« 2017年9月 | トップページ | 2017年11月 »

2017年10月31日 (火)

「わたしを離さないで」 by カズオ・イシグロ

_20171029_170233ノーベル賞に敬意を表してって感じで、先日古本屋で買って、カズオ・イシグロの『わたしを離さないで』(早川文庫/土屋政雄訳)を読みました。

これ、映画化されたもの(2011年公開)は観ていますが、今一つ印象が薄くてほとんど忘れちゃってました。 (その時の当ブログの記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2011/05/post-f87f.html

名人芸というか何というか、見事な筆の運びです。ある「謎」を孕みながら進行する物語。少しずつ小出しに秘密を明かしながら、じれったいほど徐々に核心に迫って行く筆致で、小説の面白さを堪能させます。先が知りたくなって、ぐんぐん読み進むのです。

これ、何の予備知識もなく読んだなら、さぞや驚くことでしょうねえ。それぐらいオールド・イングランド調の設定とSF的な謎とがかけ離れていて、でもリアルなキャラクターや精緻な心理描写が、そのギャップを感じさせないのです。そこらが小説家の腕ってもんですね。さすがです。

終盤からラストに漂う無常観は、映画も小説も同様です。静かに胸を打つものがあります。そして読む者(観る者)は、人間というものについて、人の生について、深く哲学せざるを得なくなるのであります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月30日 (月)

「74歳のペリカンはパンを売る。」:食い足りないドキュメンタリー

361061_001
映画『74歳のペリカンはパンを売る。』は、浅草(というか台東区寿)の人気パン店ペリカンのパン作りを描くドキュメンタリー。

ここ、パン好きの間では有名ですし、大江戸も食パンをいただいて食べたことがあります。おいしかったけど、特にそんな大騒ぎするほどの味でもなく、まあ上出来で真っ当なパンの良さって感じでした。それはみんなが思う所のようで、この映画でも多くの人が、ここのパンを「普通」とか「空気みたい」とかいう言葉で評しています。

361061_002

そんなペリカンさんは、2種類のパン(食パンとロールパン)だけで長期にわたって、大きな支持を獲得しています。デパートに出店したりせずに、自店だけの身の丈規模の商売を長年おなじように続けている--その「変わらなさ」がブランドになっているのです。

タイトルで「74歳のペリカン」っていうから、創業者とかが出て来るのかと思ったら、このお店が出来てから74年ってことなんですね。

361061_008
でも80分と短めの映画なのに、パン作りに関してやたらと同じ場面が繰り替えされて、飽きちゃいます。もっといろんな場面を見たかったし、パン作りに限らず、このペリカンというお店をいろんな角度から見てみたいと思いました。だって、それがドキュメンタリーの探求心ってものでしょ。なのに、この映画は妙に掘り下げないんですよねえ。インタビューも同じ人が何度も登場するし、割と普通の事言ってるし、広がりに欠けるんです。これなら1時間でまとめられますよね。

361061_010
生きていれば今80歳ぐらいだった三代目が鬼籍に入っていて、30歳ぐらいの四代目はまだ経験不足ということで、ドキュメンタリーを作りにくいタイミングだったとは思います。それでも、もうちょっと何とかできたんじゃないかとも思いました。 一番のベテラン職人さん(ご本人は「職人」という言葉を嫌っているようでしたが)が、やけに「語る」んですけど、作る人があそこまで自賛的に語っちゃあ美しくないですよね。やっぱり主役である「商品」に語らせなきゃ。 むしろ映画を作る側に「遠慮」があったのでは?と思わざるを得なく、最後まで食い足りなさを拭えませんでした。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2017年10月29日 (日)

湘南ベルマーレ優勝決定!!

_20171029_165718
またしても雨のBMWスタジアム。この秋はポンチョの乾く暇がありません(まあ、乾いてたけど)。

_20171029_170128

昨日、福岡が引き分けたことによって昇格が決まったベルマーレですが、今日は優勝をかけてファジアーノ岡山との一戦。ホームで昇格や優勝が決まるのは、なぜか初めてってことで、満員になる予定でしたが・・・台風の影響でかなり本格的な雨ってことで、8,780人に留まりました。でも、こんな日に来てる人こそが、真のサポーターってことで。

Rscn2616_convert_20171029233004
それにしても凄い雨でした。強くなったり弱くなったりしながら、終始降ってましたけど、いやー、ポンチョ着ながらの苦行でありました。

Rscn2614_convert_20171029232924
ベルマーレクイーンもオープニングのコール&レスポンスの時からもう『七人の侍』的な雨の中をポンチョ姿で応援。試合中はいつものように、藤田祥史の懸垂幕の下で飛び跳ねて応援でした。

_20171029_165835
大江戸はバックスタンド中央の今年からの増設指定席で観戦(前から3列目)。いや、ピッチ近いっす。構造上、メインスタンドよりもバックスタンドの方がピッチに近いので(なのに料金は安い)、ここはオススメです。

選手たちは水しぶきを上げながらプレイし、ボールがストップしてしまうという悪条件。さすがにこれでは、真っ当なサッカーができません。消耗も激しそう。

Dsc_1964_convert_20171029232206
結局は前半ジネイ(湘南)が頭で決めた1点を守り切る展開かと思いきや、86分に元湘南の大竹洋平(岡山)のシュートで同点となり、そのまま1-1で終了。まあ、引き分けでも優勝が決まったわけですが、なんとも喜びきれない展開。大竹、空気読めよ!

Rscn2613_convert_20171029232801
盛り上がりに欠けたのには、別の理由もあってですね・・・1.昨日既に昇格が決まっていた 2.雨で気分が重くなる 3.ポンチョで動きにくくなる 4.2位以下のチームと大きな開きがあるので、もうだいぶ前から優勝は既定路線だった ってこと。

Dscn2604_convert_20171029232351

それでもセレモニーで村井チェアマンからシャーレが手渡され、それを菊地俊介が掲げたりすると、やはり嬉しいもんです。

Rscn2611_convert_20171029232644

今日ばかりは曺貴裁監督も、嬉しそうにはしゃぎながらシャーレを掲げていました。

_20171029_163621

まあ、今日だけの事じゃなくて、1シーズンの積み重ねの結果ですからね。高山薫がほぼ1シーズンをケガで棒に振り、菊地俊介もやはりケガでシーズンのかなりの部分を出場できなかった。つまり主軸の二人が欠けていたのに、他のメンバーが穴埋めして勝ち進んだわけです。よくやったもんだと思います。素直に喜んでいい優勝です。2部ですけどね。

_20171029_170836

来期は、前身である藤和不動産サッカー部の創立以来50周年の節目の年。J1のステージで、しっかり暴れてもらいたいものです。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月28日 (土)

「あゝ、荒野 後篇」:またもや失速の後篇

360577_005
映画『あゝ、荒野 後篇』は、あの素晴らしかった前篇の続きだけに楽しみにしておりましたが、うーん、何か別物のように魅力が薄くなっておりました。いったいどういうことなのでしょうか。本作をもってしても、日本映画の「前・後篇ものは、後篇でガクッと落ちる」というジンクス(?)が崩せなかったようです。

360577_003

つまらなかったわけではありませんし、ボクシング場面の迫力などは十分でした(ただあそこまでになる前に、レフェリーがドクターストップかけますよね・・・)。やはり前篇ではヴィヴィッドだった登場人物たちの人生のドラマが、後篇ではどこかに行っちゃったり、類型的な辻褄合わせに終わったりで、何とも残念なのです。その分、ボクシングの試合シーンはたっぷりと時間を取って、迫力十分にやってますけど、映画ってのはそれだけじゃあ弾まないんですよねえ。

