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2017年8月22日 (火)

「海辺の生と死」:じーーーっくり撮りすぎでは?

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映画『海辺の生と死』は、奄美の離島を舞台にした戦闘シーンのほとんどない戦争映画(米軍機からの機銃掃射のシーンが一つだけあります)。こじんまりとしながらも2時間35分の長尺です。

ただ、物語はいたってシンプル。長くなった理由は、一つ一つのカットをじーーーっくりと撮っているから。そこまでじーーーっくりと撮らなくてもいいなじゃないの?ってぐらいじーーーっくりと撮っています。

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ロングショットが多いのです。そして長回しも多いのです。だからロングショットでの長回しも多いのですが、その効果がさほど出ていないように思えました。芝居の持続により、役者の全身から立ち上るリアルな切迫感や情動が、(例えば相米の長回しのようには)感じられなかったのです。この手法を生かすには、満島ひかりの場合(演技が)うますぎたのかも知れません。あ、でも永山絢斗の芝居は今回もうまいとは言えませんが・・・。

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芝居と言えば、子供たちの芝居(発声)も学芸会みたいで、もう少し何とかならなかったものかと思ってしまいました。

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(以降少々ネタバレあり) ラストは、やけにあっさりしておりました。まあ、「緊張→弛緩:意外性とそこに漂う虚しさ」という構図はわかりますが、何だかやりようによっては、もっとこの作品を高められたような気がしてなりませんでした。特に最後の最後はあまりに軽くて、この2時間35分を支え切れていなかったように思えるのです。

 

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昭和19年(1944年)12月、鹿児島県奄美群島のカゲロウ島(加計呂麻島)。 国民学校(小学校)の代用教員をしている女性・大平トエは、島に駐屯している海軍の隊長・朔(さく)中尉と出会う。 トエの父は島で尊敬されている蔵書家で、文学青年の朔は本を借りるために、度々トエの家を訪れるようになった。 島の暮らしは穏やかに見えても戦局は悪化しており、密かに準備されていた特攻艇で、朔が出撃する日も近づいていた…。 ラブ・ストーリー。... [続きを読む]

受信: 2017年8月23日 (水) 08時42分

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