪気にはしゃぐ場面も素敵。 ファニーの末妹の目が大きい子なんて、小さいのに大した役者だなあと思ったら、なんと『92歳のパリジェンヌ』に出ていた子だったのですね。なんか見たことあると思った。

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端正な映画ではありますが、脚本のせいか所々「ん?なんでそうなるの?」ってなことがありました。ちょっと描写が舌足らずだったりもするのです。そこは残念。

(以降ネタバレあり) ラストでスイス国境へと坂道を走る子供たちの自由への躍動感、力感、歓喜は圧巻でした。これぞ、映画。 ドイツの国境兵も、あれはわざと外してくれたんですよね。大江戸は、そう思いたいなあ。

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2017年8月16日 (水)

「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章」:

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映画『ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない 第一章』は、小生のような原作の絵柄ぐらいしか知らない人間にとっては、「え?こんな、ヤンキーみたいな奴らがケンカするだけの話なんでしたっけ?」と思ってしまいますが(だって、しょこたんの「ジョジョ立ち」ポーズぐらいしか知らないんだもーん)、まあ連載30年にわたる長大な原作の一部分だけってわけなんですよね。

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おまけに三池崇史が監督なもんだから、『クローズZERO』のような『岸和田少年愚連隊』のような『愛と誠』のような「ヤンキー・ケンカ路線」×『妖怪大戦争』のような『神さまの言うとおり』のような『テラフォーマーズ』のような「VFXバトル路線」 まっしぐらなわけです。

それにしても舞台となる杜王町がスペインのシッチェスでロケ撮影されてるっていう、人を喰った大胆さが三池さんらしいですね。

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実写になったジョジョの変則リーゼント。これを変なアタマと言わずして、何と申しましょう? それなのに、「変なアタマ」って言うとキレられてボコられるなんて、あんまりです。岡田将生くん(最近はヒール役が多いですね)の髪型もかなりなものですけど、こっちは高貴さが漂っております。なのに、その弟(新田真剣佑)は古典的なヤンキーといった趣きです。おまけに髪型が「サイドとバックを白くしたジョジョ」です。こいつもイケてないんですが、山田孝之はほんと顔が汚かったですねえ。 トカゲ男とか砂男とかいった趣きであります。

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そして、山崎賢人のジョジョは、堂々の主役感に欠けるんですよねー。この人、なんか顔が確立していないと言うか、ぼんやりしていて、華やシャープネスが足りないのです。

ま、いずれにしても「話は途中」感がありありで、続編を意識してゆっくり撮っている雰囲気もあります。他の三池作品同様、本作のクライマックスも無駄に長いものでありました。

 

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2017年8月15日 (火)

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」:ゲスの極み男

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映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は、マクドナルドを真の意味で創業したマクドナルド兄弟とシニカルな意味での「創業者(ファウンダー)」であるレイ・クロックの確執を描いた「真実に基づく」物語。それにしても、よく映画化できましたね、これ。マクドナルド社への法務的な対応などが、かなり大変だったのではないでしょうか? それぐらいレイ・クロックのえげつなさ、モラルの欠如をはっきり描いちゃってます。日本だと、こういう作品を作るのは、まず無理でしょうね。

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小生は大学時代ほぼ4年近くマクドナルドでアルバイトをしていたので、’50年代のマクドナルドを見ての感慨もひとしお。ああ、ケチャップやマスタードのディスペンサーって、ああいう出方だったよねとか、紙のハットって昔からああだったんだあとか、カウンター内や厨房の配置って、確かにあれと似ていたとか、色々楽しめました。あの鉄板で手のひらヤケドして、大変だったし。ゴールデン・アーチはまだ二重に(つまり「M」の字に)なっていなかったんですねえ。

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それにしても、こんなルール無視のアコギな人がマクドナルドを大きくしただなんてことは、クルー(従業員)教育では一切教わりませんでしたよ(←あたりまえ)。世間的には、アメリカン資本主義に基づくビジネス重視のレイ・クロックと、発明家にしてこだわりを見せるマクドナルド兄弟のどちらにも良い面、悪い面があるみたいに言う人もいるようですが、小生は100%マクドナルド兄弟の味方です。世の中、拡大拡大で良いことなんて、あまりありません(なのに、イケイケドンドンの人たちって多いですからねえ)。