360577_001

菅田将暉とヤン・イクチュンはしっかり鍛えて、しっかりボクシングを演じていますが、それでもやはり胸板は薄いし腕は細いです。でもそこは、映画の魔術も合わさって、迫力のある痛さを感じさせるようなファイトとして提示されています(まあ、屋久島の森みたいな場所に滝があって裸女がいるという、パンチを食らった時の幻想は苦笑ものでしたが)。

ボクシング場面における菅田の凄さは、「山本戦」では憎しみと怒りの狂気を前面に出しながら、「バリカン戦」では愛と喜びの狂気になっていること。それをどちらも只ならぬ熱量で演じておりました。以前より天才肌の演技者ではありましたが、ここで一つの到達点を示したと言えるでしょう。

 

360577_008
後篇だけで2時間27分もあるのに、多くの登場人物の落とし前(結末)がきちんとつけられていないのが、物足りない点です。一方では1時間半ぐらいにしか感じられぬほど、ダレずに見せ切ってはいたのですが・・・。 前篇にあった未来的な要素もどこか行っちゃって、単に’60年代の匂いだけが残ってましたし。

(以降ややネタバレあり) エンディングなんかますますもって、『あしたのジョー』でした。っていうか、梶原一騎が寺山の『あゝ、荒野』を色々とパクったのでしょうけどね。

(前篇の評はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/10/post-375f.html

| | コメント (2) | トラックバック (4)

2017年10月26日 (木)

劇団四季の「SONG & DANCE 65」@自由劇場

_20171026_131603
浜松町の自由劇場で劇団四季のミュージカル『SONG & DANCE 65』を鑑賞。

14461215522771

ここの劇場に来たのは2度目ですが、こじんまりしていて、席の間隔もロビーも狭いってあたり、本場ブロードウェイやウェストエンドの古典的なコヤみたいです。でも感覚的には新しくって、総じて良い劇場です。

_20171026_131510

内装の美意識が高いんですいよね。そしてかなり大江戸の好みに合ってます。ボルドー・カラー(赤寄り)の壁やじゅうたん、丸窓からの採光、サークル状の照明、木製ベンチetc.

_20171026_131453_2

半らせん階段も素敵ですし、手すりはブドウのモチーフです。この劇場、そもそもロゴにもブドウの絵が入っていたりするんですよね。あ、だから内装がボルドー・カラーなのかあ!

_20171026_131544_2

で、この作品は劇団四季の創立65周年(は来年なのですが)の歴史を彩った数々の名曲、名場面集。舞台版『ザッツ・エンータテイメント!』ってところですね。

ただ全38曲中、地味なナンバー、知らないナンバーも多く、またストーリーと切り離されて曲だけが存在している形なので、そこらが難点ですね。頭に「?」マークが出て、ノれません。 圧倒的なダンスとか群舞がはいっているナンバーは楽しめるのですが、ソロとか二人とかの歌だけだと結構しんどくて、正直眠気が襲って来ました。

でもまあ、『パリのアメリカ人』『クレイジー・フォー・ユー』といったガーシュウィンもの、『エビータ』『キャッツ』『オペラ座の怪人』『ライオンキング』などの有名ナンバーは、それなりに楽しめました。

_20171026_131434

ただやはり感情を揺さぶられるまでにはなりません。ミュージカルの楽曲って、やはりストーリーの流れやキャラクターと切り離せないものなのだなあと、改めて知らされました。

20分の休憩を挟んで2時間20分とコンパクト。でも物語の展開に引き込まれるということのないこのスタイルだと、観る方にとってもこれ以上はしんどいと思います。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月25日 (水)

今日の点取占い274

Dsc_1952
ライオンの子供を飼ってみたい   8点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月24日 (火)

今日のいたずら10

_20171003_145231
人さまのお茶を、「昆布だし」ってことにしておく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月23日 (月)

下北沢のエイト・バーガーズ

_20171021_184213
ファストフード系のハンバーガーと、本来の肉厚のハンバーガーって、やっぱりかなり違いますよね。で、ホンモノの高いやつって、たまにすごーく食べたくなりますよね。 え?食べたくならない? ふーん。まあ、いいや。

Dsc_1945

で、数か月前に下北沢にオープンした「エイト・バーガーズ」に行きました。“BURGER'S”のアポストロフィーの位置がなぜここなの?そもそもアポストロフィー付きにしたのはなぜなの?っていう疑問は食べても解決されませんでしたが、うまいのかどうかって疑問は解決を見ました。

はい、おいしゅうございました、極めて。 シングル1,080円(税込)の「8 CHEESE BURGER」を食べてみました。無_20171021_184238料クーポンでハイネケンの生ビールをつけて。

1.5cmぐらいの肉厚ハンバーグが、当然ジューシーです。チーズとの相性も、言うまでもありません。野菜も、レタス、トマト、オニオン、ピクルスと入ってますが、邪魔になりません。そしてバンズの底の部分が少し焦げ目がつくほどに、やや硬くなるほどにトーストしてあって、そのサクッとした食べ心地も絶妙です。そしてそれらがかぶりついた口の中で一体化するダイナミズム。いやー、文句なしの上質本格ハンバーガーです! 人間たまに、こういうもんを食べるべきですね。

で、サイドに小さなコールスローサラダとフライドポテトがついておりました。フライドポテトがザク切りじゃなくて細いやつだったのが減点ですが、あとは文句なし。ハイネケンにもよく合いました。

肉2枚入りの「ダブル」もあるんですけど、それはやっぱり異次元のうまさなんんでしょうねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月22日 (日)

「猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)」:風格と重みと暗さ

360776_002
映画『猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)』は、新シリーズというかリブートというかの第3作目。何とも風格に満ちた仕上がりで、堂々たるものです。何せ猿たちが立ったりしゃべったり乗馬したりしていることに、何の違和感もありません。それぐらいモーション。キャプチャーのCGが凄いレベルにあるということですし、その表情の中に多くの微妙な感情を込めたって点でも、大いに評価されるべき作品です。

360776_003

一つ一つの絵が映画的で、レベル高いです。もちろんアクションもレベルが高くて、クライマックスの一連のアクションやVFXも圧巻です。もちろん演出力も脚本力もレベルが高いので、余計そう感じるわけですが・・・。 でもダイアローグによる説明場面が全篇通して多く、そこがダレ場になっていたのは残念でした。あとは、あまりにも重く悲劇的なトーンの140分ってのが、正直しんどいです。

360776_006

数々の先行作へのオマージュも見られました。『地獄の黙示録』やら、『大脱走』やら、いろんな西部劇やら・・・。スキンヘッドのウディ・ハレルソン(好演)なんて、まさに『地獄の黙示録』のカーツ大佐でしたねえ。シーザーがマーティン・シーンになって・・・。 

360776_001_2

また「バッド・エイプ」のコメディ・リリーフとしての軽み、おかしさが、暗いトーンのこの映画を多分に救っておりました。顔つきも、殿山泰司さんにそっくりで(!)。

猿対人の構図が、典型的な民族戦争だったり、「壁」を作ったり、星条旗が燃え落ちたりと、なかなかに時代を反映しております。 そしていよいよ「コーネリアス」も出て来ました。ってことは、もう1作ぐらいあるんでしょうねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (8)

2017年10月21日 (土)

湘南1-0勝利で、昇格に王手!

