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2017年8月 1日 (火)

「君の膵臓をたべたい」:美しい映画、泣けるファンタジー

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『君の膵臓をたべたい』は、美しい映画です。トリッキーなタイトルに反して、古典的なプロットを丁寧に描いた物語です。大江戸は基本、死病映画は嫌いなのですが、これぐらい美しく作ってくれると、素直に泣けます。 でもこの作品の公式サイトを見ると、さかんに「キミスイ」っていう省略形が出て来るんですけど、「えのすい」(江ノ島水族館)みたいですね。あるいは「卵の黄身のお吸い物」?

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予告編で見た限りでは主演の二人(浜辺美波、北村匠海)がさほど魅力的に感じられなかったのですが、いえいえとんでもない。映画の中では、実に好もしい、魅力的な、応援したくなる少年少女でした。死に向っていく少女を生き生きと(と言っては逆説的ですが)描いていますし、少年の内向的な所も実に小生には響きました。この二人が過ごした日々の輝きは、凡百のキラキラ映画には到底まねできない美しさでした。 それにしても浜辺美波と北村匠海って、二人とも「海」系のお名前ですね。

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あえて親や家族を出さないあたりも、「ファンタジー」としては正しい選択でしょう。「美しいおとぎ話」を妙に現実的な土俵に引きずり込む行為は避けたのでしょう(終盤に少女の母親だけは、控えめに登場しますが)。

ただ、観た後に知ったのですが、現代部分(小栗旬、北川景子)をつけ足したのって、原作にはない映画の改変部分なんですってね。うーん、ノー・スター映画になるのを避けたっていう興行的な配慮が大きそうですね。でも正直言って、このつけ足し部分はさほど魅力的ではありませんでした。

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そうは言っても全体的には良い出来ですし、甘酸っぱい気分になれる作品です。ホテルの場面、自宅の場面、病院の場面・・・と、二人のからみが最高なのです。 浜辺美波は16歳にしてはやけに「大人顔」だと思いますが、この東宝シンデレラは果たしてどう育っていくのでしょうか?

12年後に主人公の親友だった少女が北川景子になっていることにも多少の違和感がありましたが、クラスメイトの少年=矢本悠馬が上地雄輔になっていたのには超ビックリ!!! 笑いそうになりました(ギャグですか?!)。「俺、整形したんだ」なんて台詞が出て来るんじゃないかと思っちゃいましたよ、マジで。

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