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レイの奥さんをローラ・ダーン(この人、昔からオバサン顔でしたが、ようやく顔に年齢が追いついた感じです)が演じてますが、この糟糠の妻の捨て方もひどいもんです。そんなゲスの極み男を、マイケル・キートンが「適役」として演じています。

てなわけで、腹が立つ作品ではありましたが、最初から最後まで目を離せない面白さなのでありました。

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2017年8月14日 (月)

「おさるのジョージ展」@松屋銀座

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松屋銀座で『おさるのジョージ展』(~8/21)を観ました。あの『ひとまねこざる』ですね。

サルには何の思い入れも無い大江戸ではありますが、絵本のこの子はかわいいですよね。薄い顔で愛嬌があります。絵のトーンも洗練されております。

この第1作がアメリカで出版されたのって、1941(昭和16)年ですよ。太平洋戦争開戦の年。うーん、やっぱりアメリカですね。

作者であるマーガレット&ハンス・レイと戦争にまつわるエピソードも最後の方で出て来て、そのビデオを見て結構胸に来ましたよ。この夫妻、ドイツ生まれのユダヤ人で、大変な目に遭ったのです。まさか『おさるのジョージ』で泣きそうな感動を覚えるとは思いませんでした。

マーガレット夫人は、やけにキャサリン・ヘップバーンに似ているのですが、ジョージの絵のモデルも務めていたそうで、あの愛嬌のある表情は彼女のものだったってことなのですね。

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しかしですよ、最後のコーナーに『おさるのジョージ』のアニメーション(アメリカの制作で、2008年からNHK-Eテレでも放映)が紹介されているのですが、こいつ何でこんなに顔が違うんですか?? 全然かわいくないじゃないですか。この撮影OKのフィギュアもアニメ版のタイプなのですが、こっちの方が絵よりもまし。とは言え、こっちだってよろしくはありません。絵本版のあのスイカの種みたいな目じゃないし、U字型のかわいい口とも違うし。手足の様子も違いますよね。そう、例えて言えば、アメリカ青春映画に出て来る脇役キャラのバカな高校生みたいな顔です。あまりにも絵本版と系統が違うのです。うーむ。

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会場を出るとあるグッズコーナーのバリエーション豊かさには、(いつもながら)またも驚嘆。お菓子からファッションから雑貨、文具などなどなど。ファンは散財必至ですね。

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2017年8月13日 (日)

「銀魂」:まじめな後半が失速して・・・

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映画『銀魂』は原作マンガを全然読んだことが無いのですが、あまりのバカバカしさに結構笑っちゃいました。これ、前半だけで終わっていれば、大江戸的にはもっと満足度高かったんですけどねえ。てゆーか、このネタで2時間10分はちと長過ぎでしょ。

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深夜TVドラマ系のぶっとんだギャグの監督って、小生は堤幸彦も三木聡も大根仁も好きなんですけど、福田雄一に関してはあまり面白いと思えず、よってあまり多くは観ていなかったんですよねー。本作では脱力ナンセンス・ギャグの数々が、「映画でそれやりますか?」って感じではありますが、でもおバカで面白うございました。画面の隅の小ネタもね。

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でも、後半割とシリアスに戦いを繰り広げるようになっていくと、一気に停滞して、一気に眠くなってしまいました。いやー、そんな争い正直どうでもいいっす。VFXの無駄使いっす。物語の収束だってかなりどうでもいい感じで、ラストのしまらなさと言ったら・・・。

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小栗旬、菅田将暉、橋本環奈をはじめ、長澤まさみ、安田顕、中村勘九郎たちが、まじめに大バカやってるので、その部分はちゃんと楽しめます。実写の中におけるエリザベスや定春の処理も、よく考えられておりました。 それだけに、後半の失速がもったいなかったなあと思うのです。

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2017年8月12日 (土)

CKBの「愛の世界」(3CD+2DVD)

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先日発売されたクレイジーケンバンドのデビュー20周年記念オールタイムベスト盤『愛の世界』、ここんとこヘビロテで聴いてます。