_20171021_183449
雨だから嫌だったんです。でも行って来ました、BMWスタジアム。終始黄緑のレインポンチョを着て、じっとしていました(除・得点シーン)。だって、動くと服の袖が出たり、ろくなことはないので。じっと苦行に耐えるって感じです。まあ、気温がそんなに低くなかったのが不幸中の幸いでした。

_20171021_183840_2
今日の湘南は愛媛FCとの対戦。愛媛からカエルの一平君も、目つきの悪いみかん野郎も来ていました。

結局今日は勝とうが何しようが昇格がきまるわけではないので&この雨で、観客も少な目(5,896人)。 今日は「インターナショナル・デイ」ってことで、雨じゃなければいろんなイベントがあったようですが、中止になった上に、試合前のアナウンスで「審判紹介」と「アウェイ・チームのメンバー紹介」のみを英語で(ロンドさんが)行っただけしか小生にはその内容が伝わらなかったという、何とも残念な企画になってしまいました。

_20171021_183930
そういえば、雨&16時キックオフってことで、フードパークの各店(各車)も閑古鳥でした。あの、いつもは大行列のローストビーフ屋さんが、すぐ買える状況でしたから。

台風が迫りつつあるってことで、愛媛さんのサポ席も寂しい限り。50人はいたけど、100人はいなかったろうって感じでした。

_20171021_183511

試合は1-0でベルマーレの勝利。昇格に王手をかけました。23分のセットプレイからの1点(by秋野)を守り抜きました。

_20171021_183346

それにしても、愛媛のFWをはじめとする強烈プレスが凄くって、ちょっとビビりましたね。元湘南の白井康介なんか、左サイドで走りまくってプレッシャーかけ続けて躍動していました(昔はなんかぼーっとしたハッキリしない選手だった印象なのに)。

_20171021_183406

1点取って以降は、ほとんど押されっぱなしでした。よく我慢できたもんだって感じです。でも、これだとJ1では失点しちゃってるでしょう。追加点が取れないっていう課題を、むしろ何とかしなくてはです。

_20171021_184502
今日は交代で入った高橋諒がステキなドリブルを見せたりしてくれました。あの技術は来期に期待大ですねえ。 一方で杉岡が冴えず、ミスだらけでした(雨が苦手なのかしらん)。

今日のベルマーレクイーンは、ビニールガッパ姿。でも、勝利のダンスの頃には雨もいったんやみました。

Rscn2594_convert_20171022000842

いよいよ次節の岡山戦で決まります! ホームのBMWスタジアムで昇格や優勝が決まるのは初めてだそうです(まあ、降格もすべてアウェイだったそうですが)。はい、これは期待しないわけには、行かないわけにはいきませんよね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月20日 (金)

MATSUMOTO TRIBE:異色の快作&怪作

T0021692p
映画『MATSUMOTO TRIBE』って4月に新宿・武蔵野館で1週間限定のレイトショー公開された時にもちょっと気になっていたのですが、未見でした。で、その後、出演していた松本穂香(『ひよっこ』のメガネの澄子)のファンになった大江戸としては、出演作のこいつを観たいと思っていたところ、めでたく再公開(またも1週間限定のレイトショー/本日まで)となったので、観て来ました。

いやー、なんか凄かった。「観たことがない変なものを観た」って感じで、松本穂香がふっとんじゃうほどの作品自体のインパクトなのでした。いや、松本穂香も大いに健闘しているのですよ。なかなかの見せ場があって、力量を見せつけてくれます。でもこの映画の凄さは、そこを斜め上に超えて行きます。

T0021692

(以降少々ネタバレあり) ドキュメンタリーかな?って感じでスタートしても、すぐに「ああ、フェイク・ドキュメンタリーね」と気づくように出来ています。ただ、それでもやけにスリリングに面白いのは、主演の松本ファイターと、マネージャー役の小村昌士の最高のウザさとわけのわからない面倒くささゆえです。ほんと、観てて腹立ちました。まあ、そうなるとヤツらの思うツボなんですけど。もう、中盤以降はほとんど「不条理な悪夢」のようなノリで、観る者をイラっとさせてくれます。

T0021692a
もともと大江戸は、フェイク・ドキュメンタリーって結構好きなんですよね。『超能力研究部の3人』とかTV『山田孝之のカンヌ映画祭』とか・・・(あ、どっちも山下敦弘監督がらみでした)。

そして終盤に至って、フェイクの二重構造が明らかになってからは、どこまでがフェイクでどこからがリアルなのかがわからなくなってしまいます。そこらへんの虚実の混濁がスリリングなのです。いやあ、目が離せない異色の面白さでした。ゲスト出演の松永大司監督が、見事にいい味出してましたね。

劇場には松本ファイター氏が来ていて、観客をお迎え/お見送りしておりました(4月の公開前にもチラシ配ってたっけ)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月19日 (木)

青梅の申し込み、忘れてたぁー!

いや、世の中にはマヌケな話があるもんです。

今日、東京メトロの車内で、たまたま乗り合わせた知人と話しておりました。

A「走ってるんですか?」

大江戸「まあ、ちょこっとだけ。僕の場合、細く長くですから。」

A「レースとかも出てるんですか?」

大江戸「いや、レースはもう年に1回ですよ。だいたい青梅の30キロだけ。まあ東京に当たった時は、そっちに出ますけど、そうそう当たるもんじゃないから。今年も12倍以上だったし。(はずれました)」

などと言いながら、気づいてしまったのです。 ・・・あ、青梅のエントリー、すっかり忘れてた!

その後で慌てて調べてみたら、エントリー期間は9月22~28日で、2次募集の方も既に10日ほど前に終了しておりました。いやー、東京マラソンは中吊り広告とか出てるんで、「ああ、応募しとかなきゃ」って思うんですけど、青梅はねえ・・・。毎年の事なのですが、日々を「いつもの年よりも忙しいなあ」などと思いつつ過ごしているうちに、コロッと漏れておりました。

よく見たら、3万円出して走るチャリティーランってのがありましたけど、青梅走るのにそこまでする気はありませーん!

まあ、しょうがないです。そういう運命だったのでありましょう。 基本、心身の健康と体型維持のために走る感じなので、レースに出なくても別に痛くもかゆくもないのです。まあ「継続は力なり」で、これからも走ることは細々と続けてまいりましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月18日 (水)

「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」:映画としてヘタ

360927_004
映画『ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ』は、あのル・コルビュジエを扱った劇映画ですが、ひどくナマクラです。こんなんなら、実在するコルビュジエとアイリーンのデザインを追ったドキュメンタリーの方が良かったのでは?と思ってしまう大江戸です。

映画に魂が入っていない感じがしますし、もっと身も蓋もない表現で言っちゃうと、映画として「ヘタです」。

360927_002
ある程度この二人に関しての予備知識があれば、どういう話かは問題なくわかるのでしょうが、コルビュジエはともかくアイリーンのことなど全く知らなかった大江戸にしてみれば、これだけ話術がヘタな作りでは、何のことやらさっぱりわかりません。おまけに、終始同じ人物たちが同じような場所で、あーだこーだメリハリのない会話をしているだけみたいな映画なので、こちらに訴えかけて来るものがないのです。

360927_006

それにしても、このコルビュジエったら、卑小で嫌ったらしくて、とんでもない男ですね。フランスの国民的建築家(生まれはスイス)である彼をこのように描いた映画、よく作ることが出来ましたね。それもびっくりですが、もっとびっくりしたのは、コルビュジエを演じたのがヴァンサン・ペレーズだってこと。えー?!ペレーズっていったら、イケメンさんでしたよね。調べたら、2015年に『People』誌で「世界で最も美しい男50人」の一人に選ばれたっていうじゃありませんか! この映画と同じ年にですよ! オドロキです。

