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2017年8月15日 (火)

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」:ゲスの極み男

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映画『ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ』は、マクドナルドを真の意味で創業したマクドナルド兄弟とシニカルな意味での「創業者(ファウンダー)」であるレイ・クロックの確執を描いた「真実に基づく」物語。それにしても、よく映画化できましたね、これ。マクドナルド社への法務的な対応などが、かなり大変だったのではないでしょうか? それぐらいレイ・クロックのえげつなさ、モラルの欠如をはっきり描いちゃってます。日本だと、こういう作品を作るのは、まず無理でしょうね。

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小生は大学時代ほぼ4年近くマクドナルドでアルバイトをしていたので、’50年代のマクドナルドを見ての感慨もひとしお。ああ、ケチャップやマスタードのディスペンサーって、ああいう出方だったよねとか、紙のハットって昔からああだったんだあとか、カウンター内や厨房の配置って、確かにあれと似ていたとか、色々楽しめました。あの鉄板で手のひらヤケドして、大変だったし。ゴールデン・アーチはまだ二重に(つまり「M」の字に)なっていなかったんですねえ。

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それにしても、こんなルール無視のアコギな人がマクドナルドを大きくしただなんてことは、クルー(従業員)教育では一切教わりませんでしたよ(←あたりまえ)。世間的には、アメリカン資本主義に基づくビジネス重視のレイ・クロックと、発明家にしてこだわりを見せるマクドナルド兄弟のどちらにも良い面、悪い面があるみたいに言う人もいるようですが、小生は100%マクドナルド兄弟の味方です。世の中、拡大拡大で良いことなんて、あまりありません(なのに、イケイケドンドンの人たちって多いですからねえ)。

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レイの奥さんをローラ・ダーン(この人、昔からオバサン顔でしたが、ようやく顔に年齢が追いついた感じです)が演じてますが、この糟糠の妻の捨て方もひどいもんです。そんなゲスの極み男を、マイケル・キートンが「適役」として演じています。

てなわけで、腹が立つ作品ではありましたが、最初から最後まで目を離せない面白さなのでありました。

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コメント

「ファウンダー」はブログの感想で「ちょっとマクドナルドに寄りたくなった」みたいな感想を書いてる所も多く、「創業者があんなんなら二度とマクドナルドなんていかない」とか憤ってる人もいないので、結果的にはマクドナルドのいい宣伝になってるのではないでしょうか。「ダーク」だとしても、昔の話ですと言っておけばいいのだし。

投稿: ふじき78 | 2017年8月15日 (火) 23時44分

ふじきさん、うーん、そんなもんなんでしょうね。確かに、企業の裏側は、消費者にはあまり関係ないことですし。
絵的にはハンバーガー食べたくなる感じでしたもんね。

投稿: 大江戸時夫 | 2017年8月16日 (水) 09時39分

こんばんわ!
ローラ・ダーンといえば、
最初に印象に残ったのが『ジュラシックパーク』でした。
その当時が調べてみると26歳!
たしかに老け顔・・・
あの子役たちの母親かと思えるくらいでしたよね。

投稿: kossy | 2017年8月17日 (木) 21時59分

そうです、kossyさん。
23歳の時の『ワイルド・アット・ハート』だって、若々しさが無くてボディコンも似合わない、異形のヒロインでありました。

投稿: 大江戸時夫 | 2017年8月17日 (木) 22時41分

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