3枚組で、全60曲、275分(4時間35分!)にも及ぶ圧倒的なボリュームです。しかしながら、横山剣渾身の選曲ということもあり、これがいいんですね、全曲。

曲順にも意図的な流れがあって、アジアの流れが来たかと思えば、北米シリーズ4連発があったり・・・。でも、『ガールフレンド』『Loco Loco Sunset Cruise』『せぷてんばぁ』の切なさ3連発には完全にノックアウトされた大江戸なのでした 。ちょっと意外だった落選曲は、『香港グランプリ』と『あ、やるときゃやらなきゃダメなのよ。』。個人的には、『1107』『秋になっちゃった』『友だちはいいもんだ』あたりも入れて欲しかったところです。

剣さんによる全曲解説もついており、これもまた楽しいのです。紙製の外箱の中に、プラケースと歌詞&解説のブックレット。それぞれにCKB11人勢揃いの写真が違うバージョンなのも良きかな、です。

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大江戸が買ったのは初回限定版で、3CDに加えて2DVDです。 DVD1枚目は2015年11月の「もうすっかりあれなんだよね」ツアー@横浜のライブ全曲収録。遅れ馳せながら、このツアーで小生は初めてCKBのライブに行ったので、感慨もひとしおです。のっさんの『GTR』が神演奏なのです!

2枚目のDVDは、6月24日に公開したばかりの映画『イイネ!イイネ!イイネ!』がまるっと入っているという出血大サービスぶり。 ちなみに大江戸のこの映画のレビューはこちら↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/06/ckb-1a0c.html

まあ、とにかく満足できる太っ腹な内容です。さすがは20周年企画なのであります。

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2017年8月11日 (金)

新しいベルマーレ・スマホケース

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スマホケースを新しくしました。

愛用のベルマーレ・ユニフォーム型の受注商品。従来使っていたハードシェル・ケースが割れたりヒビが入ったりして、かなりヤバい状態になっていたタイミングで、新しくビニール・レザーの新作が登場したので、迷わず注文。3週間ほどで届きました。

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背番号20の坪井慶介バージョンは継続です。現在、ツボさんはなかなか出場のチャンスが無いのですが、ベテランならではの渋さが素敵ですから。ピッチに立った時の動きや所作も、なんかカッコイイんですよね(例えばイチローの動きや所作が美しいのと同じように)。

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なんだかなんだ結構落っことしちゃうことが多い大江戸にとっては、このタイプのケースは心強い味方だったりします。

でも結構大きくなるので、今までギリギリで入っていたポケットに入らなくなったり、はみ出したりするのですが、まあ何とか折り合いをつけてまいりましょう。

ツボさん、来期も残ってね。

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2017年8月10日 (木)

(番外編)軽井沢の万平ホテルとタリアセン

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そういえば「東京温度」なので、東京の外に出た場合は「番外編」と称しているのでした(なぜかサッカー観戦は例外)。

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さて、昨日のカーリング編でお伝えしたように、軽井沢へ行ったのです。で、本来の目的は「万平ホテル」に泊まること。近年は旅行するならクラシックホテル!と思っておりまして、箱根富士屋ホテル、日光金谷ホテルに次ぐ第3弾ってわけです(まだまだ続きます)。

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これらのクラシックホテルには必ず資料展示室がありまして、過去からのホテルの遺産や写真、宿帳、設計図などなどが展示されています。万平ホテルの場合も、1Fのバーの奥に資料室がございました。

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大江戸が泊まったのは、増築した新館ではなくて、一番古くからある(1936年築)アルプス館の2F。ちなみにジョン・レノンも毎年ここの2Fに泊まっていたそうです(ジョンは富士屋ホテルにも泊まっていましたね。やはり育ちの良い「お嬢様」であるヨーコの影響なんでしょう)。

で、ここはこの「猫足バスタブ」が有名なんですってね。

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お庭の丸い敷石も、楽しいではありませんか。

クラシックホテルに泊まったら、そこのメイン・レストランでディナー(および朝食)ってのが、鉄則であります。今回もその習わしに従い、ついでにメイン・バーにも行ってみました。

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あと、喫茶室でスイーツもいただきましたよ。

この手のホテルは必ずと言っていいほど、アップルパイが名物になっております。クラシカルで王道のお味です。

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ロールケーキは、クリームが妙にさっぱりしていて、大江戸の好みではありませんでした。

