MATSUMOTO TRIBE:異色の快作&怪作
映画『MATSUMOTO TRIBE』って4月に新宿・武蔵野館で1週間限定のレイトショー公開された時にもちょっと気になっていたのですが、未見でした。で、その後、出演していた松本穂香(『ひよっこ』のメガネの澄子)のファンになった大江戸としては、出演作のこいつを観たいと思っていたところ、めでたく再公開(またも1週間限定のレイトショー/本日まで)となったので、観て来ました。
いやー、なんか凄かった。「観たことがない変なものを観た」って感じで、松本穂香がふっとんじゃうほどの作品自体のインパクトなのでした。いや、松本穂香も大いに健闘しているのですよ。なかなかの見せ場があって、力量を見せつけてくれます。でもこの映画の凄さは、そこを斜め上に超えて行きます。
(以降少々ネタバレあり) ドキュメンタリーかな?って感じでスタートしても、すぐに「ああ、フェイク・ドキュメンタリーね」と気づくように出来ています。ただ、それでもやけにスリリングに面白いのは、主演の松本ファイターと、マネージャー役の小村昌士の最高のウザさとわけのわからない面倒くささゆえです。ほんと、観てて腹立ちました。まあ、そうなるとヤツらの思うツボなんですけど。もう、中盤以降はほとんど「不条理な悪夢」のようなノリで、観る者をイラっとさせてくれます。
もともと大江戸は、フェイク・ドキュメンタリーって結構好きなんですよね。『超能力研究部の3人』とかTV『山田孝之のカンヌ映画祭』とか・・・(あ、どっちも山下敦弘監督がらみでした)。
そして終盤に至って、フェイクの二重構造が明らかになってからは、どこまでがフェイクでどこからがリアルなのかがわからなくなってしまいます。そこらへんの虚実の混濁がスリリングなのです。いやあ、目が離せない異色の面白さでした。ゲスト出演の松永大司監督が、見事にいい味出してましたね。
劇場には松本ファイター氏が来ていて、観客をお迎え/お見送りしておりました(4月の公開前にもチラシ配ってたっけ)。
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