360927_001
アイリーンのデザインした椅子「ビバンダム」、いいですね。確かにミシュランのタイヤ男=ビバンダムに似たルックスです。座り心地も良さそうです。 で、アイリーンって実際にはコルビュジエより10歳も年上だったんですね。びっくり。 本作を観る限りでは、「アイリーンの方が優れたデザイナー」のような気がしてなりません。この映画ってもしかして「ガラスの天井」を描くことが主眼だったんですかねえ?(描けてないけど)

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2017年10月17日 (火)

今日の点取占い273

_20171017_215518_convert_2017101721
文化勲章をもらえるようなえらい人になる   10点

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月16日 (月)

「わたしたち」:子供はつらいよ

358697_004
映画『わたしたち』は、韓国の女性監督(’82年生まれ)による子供映画の佳作。子供映画ってのも大ざっぱなくくりですが、小学生女子たちとその家族の物語。いやー、「子供もつらいよ」っていうか、むしろ「子供はつらいよ」です。子供であるがゆえに親や先生には従わざるを得ないし、子供であるがゆえに解決能力を持っていません。誰もが悶々と悩むだけなのです。

358697_003

そうなると大人よりも子供の方が、悩む生き物なのかも知れませんね。だけど4歳の弟くんは悩みません。まだ悩む段階に至っておりません。シンプルに本能で動きます。いいですよね、この子のボンクラな感じ。そして、だからこそ最後に奇蹟の名言を放つのです。358697_002

それにしても、本作におけるいじめの構造、いじめの実態はかなりリアルです。しかも、物言わぬ心の内の逡巡や裏切りや言い訳を、その心理描写を、この映画は見事に成し遂げています。

ドッジボールだとか、海苔巻き(太巻き)のお弁当だとか、塾だとか、やっぱり韓国の暮らしって、日本に似てますよねえ。

358697_007

(以降ネタバレあり) 最後の方で幼い弟くんが言う言葉の素晴らしさ。「仕返しをしてたら、いつ遊べばいいの? ぼくは遊びたい。」は、姉をハッとさせるだけではなく、観客をもハッとさせ考えさせる意外な衝撃力を持っていました。なーんだ、子供ばかりじゃなくて国と国だって同じじゃないか、報復をし合ってもいいことなんてないよ、と。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月15日 (日)

「ナラタージュ」:静けさと情感の恋愛映画

360429_004
映画『ナラタージュ』の原作by島本理生は、だいぶ昔に読みました。かなり好きでした。でもほとんど内容を忘れていました。でも今回の行定勲による映画化は、原作とは違う手触りなんですけど、うまく行定ワールドの中で良い映画にまとめてあると感じました。

静かな映画です。映画音楽もかなり少ないのですが、それ以上に雨の音だとか沈黙の支配する場面だとか、静寂さが強調されています。有村架純と松本潤の「温度の低い」演技も、その静けさを増幅させています。キラキラ映画とはえらい違いです。

360429_003_2

その上、やたらと雨が降っています。富山が舞台ということもあって、カラッと晴れることがありません(まあ、富山にだって晴れの日はあるでしょうけど)。海辺だって、やけにいろんな物が落ちてるし、常に曇ってます。 この晴れない感じ、いつも雨の感じが、主人公(有村)の心象風景であることは言うまでもないでしょう。いいですね。大人の映画として成り立っています。そりゃあ、映画内にも出て来る『浮雲』あたりとは較べようもありませんが、今の恋愛映画として悪くないと思いますよ。

360429_002
日本映画って、意外にちゃんとした恋愛映画が少ないんです。そういう意味でも貴重です。登場人物たちの言葉の裏側のいろんな思い、頭の中をぐるぐる回っているあれこれを表現できているのが立派だと思います。 でもそういった心内語をキャッチすると、この先生(松潤)ってかなりズルイ人ですし、主人公(有村)ってけっこうしたたかな人でもあります(有村さんはそこらへんを結構繊細に演じておりました)。 そして坂口健太郎に至っては、ほとんどサイコパスなDV野郎であります。主人公、別れて良かったですよ、はい。

360429_001

松潤の先生だって、一歩間違えたら(逮捕はされないにせよ)失職しかねないことしてますよねー。この人こそ、淋しそうな顔をした天性の「魔性の男」なんじゃないでしょうか。

(以降ネタバレあり) で、この恋愛のキモは「最後の一夜」があること。あれのおかげで、主人公は思い出と共に生きていけるのです。前へ進めるのです。そういった描き方をさりげなく、でもきっちりと行って、情感を醸し出せる行定勲は、やはりいい監督だと再認識しました(まあ、ムラのある人ではありますけどね)。

 

| | コメント (0) | トラックバック (2)

渋沢栄一ゾーンと動物さんゾーン

_20171002_194827
都電(Tokyo Sakura Tramって言うんですね)の走る街、王子。その飛鳥山にある渋沢資料館を、過日訪れました。

_20171001_120249
明治時代に、現代日本の産業の大元をほぼ一人で作り上げた男=渋沢栄一の生涯と業績を紹介する記念館です。大江戸も初めて訪れました。

1982年開館とのことですが、最近お色直しをしたのでしょう。新築のようにきれいでした。 常設展に加えて、企画展の『渋沢栄一、パリ万国博覧会へ行く』(~12/10)ってのをやっていました。

写真や銅像で見る渋沢栄一って、ちょっと「ひふみん」に似てるなあ、なんて思ったりして・・・。

Dsc_1854

そこを出てから、道を挟んだ所にある「青淵(せいえん)文庫」(重要文化財)に向います。石造りの西洋建築ですが、これ栄一の傘寿のお祝いに贈られた書庫なのだそうです。ただ、現在2階は見ることができなかったので、少しのスペースしか味わえませんでした。まあ、閲覧室などは旧朝香宮邸(庭園美術館)を思わせるものがありましたけどね。

Dsc_1858_2

建物の裏手に回ると、むしろこっちの方が魅力的かもと言えるような感じ。中央の張り出し部分が、良いアクセントになっているのですね。

Dsc_1856

更にその隣にあるのが、「晩香盧(ばんこうろ)」(重要文化財)。こちらは栄一の喜寿を祝って贈られた賓客おもてなし用の洋風茶室なのだそうです。説明書きに「バンガローから取った名前」とあって、びっくりぽんでした。ここも見る所はちょこっとでした。

Dsc_1859

高尚な気分で渋沢ゾーンを去ると、隣は飛鳥山公園の児童エリア。SL(D51)なんかも鎮座してたりします。

_20171001_104250

でも大江戸の目を引いたのは、こっちの変な動物たち。広場の一角に、ある程度集中的に設置されておりましたが・・・、おそらくはコンクリートにペンキ塗装です。

このタコさん、なんかとぼけてていいですよねー。黄色いハチマキがお似合いです。

_20171002_194846

こちらのカメさんも、かなりかわいくて結構です。

_20171002_194939

シロクマさんは、割とリアルなタイプ。でもシンプルそのものです。

_20171002_195001

そしてブタさん。なんか日テレのマークをちょこっとだけ想起。でもなんで青いの?? 青ブタ。アオブタ・ブルーベリージャム?って、それは「アヲハタ」。

いやー、ほかにもありましたが、みんないい感じで乗りたくなっちゃいますです(乗らなかったけど)。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月13日 (金)