あと、ここのロイヤルミルクティーは、ジョン・レノンが「こういうのできる?」とレシピを授けてくれた逸品だそうで、確かにおいしゅうございました。

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ディナーのデザートに食べたプリンも、濃厚なタマゴ感といい、ほろ苦いカラメルといい、焼きプリンですよって感じといい、まさに古典的な「ザ・プリン」でした。

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あとは塩沢湖の周囲を上品なレジャーランド化した「軽井沢タリアセン」って所に行きましたよ。レイモンドやヴォーリズといった高名な建築家の手による洋館を見ることができる(入ることもできる)のです。

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洋館好き、建築好きには結構たまらない穴場でありました。じっくり見てたら、半日じゃあ足りやせん(タリアセン)。

_20170804_145025あとは旧軽井沢をちょこっと見たり、駅の南の広大な(日本最大級だとか)アウトレットを見たりしましたが、何せ一泊二日ですからね。なかなか時間がタリアセンでした。

 

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2017年8月 9日 (水)

(番外編)軽井沢でカーリング体験

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先日、夏休みに軽井沢に一泊二日で行って来ました。まったくもって東京が涼しい時に行って、損した感じです。今なら良かったのに。

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それはさておき、軽井沢駅の南西、塩沢湖のそばにある風越アイスパークという施設に行き、初心者のカーリング体験をやって来ました!

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大江戸はテレビでのカーリング観戦が大好き、ってゆーかスポーツではサッカーとカーリング以外はどうでもいいと思っている人間なのです。でも東京ではカーリングのナマ観戦とか体験教室とかって、なかなかご縁がないもので、長い間「一度やってみたいなー」と思っていたのです。

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ネットで調べて、電話で予約して、1時間の体験コース(2,380円)をやってみました。

真夏ですけど、長袖&厚手のパンツ、ニット帽に手袋など防寒着が必要(レンタルもあります)。大江戸は綿の長袖シャツ+薄手のダウンジャケット+ネックウォーマーなどを持参です。

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実際、場内に入ってみるとほぼ冷蔵庫って感じで、やけに寒かったです(氷の上に立つと、更に寒い感じだし)。でもテレビで見る、あのカーリング場の風景! いや、素晴らしい!

受講者は総勢12人ほど。レッスンは大学生(高校生?)の女子がやってくれました。40数メートルのシートの半分を使って行います(もう半分は別の組が使ってました)。

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準備体操、氷の上の歩き方、受け身の取り方から始まり、ストーン(重さ20kg)の投げ方、スイープの仕方を教えてもらい、順番に練習。これ。氷の上を歩くのも結構難しいのです(片足すべらず、片足すべる靴なので)。でもストーンを投げるのは、結構上手にできました。

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最後には2チームに分かれて、ミニゲーム。一人一投ずつだし、スイープしてもほぼ役に立ってない気もいたしましたが、ともあれハウス内のストーンは何とかそれらしい形になりました。

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最後に、近い距離からストーンを投げて、ハウスの中央に一番近い人が勝ちというゲームをやって、終了。いやー、あっという間でした。楽しかったです! またやりたいです!

一番奥のシートでは「韓国のチームが練習に来ている」ってことでした。

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会場を出て少し歩くと、おお、1998長野オリンピック・カーリング会場の碑が!

うーん、東大和まで行かなくても、23区内にカーリング場できないかなあ(←無理なお願い)。

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2017年8月 8日 (火)

「パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊」:今回もつまらなくて・・・

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映画『パイレーツ・オブ・カリビアン 最後の海賊』は、堂々の完結をしてから6年ぶりにしらっと現れた第5作。でも大江戸はこれまでの4作をすべて観ているのにも関わらず、毎回まったく面白さを感じられずに「あー、つまんなかったー」と思っているので、公開1か月以上たってからようやく鑑賞した次第。で、やっぱり今回もつまんなかったー。 なのに、いろんな方のブログを見ますと、みなさん口々に最高に面白かったとか書いていらっしゃるので、小生としては「うーむ」と唸ってしまったのであります。大江戸の基準だと、本当に面白い娯楽映画ってのはこういうのじゃないんですけどねえ。

