「ロスト・イン・パリ」:ポップで軽いお楽しみ
映画『ロスト・イン・パリ』は、現役のクラウン(道化師)であるドミニク・アベルとフィオナ・ゴードン夫妻が作った作品。パントマイムの要素を取り入れたりして、いかにもな仕上がりとなっております。
このご夫妻、二人とも’57年生まれだから今年還暦なわけですけど、細身の体は衰えを見せることなく、ところどころに見事な体技を披露してくれます。
サイレントでもわかるような笑いを色々と用意して(爆笑と言うよりは、さりげない笑いが多いですね)、終始軽やかに楽しませてくれます。ジャック・タチを受け継いだところもあるし。それほど多くを期待しなければ、気軽な83分のお楽しみってことになるんじゃないでしょうかね。
色彩設計がポップにキレイなのもいいですよね。さすがパリって気になるじゃあないですか(最初と最後の部分は「さすがカナダ」って感じなのですが)。 こういう作家趣味をバリバリに出して、絵をコントロールしまくる監督って、今はウェス・アンダーソンとかミシェル・ゴンドリーとか僅かしかいないので、貴重です。
感心した点を3つ。 ①フィオナの大きな黒縁メガネ・・・喜劇の主人公らしくていいですよね。 ②パリはホームレスだっておしゃれですねえ(ま、フィクションですけど)。 ③フィオナが橋からセーヌ川に落ちる場面で、スマホの画面に真っ逆さまに落ちる下半身が写っているところが、やけにおかしかったです。
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