「エルネスト」:時代と場所に翻弄された純粋な魂

357887_005
映画『エルネスト』は、なかなか興味深い作品でした。チェ・ゲバラの訪日とか、ゲバラに目をかけられた日系人=フレディ前村の生き方と死に方とか、キューバ側市民から見たキューバ危機とか、題材の切り取り方がいいですね。もちろん、それを料理するお手並みも。大江戸は、阪本順治監督とはどうにも性が合わないようで、『キネ旬』ベストワン上位になるような作品でも全然評価していなかったりするのですが、この作品は悪くないですね。

357887_002

ちなみに小生の好きな阪本作品をフィルモグラフィーで調べてみたら、2017『エルネスト』、2007『魂萌え!』、1997『傷だらけの天使』と、ちょうど10年周期なのでした(その10年前の1987年はまだデビュー前でしたぁー)。

ゲバラものとしても、『モーターサイクル・ダイアリーズ』とかソダーバーグの『チェ』二部作よりも面白いと思いました(と言っても、本作ではゲバラは脇役なのですが)。

二十代前半の役を演357887_009じるオダギリジョーが、やけにみずみずしいのです。澄んだ瞳と純な心を見事に表現しておりました。魅力的な人物造形です。 また、医大の学生たちの群像描写も、とても生き生きとしています。ここらへんは、海外での撮影経験も豊富な阪本監督だからこその部分ですね。変に気張らないで、安定感があるのです。日本で撮ってる時より、よっぽど上等です。

357887_003

今こうして見ると、なんとも「もったいない」人生だと思えます。なんで?と・・・。でもフレディにとっては、これこそが自分の魂に従った「リアル」な生だったのでしょう。時代と場所で、人の一生は決まっていくのですね。

ゲバラが広島の平和記念公園を訪れた時に「二度と過ちは繰り返しませぬ」の碑文を見て、「主語が無い」という部分は、論議を呼ぶことを覚悟で阪本監督が攻めちゃってる部分ですね。まあ、大江戸は基本的に「思想に合う合わないで映画の価値を判断するのはやめようよ」派なので、そこにばかり拘泥しないでほしいとは思っておりますが・・・。

| | コメント (2) | トラックバック (4)

2017年10月12日 (木)

「ダンケルク」(2回目):IMAXの前の方で観るべき映画

T0021330p
映画『ダンケルク』を公開初日(9/9)に観て、その凄さに大いなる感銘を受けた大江戸です。(1回目の記事はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/09/post-d4f0.html

でも、これはIMAXの大スクリーンで、しかも前の方の席で観なければと思い続け、ようやく数日前にTOHOシネマズ新宿に行ってまいりました。

いやー、大正解でした。思った通り、床から立ち上がるIMAXのでかいスクリーンが(ほぼ)視界全体に広がり、そこに迫力のドルビー・サウンドが重低音を響かせながらガンガン迫って来る迫力たるや! 前から5列目の真ん中近くに席を取ったので、本当に映像と音響に包み込まれる体験でした。これまで大江戸が観た中で、最もIMAXの効果を発揮した作品です。

それはこの映画が、映像と音響でリアルな戦場を体感させるように作られているから。いやー、弾丸の音が、爆弾の炸裂音が、飛行機の爆音が、腹に来る重低音効果もあって、本当にコワイです。しかもハンス・ジマーの無機的で不安をかき立てる音楽が、もの凄い効果を上げています。ほとんど映画音楽の革命です。 というわけで、この映画は「映画って映像×サウンド」だってとを、最強レベルに証明してくれています。

こんなIMAX環境でこの映画を観たら、感受性が強く映画慣れしていない子供やローティーンだったら、PTSDになってしまうのではないかと心配になるほどでした。正直、小生だって(二度目の鑑賞なのに)不安になったり、緊張したり、怖くなったりしましたもん。

一方では眼前に広々と広がる大空が絶景でありました。 空に限らず、ことごとく見事な「絵」が撮れています。ああ、やっぱり映画ってのは家のテレビで見るものではありませんね(いわんやスマホやタブレットをや)。

2回目で、更に評価が高まりました。本年度の大江戸ベストワンに王手!といったところです。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

2017年10月11日 (水)

「ミックス。」:ガッキーの魅力/ウェルメイドなコメディ

360430_009
映画『ミックス。』を試写会で観ました。本作は、『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ、『探偵はBARにいる』シリーズや、TV『リーガルハイ』『デート』などの古沢(こさわ)良太脚本によるコメディ。これもまた『がんばれ!ベアーズ』的というか、ポンコツチームの奮闘記です。しかも監督も『リーガルハイ』の石川淳一ってことで、ガッキーとの相性も抜群です。まあ、この映画、新垣結衣を魅力的に撮れれば、それで成功ってことですからね。

360430_003

コメディエンヌ新垣結衣は、期待通り絶好調。いいですね。ゴールディー・ホーンみたいです。今回はジャージーみたいなゆるゆる姿が多いですが、りりしいランニングウェアだとか、パーティー場面でのちょっとオシャレな感じとか、しまいにはまた(『逃げ恥』に続いて)セーラー服姿まで披露しておりました。運動神経悪そうなガッキーさんにしては、卓球シーンの動きもかなり頑張っておりまいた。

360430_006
今回は瑛太もやけに爽やかでした(髪やヒゲがむさ苦しい割には)。で、この作品、何気にかなりのオールスター・キャストです。主役級の役者さんたちを、脇でバンバン使っています。中でもインパクト大だったのは蒼井優。中華料理店の中国人に扮して、かなり暴れてます。でも好演だと思います。 そして広末涼子なんか、最初のうちはめっちゃくたびれたオバサンメイクなので、驚いちゃいました(終盤には若々しくなるのですが)。

360430_004

笑わせ所を熟知した脚本と演出。スポ根ものとしてのルーティーンに当てはめていきながら、肝腎なところであえて外していく意地と現代性。感動がベタにならないような配慮と創意。いやー、ウェルメイドな娯楽作であります。これぐらいのがアベレージになってくれたら、日本映画ってすごく豊かになるのになあと感じました。 終映後には拍手が起きました。

古沢・石川コンビは、前作『エイプルル・フールズ』での意余って力足らずな失敗を、しっかりと取り返したと思います。

Dsc_1933

試写会場の入口でくれた(紙製)うちわとピンポン球。おお、これがあればどこでもスマッシュできちゃうってわけですね。 で、気がつきました。『ミックス。』の最後の「。」って、ピンポン球を意味してたんですね。なるほど。

続きを読む "「ミックス。」:ガッキーの魅力/ウェルメイドなコメディ"

| | コメント (2) | トラックバック (8)

ハイチと言えばゾンビでしたね、ってな試合

Dsc_1926
日産スタジアムで、キリンチャレンジカップの日本vs.ハイチ戦を見ました。前売りが売れ残っていたようで、ハリルホジッチ監督や選手たちが色々とPRしていたようですが、結局はフル・キャパシティの2/3ほどの47,420人。メインスタンドはもちろん、ゴール裏もアウェイ側や2階は空席が目立つ状況でした。

Dsc_1927
小生がここでサッカーを見る時は、ベルマーレがマリノスと戦う時ばかりなので、必然的にゴール裏のサポ席となります。なので、バックスタンドの良い席で見るなんて初めてです。