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まあ、金庫を盗むのに建物ごとロープで引きずっていくアクションだとか、ギロチンをめぐるドタバタだとかは面白かったですよ。アイディアとその表現において、バカバカしくも痛快でした。 でもそれ以外はねー、既視感のあるアクションや騒動ばかりで時々眠気を感じるほどでした。そもそも物語の芯をしっかり語れておりません。場面場面の散発的な継ぎはぎで出来ている映画なのです。

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ハビエル・バルデムにしたって、これだけ「加工」されてると、どこまでが演技でどこからがVFXの領域なんだか、考えざるを得ません(男優賞なんだか特殊技術賞なんだか特殊メイク賞なんだか)。そういう時代だってことですね。

ジャック・スパロウ船長は、ますますもって安定の狂言回しでした。そして序盤に、彼の叔父さん役であのお方が出演してるって情報、知っていたのに観てる時に忘れてて、完全に見落としてしまいました。うー、無念。

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一方でオーランド・ブルームとキーラ・ナイトレイは最後に出て来るのですが、本編主役は新しいコンビが務めました。きれいな女の人(カヤ・スコデラーリオ)は、若き日のニコール・キッドマンをよりクッキリ・フェイスにしたような感じでした。目力強いっす。

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2017年8月 7日 (月)

「東京喰種 トーキョーグール」:大泉洋と清水富美加がいい!

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映画『東京喰種 トーキョーグール』は、バケモノ的な特殊能力を持った軍団とバトルを繰り広げるという、いかにも今日びのコミック原作VFXアクション。なぜこんな映画ばかりの世の中になっちゃったんでしょうか?という嘆きはさておき、よく出来た作品に仕上がっていると思います。そして松竹作品にしては珍しく、泥臭さが抜けていていい感じです(洗練とまでは行きませんけど)。

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グール固有の触手のVFXだとか、それに対抗する武器のVFXだとか、なかなかに凝った(でも一昔前的なテイストもある)映像です。窪田正孝の黒い仮面もデーモニッシュでカッコイイです。 人を喰う、人肉を喰うことの悪魔的な毒気も、あくまでもダークに表現されています。

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主役の窪田正孝の葛藤が長過ぎるほど延々と描かれますが、まさにそこが本作のキモなのでしょう。それは見方を変えれば、他の生き物の肉を食べることで生きている人間への異議申し立てであり、原罪の探求でもあるのです。

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でも

本作の見どころは、大学生と言うにはトウが立った窪田ではなく(とは言っても彼、現在TVで高校生役を演じてますけど)、大泉洋と清水富美加です。 大泉に(笑い抜きの)この役を当てがった人、ナーイスー! センスのあるキャスティングです。 そして清水富美加が一般の映画界から引退ってのは、かえすがえす惜しいですねえ。実は大江戸は、彼女の演技の才能を結構買っていたのです。本作の中でも、強気な個性に、にじみ出る哀しみに、キレの良いアクションにと、その才能をふんだんに発揮していただけに、残念でなりません。

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2017年8月 6日 (日)

「デ・パルマ」:地味ながら公開されました!

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映画『デ・パルマ』を、新宿のシネマカリテで観ました。開催中の「カリコレ(カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション)2017」の中の1本として、7/29~8/9の間に7回のみの上映。地味~な公開だったので、大江戸も危うく気づかずに観逃すところでした。

ブライアン・デ・パルマ(故・今野雄二さん流に言えば「ディ・パーマ」ですが)ほど、現存の監督の中でその技法や表現の分析をしたくなる人はいないでしょう。映画史の中でも、デ・パルマ自身が師と仰ぐヒッチコックの次にファンや研究者の探求心をくすぐる監督だけに、このような企画はまさに時宜を得たものだと言えるでしょう。

キャリアのピークとも言える'80~90年代(小生は’70年代の彼の方が好きですけど)の顔からは、だいぶ変わりましたね。温和な顔になりました。そのデ・パルマが自分の半生と作品を振り返り、全作品のフッテージが流れる構成。ま、王道の作り方ですね。だけど、そこでデ・パルマさんったら、ネタバレ全開で語ってくれちゃってます(当然、映像も)。だから、デ・パルマの主要作品を未見の方にはお勧めできません。せめて、『キャリー』『フューリー』『殺しのドレス』あたりを観てからにしてくださいね。

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ノア・バームバックとジェイク・パルトロウの共同監督作です。やはりデ・パルマ作品ってギミックたっぷりでビジュアル的に華があるので、観てて楽しいです。あのスプリット・スクリーンへの言及はあったけど、なぜか「ディ・パーマ・スローモーション」(と今野さんが名付けていた)については触れられていませんでした。あれを外してはいけないんじゃないですかね?

