「甘き人生」:イタリアの男って・・・
映画『甘き人生』ってタイトルは凄いですね。「甘い」じゃなくて文語的に「甘き」なのであります。まあ、今年は『素晴らしきかな、人生』ってのもありましたけど。原題及び英語題は「甘い夢(Sweet Dreams)」って意味らしいのですが、本作中にも出て来る「良い夢を!」って感じでもありますよね。
映画作りが上等と言いましょうか、一つ一つのシーンに「だしが利いてる」感じ。そこは、マルコ・ベルッキオ監督を褒めるところでしょう。撮影もしっかりと煮込んで、味が染みてる感じです。
でもお話としては、(マザコンとして有名な)イタリア男の一生はマンマ、マンマ・・・だという身も蓋もないようなもの。日本男子の小生が見ていると、少々うんざりするものがあります。
むしろ父親とのいくつかの場面--父に連れられて、トリノFCの試合に行く場面(家の真ん前がスタジアムで、窓から客席上段が見える!)だとか、歳月が過ぎて父が若い彼女と再婚すると伝える場面だとかが印象的でした(この場面では、父と老け顔の主人公がほとんど同年配に見えます)。
イタリアの人(特に男)にとっては、共感を呼ぶストーリーなんでしょうかねえ。大江戸にとっては、母の死を引きずり過ぎとしか思えないのですが・・・。
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