ですけど、ここピッチが遠ーいなあー。陸上競技場のトラックを緑のシートで覆っているもんだから、埼スタあたりに較べると選手たちがはるか彼方です。おまけにスタンドの傾斜は緩いし、(キャパが大きいとはいえ)よくこんな所でワールドカップの決勝をやったもんだと感心しちゃいました(むしろ「寒心」)。

Dsc_1930

試合は前半、日本画ぐいぐい攻めて2点を先取。いったい何点取れるんだろう?と、楽勝の雰囲気でした。

ところが好事魔多し。その後、ゆるゆるだったハイチDFが徐々にコンパクトになり、動きも良くなって来ると、選手交代の影響もあってか、日本の攻撃が機能しなくなります。あれ?おや?まあ?と、気がつけば2-3と逆転されておりました。

Dsc_1931

え?ちょ、何それ??と思ってるうちにアディショナルタイム。まあ、そこで酒井高徳のシュートを香川がコース変えて、なんとか3-3ドローで最悪の結果を免れました。

お粗末な試合というか、昌子も槙野も東口も遠藤航も車屋も、アピールするには程遠い出来。おまけに、こりゃまずいと原口、香川、井手口、大迫を投入しても、期待ほどの効果は得られずで、まあハリルホジッチ監督が怒ったり嘆いたりするのもごもっともという試合でした。でも倉田秋だけは、随分と自信つけたなあっていう印象で、躍動しておりました。

それにしても、奇妙なDsc_1932試合でありました。序盤のハイチは時差ボケで寝てたんでしょうか? 後半との違いの大きさに唖然としてしまいました。 そうか!ハイチと言えばゾンビ伝説の元祖でした。だから、ゾンビのように死んでいたものが、後半甦ったわけですね。

代表戦名物のおみやげ。今日のは。ミニフラッグと、2018ダイアリー(手帳)でした。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 9日 (月)

「あゝ、荒野」(前篇):良い日本映画の熱量

360576_002
映画『あゝ、荒野』は寺山修司の原作を、半世紀たってから映画化。しかも前篇2時間37分、後篇2時間27分、合計5時間4分の堂々たるスケールです。

でも前篇を観た限りでは、その長さを感じさせない面白さ。むしろもっと見続けていたいほどでした。早く後篇を観たいと思わずにはいられません。

360576_003
舞台は’60年代ではなく2021年の新宿。開巻早々の爆弾テロ・シーンに驚かされます。でもそこで、この「2020東京オリンピック後の物語」にすんなりと入っていけますし、考えてみれば寺山原作は「1964東京オリンピック後の物語」であったんだなあと納得いたしました。

とはいえ、やけに’60年代感覚が漂います。街並みの空気にせよ、男と女の関係にせよ、ボクシングにせよ、近未来の匂いよりも’60年代の匂いの方が濃厚です。

360576_004
ドローンとか自殺防止フェスティバルの部分は確かに近未来的でしたが、あそこは微妙ですねえ。この作品においては、かなりの異物感でありました。現代に(近未来を舞台に)寺山的なものを創ろうとしたチャレンジの結果だとは思うのですけれど・・・。

この作品の良さは、ボクシングという太い幹を通して男二人をしっかりと描いていること。脚本も演出も見事な力量なので、どの場面も面白く、見飽きることがないのです。本物の「良い日本映画」の熱量が、全篇に満ち満ちています。

360576_007

菅田将暉とヤン・イクチュンの良さは言うまでもありませんが、ユースケ・サンタマリアがえらくいいのです。いつもはやり過ぎだったりヘタだったりする彼が、ここでは抑制を効かせながらもユーモアを滲ませて、味わい深い好演を見せてくれます。 彼が片目だってことと、でんでんのトレーナーがニッカーボッカー姿のおっちゃんだってことと合わせて、かなり『あしたのジョー』的でもあります。そこもまた’60年代的なところですねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

「アウトレイジ 最終章」:日の名残り

360444_003
映画『アウトレイジ 最終章』は、1、2同様に面白いのですが、一方でやや物足りなくもありました。抗争ヤクザ映画としての構えはしっかりしていますが、1や2のような「勢い」がなくなっちゃって、妙に落ち着いちゃってます。『ゴッドファーザー』の1と2に対する3のような感じでしょうか。そういった意味では、ちょうどよい引き際だったのでしょうね。

360444_004

だって、ビートたけしの滑舌が悪くて(TVでも感じることですが)、口が回らない年寄りのしゃべり方になっちゃってますから。バカヤロー!とタンカ切っても以前とは違って、どうにも違和感があるのです。 そういった意味では、病気を患ったという塩見三省さんや西田敏行さんの痩せようも、観てるこっちが心配になっちゃいます(まあ塩見さんは「BEYOND」でのド迫力とは違った意味での気味悪さが出ていて、目が離せませんでしたけど)。

360444_002
(以降ややネタバレあり) 暴力や殺し方の工夫(?)も本シリーズの見どころではありましたが、今回はほとんど銃ばかりで、淡泊でした。宴会場でマシンガンをぶっぱなしても淡泊なんですから(幻想シーンかと思っちゃいましたよ)。淡泊というよりは「虚無感」なんですかねえ。 唯一凝っていたのは、大杉漣さんの殺し方ですが、あれだって『北陸代理戦争』ですし・・・。

360444_001
そもそも大友(たけし)の大暴れに納得できるだけの理由がないのが、映画としては弱い所。その上あの結末では、・・・良く言えば「詩的」、悪く言えば「筋道立てた創作を放棄しちゃった」感じ(それは北野映画全般に言えることですけど)。

まあ、それでも「サラリーマン社会的」なヤクザ映画の面白さは、捨てがたいんですけどね。消えゆくヤクザと仁義に捧げる「日の名残り」とでも申しましょうか。

| | コメント (1) | トラックバック (11)

2017年10月 8日 (日)

調布にイオンシネマ誕生

_20171008_140131
9月末に調布にイオンシネマのシネコンが出来たっていうんで、行って来ました。

_20171008_140131_2

これまで都心部にはなく、23区内では唯一板橋にあるだけだったイオンシネマズですが、新宿から京王線で14分とか18分とかで着く場所にできたんです。

_20171008_140057_2

調布って、日活や大映の撮影所で有名な「映画の街」だけに、駅の表示板もなんとフィルムの形状を模しております。でも映画のデジタル化によって、今後こういうフィルム型って、「映画を表すアイコン」として通じなくなっていくんでしょうねえ。

駅前の大きな広場(空地?)には、地元FC東京のマスコット「東京ドロンパ」の大きなふわふわが。

_20171008_140233

まあ、シネコンだけができたわけじゃなくて、駅前を再開発して、トリエというショッピングセンター(1,2,3に分かれています)を作ったのですね。1が一番大きくて、ファッション、リビング、フード、レストランと、いろんなものが入っています。2はビックカメラ。そして3に飲食店などと共にイオンシネマの「シアタス調布」という11スクリーンのシネコンが入っているのです。

_20171008_135931

エスカレーターで2階に上がって、すぐにほの暗い空間が広がります。計算された光線やフローリングの床が、なかなかいい感じです。

ここもTOHOシネマズやSMT同様、6本見ると1本無料鑑賞のサービス(ただしポイントカードは200円で購入する)がありますし、毎週月曜は1,100円だとか55歳以上は毎日1,100円だとか、京王パスポートカードやイオンカードの割引があるとか、お得なサービスがいっぱい。