デ・パルマ監督、『ミッション:インポッシブル』第1作(1996)以降は過去作の縮小再生産みたいになっちゃってて、さすがに衰えた感は否めません。まあ、現在76歳ですからねえ。でも、彼ぐらいはっきりした個性を持つ監督がいない現在、もう一花咲かせてもらいたい映像の魔術師であることは確かなのであります。

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2017年8月 5日 (土)

湘南、松本を下し首位キープ

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BMWスタジアムでの湘南vs.松本山雅戦。

本日は風が無く、Jリーグや両チームのフラッグも終始垂れっぱなしでした。いや、蒸し暑かったです。

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ビールも進むというもので、いつもは開始前に1杯だけなのですが、今日はハーフタイムにもう1杯飲んじゃいました。

 

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今日はメインスタンド・ホーム側のコーナー・ポール後方客席での観戦。

ロンドさんとわかちこさんとベルマーレクイーンが、キックオフ直前にスタメンを改めて紹介してあおるという、いつもの儀式で盛り上げます。

 

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今日のベルマーレは、来期の入団が発表されたばかりの大学生・松田天馬を先発に起用。いかにも曺監督 らしい大胆な用兵です。この天馬くん、164cmと小柄なMFですが、トップ下あたりで起用されて、なかなかいい感じにプレイしておりました。

67分にこちらも新加入のドラガン・ムルジャと交代しましたが、これからが楽しみな選手です。

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今日は 茅ヶ崎やら何やらで花火大会があったらしく、 その影響で客数もやや少な目(9088名)なのかと思ったのですが、ハーフタイムに日本端子さん提供の花火が上がりました。これがかなり派手! 河野社長が来ていたので頑張っちゃったのでしようか、これまでこのスタジアムで見た花火の中で一番大きく華やかでした。

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ただ風が無かったので、終了後に煙がスタンドやピッチに降りて来て、徐々に覆いつくして行きました。こ、これはジョン・カーペンターの『ザ・フォッグ』か?!って感じでした(わかる人にはわかる)。 近くにいた人は、「ヨーロッパのスタジアムで、発煙筒たかれた時みたい」と言っておりました。

 

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開始早々の3分に先制され、その後も松本のプレスに苦しめられた湘南ですが(ソリさんがしっかり対策して来た感じ)、徐々にチャンスを作り出し、32分にオウンゴールで同点。そして37分に端戸の高い位置でのボール奪取から山田が決めて2-1と逆転。後半は両チーム無得点で、結局ベルマーレが勝ち点3をゲットして首位を守りましたました。

でもねえ…、石川シュート外し過ぎ(ふかし過ぎ)だろ!  一方で、ジネイは素晴らしい頑張りぶりで貢献度大でした。

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勝利のダンスが終ると、曺監督が松田天馬とがっちり握手。鮮やかなデビューを祝い、今後への期待を表しておりました(バンザイまでしてました)。

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これまでのベルマーレって、夏場に調子を落として勝てなくなることがよくあったのですが、どうやら今年は大丈夫って雰囲気が出ております(七夕ユニフォームで3連勝なんて初めて見た気がしますし)。 シーズン中途の補強選手も、いつになく強力ですしね。
   

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2017年8月 4日 (金)

「ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』:えらくつまらないんですが・・・

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映画『ザ・マミー 呪われた砂漠の王女』は、ユニバーサルの「ダーク・ユニヴァース」シリーズの第1弾ってことですが、こんなんでいいんですかい?? まったくのところ面白くもおかしくもありませんでした。どうしてこれを第1弾にしちゃったのか、謎です。まあたぶん、トム・クルーズの主演ってことで、往年のユニバーサル怪奇映画に漂うB級感を払拭して、れっきとしたビッグ・バジェット・ムービーですよと示したかったんでしょうね。それにしても、つまらなかったなー。

