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2017年9月 8日 (金)

「ザ・ウォール」:90分1カ所勝負

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映画『ザ・ウォール』は、冒頭のタイトル“THE WALL”の下にアラビア文字が出ます。おそらくイラクの言葉で壁を意味するのでしょう。このタイトルが示唆するように、アメリカとイラクの兵士(イラク側は「市民」だと言ってますが)の対決を描いた映画です。そして、かなり静かな対決です(汚い兵士言葉でしゃべりまくってはおりますが)。まあ頭脳戦の部類です。

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大江戸がまず思ったのは、『眼下の敵』みたいな映画なのかな?ってこと。見えない敵との腹の探り合いや騙し合い、そこから生じる「敵ながらあっぱれ」的なリスペクト。 でも違いました。戦争自体がそんなのどかな時代のものではなくなっているようです。まあ他の映画みたいに、モニターの画面上だけで片が付く戦闘ではなく、かなり古典的な銃対銃の戦いなのですが、そこにあるのは憎しみと侮蔑と化かし合いだけ。『眼下の敵』に見られるスポーツマンシップは、期待できようはずもありません。

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上映時間90分のコンパクトな作品であり、映画内の時間進行が実際の時間の経過とイコールになっています。場所も一つ所ですし、これ舞台劇にしようと思えばできますね。低予算でもあります。その中でこれだけのサスペンスや頭脳戦を繰り広げた脚本と演出は、大いに評価すべきでしょう。

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(以降ネタバレあり) でもラストがいわゆるバッド・エンドでして、そこらがいかにも現代的ではあります。後味わりー。 全体的には面白い物語を作るための材料として戦争を使っている感じの作品なのですが、ラストの虚しさで突如反戦のメッセージを打ち出して、帳尻を合わせているように見えなくもありません。 まあ、でも面白い映画でしたよ。

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