_20171008_143445
場内もご覧のように、薄暗くて間接照明で、ウッディです。いい感じです。

Dsc_1925
大江戸は(昼食をはさんで)2本ハシゴしたのですが、どちらのスクリーンも昨日公開になったばかりの話題作(『アウトレイジ 最終章』と『あゝ、荒野』)なのに、かなり空いていました。大江戸はインターネット予約して来ましたけど、どの作品も当日券でオッケーなんじゃないでしょうか? 日曜の午後なのに、新宿のシネコンの混みようとは大違いでありがたいところです。しかし、あんまり入らないとつぶれかねないので、まあ適当に入ってちょうだいね。

ぶったまげたのは開映前に男子アルバイトと思われる売り子さんがやって来て、ポップコーン、都こんぶ(100円)、ハーゲンダッツ・アイスクリームを売り始めたこと。結局誰も買わなかったのですが、「おせんにキャラメル」の伝統ですね。びっくりだ。

_20171008_180732
館を出てちょいと横に行けば、こんなレトロな「調布銀坐」なる商店街が! なぜか銀座じゃなくて「銀坐」なんですね。なぜだろう? 垂れ幕には「ここに駅舎があったから調布銀座が誕生しました ありがとう京王線」と書かれていました。そう書かれても、よくわからない。詳しく知りたい方は、調べてみてください。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 7日 (土)

湘南3-0完勝で、12試合無敗

_20171007_170143

肌寒くなり、ナイトゲームの季節が過ぎて、今日は午後4時キックオフの湘南vs.水戸戦をBMWスタジアムで観戦しました。この季節にしては厚着で行ったのですが、それでちょうどいい感じ。

Dsc_1902
ナイトゲームも照明の光線に芝生が美しく映える良さはありますが、まだ明るいうちの試合の、青空や白い雲の下という開放感って、やっぱり好きですねえ。

_20171007_185458

前半はベルマーレがボールを支配して、シュートも打ってるのに入らない、決められないで0-0という、まるで昨夜の日本vs.ニュージーランド戦のような展開。でも結局は自力で勝る湘南が、3-0で完勝しました。

_20171007_170033

1点目が野田隆之介、2点目が高橋諒という名古屋グランパスからの移籍組のゴールが試合を決めました(3点目は水戸のオウンゴール)。今季加入の野田は今季2点目で、ホームでは初ゴール。そしてこの夏加入の高橋に至っては、初出場&初ゴールです! いや、めでたい。

_20171007_185422

それはそうと、ホーリーホックのFW前田大然選手、噂には聞いておりましたが、すっげー速さです! 攻める時も守る時も、あきれるほどの距離を超速疾走して、ボールを奪うはDFを振り切るはで、あっけにとられました。まあ、ゴールを決められなくて良かったです。

_20171007_185346
4時スタートの試合なので、後半途中からは暗いのです。昼&夜、一粒で二度おいしい感じ。今日は隣の野球場でも試合をやっていて、こっちの照明とあっちの照明が同時についている珍しい光景もありました。

_20171007_185230本日のマン・オブ・ザ・マッチは野田隆之介でした。

これでベルマーレは12試合負けなし! 2位のアビスパとは勝ち点10の差で、優勝へまっしぐらであります。得失点差でも首位に立ちました(徳島と同数の+23)。

Dscn2585_convert_20171007234546

ベルマーレクイーンの皆さんも、毎試合のように「勝利のダンス」が踊れて、今年はいいですね。厳しい年もありますからね(昨年とか)。

Dscn2586_convert_20171007234704

神様(&王様)も孫娘たち(?)に囲まれて、嬉しそうにしておりました。

 

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 6日 (金)

日本が勝ちはしましたが・・・

サッカー日本代表の親善試合、vs.ニュージーランド戦(@豊田スタジアム)をTV観戦。まあW杯出場も決まって、これから23人に絞られる(選ばれるための)競争が始まるのですが、その割に先発メンバーには「今更テストの必要ないじゃん」というメンバーが何人も入ってました(川島、吉田、長友、酒井宏樹、大迫)。もちろんニュージーランドに負けていいわけではないので、クォリティの担保ってもんは必要でしょうけど、GKは中村航輔を見たかったし、左サイドには車屋を使ってもらいたかったですねえ。

さてさて、試合はパッとしませんでした。力の差は明らかなんですけど、シュートも打ててるんですけど、決まらない、決められないという、しばしばあるパターン。香川がねえ・・・いいとこ見せなきゃと思ってのことでしょうが、チームプレイが出来ておりません。久保裕也も代表では、結構長期的に精彩を欠いております。

良かったのは、やはりどこにでも顔を出してピンチをつぶす井手口(まあ、ミスも散見されましたが)と、余人を持って代え難い大迫。いつも通りですね。そして交代でとにかくキレキレに目立ちまくった乾と、「何、その落着きは?」って感じの小林祐希が素晴らしかったです。小林は先発で見てみたいですねえ。

それはそうと、1点取った後にNZに押し込まれて混乱していた時間帯に、同点にされてしまったのはよろしくないですねえ。どうにも落ち着きがなく、やられそうだぞと思ったら案の定でした。あの安定感の無さは、長いこと日本の課題であります。

結局2-1で勝って面目は保ったものの、どうにもスッキリしないゲームでした。「こんなんんで大丈夫か?」って感じで。 10日のタヒチ戦は、スッキリ勝ちたいものですね(更なる新戦力テストをしながら)。

6人目の交代となった遠藤航ってば、ピッチに入ってから15秒ぐらいで終了の笛って、・・・ハリルさん、その交代は何なんですか??

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 5日 (木)

「おクジラさま ふたつの正義の物語」:ニュートラルな問題提起

T0022118_2
映画『おクジラさま ふたつの正義の物語』は、あの『ザ・コーヴ』で世界的に有名になった(というか悪名をとどろかせる羽目になってしまった)和歌山県太地町のイルカ(クジラ)漁をめぐる地元vs.環境団体(シー・シェパードなど)の戦いをめぐるドキュメンタリー。『ハーブ&ドロシー』(1&2)の佐々木茅生監督が6年を費やしたという本作は、いやでも応でも大変興味深くこの問題を考えさせる作品になっております。

とにかくこの映画の視点はニュートラルに感じられます。両サイドのどちらにつくでもなく、それぞれの言い分や行動を均等に、あからさまな演出なしに捉えていきます。そのニュートラルさのベースになっているのが、日本在住20年のアメリカ人ジャーナリスト、ジェイさん。日本とアメリカ(世界)、捕鯨と反捕鯨の両サイドを理解し、両社の反目や誤解などの暗黒(darkness)を何とかしたいと思っている彼の姿勢や人柄が、この緊迫した場面の多い映画に爽やかさや暖かさを与えてくれています。

T0022118a

捕鯨を奪われると生きる術がないという太地町の人々の苦悩もわかりますし、多くの人の言葉には悔しさややり場のない怒りがにじみます。でも、ジェイさんが指摘したSNSやICTをバンバン使う/ほとんど使えない、ということが生む決定的な差は、この時代においては致命的です。そこはボランティアを募ってでも、真っ先に手を付けなきゃいけないところではないでしょうか。

「日本人の7割は捕鯨に賛成。でも鯨を食べるかというと、食べない。」、つまり実はどうでもいいと思ってる事柄なんだけど、理不尽なほどに強硬に非難してくる対欧米諸国への感情論になってしまっているってところが、確かにこの問題の本質なのでしょう。誰かが映画内で語っていた「(非難してくる外国の人たちが静かになれば)日本人はこの問題なんか忘れちゃうし、クジラなんか食べない」ってのが、実は本当のところなのだと思います。