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ラッセル・クロウをシリーズの狂言回し的なジキル/ハイドとしたあたりにも同じ考え方が見て取れます。だけど、本作でこの人が凶暴なハイド化した時のドイヒーな芝居を見ると、むしろ「やっちまった」感しか残りません(ユニバーサルにとっても、それ以上にラッセルにとっても)。

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怪奇的な雰囲気は皆無で、むしろ『インディ・ジョーンズ』的な考古学風味まぶしのアクションです。飛行機墜落の場面に、かなりリキが入ってました。

だけど肝腎のミイラが、ほとんどゾンビ・テイストなんですよねー。どうして、なんでもかんでもゾンビに寄って行っちゃうんでしょうか? みんな、そんなにゾンビが好きなんでしょうか? 謎です。

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(以降ネタバレあり) これ、今後の展開としてはミイラの仲間化したトム・クルーズが、フランケンシュタインの怪物(ハビエル・バルデム)とか透明人間(ジョニー・デップ)とかと闘ったり、結託したりするのでしょうか? あまり面白そうに思えないのですけれど・・・。 トム・クルーズは本作でも昨年の『M:i ローグ・ネイション』でも、長時間の息止め潜水やってたので、半魚人の方がいいような気もいたします。

で、ユニヴァース化したってことで、先行するマーヴェルのようにエンドクレジット終了後に、お約束の「オマケ・シーン」がついて来るのだろうと思って、やけに長い(軽く10分以上はあり、他の作品と較べてもえらく長かったです)タイトルロールを最後まで見たのですが、何にもナシ!の肩透かし。そりゃないよー。

 

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2017年8月 3日 (木)

プーさんのおしり

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わお!

新宿の地下通路で、1本の柱がえらいことになってました。

木になってますけど、こ、これは・・・

プーさんがめりこんじゃってます。

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まあ、めり込んじゃってるわけではなくて、ハチミツを取ろうとして木の穴に入ったら、出られなくなっちゃったわけですけど。

そういうわけで、木の反対側からは頭が出ていません。

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どうやらこれ、某カード会社の広告みたいですね。シンプルでそこそこの費用しかかかっていない(はず)割には、通る人の多くが(特に女子)足を止めて、写真を撮ったりしておりました。単純ながら、アイディア勝ちですね。

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おしりを拡大すると、こんな感じ。

ぬいぐるみなので、結び目がほどけちゃってるわけですね。原作もこうだったってことですよね。それにしても、ハチミツすごいですね。

てなわけで、今日8月3日は「ハチミツの日」。

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「アルチンボルド展」と「ル・コルビュジエの芸術空間」

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上野の国立西洋美術館で、『アルチンボルド展』を観ました。それほど観たかったわけではないのですが、招待券をもらったので。

ここも久々に来ましたが、世界文化遺産になったってことで、ル・コルビュジエの紹介やら何やらが展示してありました。

『アルチンボルド展』は、この画家の日本初の本格的紹介となる展覧会なのだそうです。意外な気もしますが、考えてみれば確かにやってませんもんね。

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アルチンボルドと言えば、寄せ絵の肖像画・・・花とか野菜とか魚とかが集まって顔になってるやつ。

ま、正直思った通りというか、期待以上ではなかったというか、そんな展覧会でございました。

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で、むしろ常設展内で開催していた『ル・コルビュジエの芸術空間』という小展覧会の方が面白かったのです(『アルチンボルド展』の半券で、常設展ともども観られます)。「国立西洋美術館の図面からたどる思考の軌跡」とあるように、ここを設計するにあたってのコンセプトや、建築の思想や、特色や、時系列の変更箇所を図面やスケッチで展示してあり、非常に興味深いものでした。 これは「得しちゃった」気分でしたね。

その後に観た常設展の中には、ル・コルビュジエによる絵画作品もありましたよ。

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2017年8月 2日 (水)

