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2017年9月11日 (月)

「エル ELLE」:ハネケほどの毒はなくて・・・

359372_005映画『エル ELLE』は、久々のポール・バーホーヴェン監督作。でも現在79歳の人が作った映画だけに、以前ほどの「毒」は感じられませんでした。出てくる人たちはみんなゲスだし、描かれている物事もアブノーマルだったり不快だったりするのですが、あの胸につっかえるdisgustingな感覚はありませんでした。

広告にも、人々の感想にも、「衝撃」とか「強烈」とか「変態」とか書いてあるのですが、小生にはむしろ肩すかしでした。は?こんなもんですかい?って感じ。昔のバーホーヴェンは、もっと毒気が強かったし、ミヒャエル・ハネケの方が何倍も狂ってて変態です。

そう、イザベル・ユペールが主演でこの路線ってことは、当然ハネケの『ピアニスト』を思い出します。そして、『ピアニスト』の方が数段衝撃的で強烈で変態な映画なのです。なんか「覚悟が違う」感じがします。

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まあそれでもメジャーな娯楽作の枠内では、随分頑張った(?)と言えるでしょう。それもこれもイザベル・ユペールのおかげですよね。現在64歳だから、撮影時だって還暦を過ぎていたはずですが、49歳の役柄でしたし、まあ色々とあっぱれです。

ヘンな映画ではありますが、むしろコメディとして頭から観直してみるといいかもと思いました。もともと随所に笑いの要素はありましたし、それぞれのキャラクターがかなりコミカルですもんね。ウディ・アレンに頼んで、コメディとして全編吹き替えてもらいたい気がいたします。

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