それにしても、反捕鯨派のアメリカ人男性がまじめに語っていた「もうマグロも食べないようにするよ。チキンとかそういうものを食べるようにする。」ってのは、ほとんどギャグの領域ですね。マグロを殺すのはかわいそうで、鶏を殺すのはオッケーなのかという・・・。

世界の多くの国が食糧難の今、そしてこれから、(絶滅危惧種ではない)鯨肉が彼らの命を救うとすれば、それは望ましいことではないのでしょうかねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2017年10月 4日 (水)

中秋の月餅2<中村屋編>

Dsc_1861

9月21日に続いて再び月餅の話題です。って、どんだけ月餅に入れ込んでるんだ?このブログって感じですけど・・・。

いよいよ今日10月4日は、今年の十五夜=中秋の名月。ってわけで、月餅の日なのです。まあもともと月餅を「まん丸お月さん」に見立てたそうですけど、「丸いお菓子なんて、ほかにいくらでもあるよなあ」と思った大江戸をお許しください。

最初の写真は中村屋の「中秋の名月」仕様の餡月餅。二羽のうさぎさんが、ぺったんぺったんと餅つきをしている絵柄がエンボスで入っております。うん、中村屋の月餅って、カジュアルで味的にも間違いがないんですよね(少なくとも多くの日本人にとっては)。小豆餡も胡麻餡も木の実餡もそれぞれおいしいと思います。

Dsc_1839

ところで支援者の方に、「90周年記念月餅」by 中村屋(3個セット)をいただきました。中村屋月餅の発売から90年なんだそうです。ふーん。

Dsc_1841
箱の後ろ側には、ご覧のような中村屋月餅のうんちくが載ってました。そうかあ、中村屋のは「和菓子としての月餅」だったんですね。言われてみれば、なるほどです。

Dsc_1842
3個入りの中身は、小豆餡と木の実餡、そして真ん中の「90周年記念デザイン」のものはやはり小豆餡です。どれもおいしゅうございますよ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2017年10月 3日 (火)

「スイス・アーミー・マン」:なぜボツ企画にならなかった?

360839_004_2
映画『スイス・アーミー・マン』は、世紀の怪作と呼ぶにふさわしいへんちくりん過ぎる作品。よくこの作品の製作にGOを出したもんだと、あきれちゃいます。

普通は映画として形になる前の段階で、どこかでボツになります。あるいは、ストップがかかります。ちょっとちょっと、誰か止める人はいなかったんですかー? 無茶するなあ。

360839_001

観る前は、死体を使ったコメディーってことで、ヒッチコックの『ハリーの災難』みたいな映画なのかなーと思いましたが、随分と色合いが違いますねえ。あの映画のような「品」はありませんので、終始嫌な感じがありました。ま、青くて腐りかかった死体とオナラと毛だらけのお尻の映画ですから・・・。

360839_002

最終盤に至るまで、ほぼ二人芝居の映画。ダニエル・ラドクリフは、ポッターくんの呪縛から逃れるために色々と苦闘していますねえ。 一方のポール・ダノ、いつもの彼の個性は評価していますが、本作では妙にナマクラでした。この二人がもっと絶妙なコンビだったら良い作品になった可能性もあると思いますが、どうにもこうにも二人ともダウナー系でねえ。 日本で、池松壮亮と染谷将太コンビでやった方が、よっぽどハマりそうな感じですよね。あるいは池松と菅田将暉の『セトウツミ』コンビとか・・・。

というわけで、大江戸の判定は「ザ・失敗作」です。

タイトルを素敵な日本語にすれば、『十徳ナイフの男』ってところでしょうかね。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2017年10月 2日 (月)

「ナミヤ雑貨店の奇蹟」:ベタで古くて穴だらけで・・・

359729_004
映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、かなりドイヒーな出来。廣木隆一監督って、昔っから作品間のムラが大きいですよねー。今年も『彼女の人生は間違いじゃない』では演出の力ってもんを見せつけながら、本作ではぜんぜん冴えませんでした。 まあ「ザ・松竹映画」って感じで、その悪い所(ベタで垢抜けなくって説明過多)が出ちゃってましたねえ。

359729_002

まあ原作のせいなのでしょうけれど、やたらと穴だらけのファンタジーです。そもそも、山田涼介ら三人の若い奴らがあんな感じで手紙書くわけないだろ!と言ったら、もう身も蓋もございませんけど・・・。

そもそも出て来るエピソードがあれもこれも、古めかし過ぎて嫌になります。クサ過ぎます。過去を描いていると言っても、この作品自体は現代の創作物なのですから、中で描かれることには今の息吹が流れていないとね。

359729_007大江戸は個性的な顔の門脇麦が大変苦手なのですが(オブラートに包んだ言い方)、本作ではあご周りに肉がついて、更に変な感じでした。(歌手ではない)彼女が歌うシーンのアップもかなりきついと思いましたが、そこに「砂浜での舞踏」イメージカットを挿入って・・・、椅子からずり落ちそうになりました。廣木監督、どうしちゃったのかしらん。

山田涼介も『グラスホッパー』では、あんなに見事に不気味で得体の知れない狂気のヒットマンを演じていたのに、この作品では単に「顔がきれいなジャニーズの人」になっちゃってました。 あと村上虹郎も寛一郎もほとんど生かされずでしたし。

359729_003

久々に見かけて驚いたのは、太った素人のおじさんみたいになっちゃった萩原聖人。でも、それどころじゃなくあっけにとられたのは、押しも押されもせぬおじいちゃんになっちゃったPANTAさん。人間、枯れるんですねえ。

そんなこんなで、エンディングに流れる(せっかくの)山下達郎のテーマ曲が作品の佇まいにまったく合わず、場違い感満載なのでありました。

| | コメント (2) | トラックバック (9)

2017年10月 1日 (日)

「散歩する侵略者」:愛は勝つ

359500_002
映画『散歩する侵略者』は、舞台作品の映画化だということを知っていたためか、かなり演劇的な観念臭が鼻につきました。でもまあ、嫌いではありませんよ(大好きでもありませんけど)。そこそこ大きな構えの娯楽映画を撮ると失敗してしまうと小生が思っている黒沢清(『リアル 完全なる首長竜の日』とか『クリーピー 偽りの隣人』とか)にしては、健闘したのではないでしょうか。

359500_001

だって、この終盤って結構好きですよ。「愛」の映画になってますし。思えば、『岸辺の旅』も幽霊譚の形を借りた奇妙な愛の物語として、ネオ黒沢の到来を告げておりましたが、本作もその路線です。非現実の助けを借りて、最後は不思議なほどに「愛」をうたいあげております。ちょっと感動します。

359500_003

日常のすぐ先にある終末というこの空気は、某国からミサイルが飛んで来そうだという現在、妙にタイムリーに感じられます。それは突然やって来るし、避けられないのでジタバタしても無駄っていう諦念。困ったことにリアルです。その時に「サンプル」として生き残ることが、果たして幸せなのかどうか・・・。

359500_004

松田龍平も長澤まさみも長谷川博己も、割と「いつも通りの演技」です。まあ、黒沢さんって役者の芝居にはあんまり興味なく自由にやらせていそうな感じがしますからねえ。 (以降ややネタバレあり) それよりも、黒沢がやりたかったんだろうなあって感じたのは、終盤における低空飛行の爆撃機vs.長谷川博己の対決。『北北西に進路を取れ』をやりたかったんでしょうねえ。

| | コメント (0) | トラックバック (3)

« 2017年9月 | トップページ | 2017年11月 »