「ありがとう、トニ・エルドマン」:重くて長くて笑えない

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映画『ありがとう、トニ・エルドマン』は、相当けったいなドイツ映画。結構評判が良いみたいですし、ジャック・ニコルソン主演によるハリウッド・リメイクも決定しているそうですけど、大江戸としては「そんなにいいかあ?」と疑問符をつけずにはいられません。

この手のコメディにしては異例なほど長い2時間42分の上映時間。そこから逆算したように、テンポもゆーっくりなんです。とにかく一つ一つのシーンが静かにゆったりと描かれていて、しかもカット尻の長いこと! ちょっと、じれったくなってしまうほどです。

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しかもギャグ(と言っていいのかどうか・・・)が、どれもこれもキレが悪く重苦しいので、笑っていいのやらいけないのやらわかりません。 この主人公のパパさん(エルドマン氏)が、「マイルド異常者」で、かなりイラつきますし。こんなんで「娘のためを思って」とか言われても、困っちゃいますよね。

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(以降ネタバレあり) 終盤の裸パーティーのシークェンスも、謎多過ぎです。そもそもなんで主人公が靴が履けずにイライラしていた後に、服を脱ぐに至ったのかがよくわかりません。男性の上司や同僚にハダカ姿を見せて平気な感覚もわからないし、他の同僚もなんだかんだ賛同して裸になっちゃうあたりも・・・。ドイツでは、ハダカのハードルって低いんでしょうか?? 少なくとも日本では、コメディ内でも成立しない行動だと思います。あまりにヘンテコで、ここだけは笑えましたけど。

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その後の感動的(であろう)場面も、大江戸的にはさほどの感銘を受けませんでした。なんだそりゃ?って感じで。

こういう映画を観ると、世界は広いし、まだまだ映画の可能性って色々あるんだろうなあと思わないわけにはいきません。ま、その作品を評価するかどうかとは別の問題ですけどね。

 

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2017年8月 1日 (火)

「君の膵臓をたべたい」:美しい映画、泣けるファンタジー

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『君の膵臓をたべたい』は、美しい映画です。トリッキーなタイトルに反して、古典的なプロットを丁寧に描いた物語です。大江戸は基本、死病映画は嫌いなのですが、これぐらい美しく作ってくれると、素直に泣けます。 でもこの作品の公式サイトを見ると、さかんに「キミスイ」っていう省略形が出て来るんですけど、「えのすい」(江ノ島水族館)みたいですね。あるいは「卵の黄身のお吸い物」?

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予告編で見た限りでは主演の二人(浜辺美波、北村匠海)がさほど魅力的に感じられなかったのですが、いえいえとんでもない。映画の中では、実に好もしい、魅力的な、応援したくなる少年少女でした。死に向っていく少女を生き生きと(と言っては逆説的ですが)描いていますし、少年の内向的な所も実に小生には響きました。この二人が過ごした日々の輝きは、凡百のキラキラ映画には到底まねできない美しさでした。 それにしても浜辺美波と北村匠海って、二人とも「海」系のお名前ですね。

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あえて親や家族を出さないあたりも、「ファンタジー」としては正しい選択でしょう。「美しいおとぎ話」を妙に現実的な土俵に引きずり込む行為は避けたのでしょう(終盤に少女の母親だけは、控えめに登場しますが)。

ただ、観た後に知ったのですが、現代部分(小栗旬、北川景子)をつけ足したのって、原作にはない映画の改変部分なんですってね。うーん、ノー・スター映画になるのを避けたっていう興行的な配慮が大きそうですね。でも正直言って、このつけ足し部分はさほど魅力的ではありませんでした。

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そうは言っても全体的には良い出来ですし、甘酸っぱい気分になれる作品です。ホテルの場面、自宅の場面、病院の場面・・・と、二人のからみが最高なのです。 浜辺美波は16歳にしてはやけに「大人顔」だと思いますが、この東宝シンデレラは果たしてどう育っていくのでしょうか?

12年後に主人公の親友だった少女が北川景子になっていることにも多少の違和感がありましたが、クラスメイトの少年=矢本悠馬が上地雄輔になっていたのには超ビックリ!!! 笑いそうになりました(ギャグですか?!)。「俺、整形したんだ」なんて台詞が出て来るんじゃないかと思っちゃいましたよ、マジで。

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