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2017年10月 9日 (月)

「アウトレイジ 最終章」:日の名残り

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映画『アウトレイジ 最終章』は、1、2同様に面白いのですが、一方でやや物足りなくもありました。抗争ヤクザ映画としての構えはしっかりしていますが、1や2のような「勢い」がなくなっちゃって、妙に落ち着いちゃってます。『ゴッドファーザー』の1と2に対する3のような感じでしょうか。そういった意味では、ちょうどよい引き際だったのでしょうね。

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だって、ビートたけしの滑舌が悪くて(TVでも感じることですが)、口が回らない年寄りのしゃべり方になっちゃってますから。バカヤロー!とタンカ切っても以前とは違って、どうにも違和感があるのです。 そういった意味では、病気を患ったという塩見三省さんや西田敏行さんの痩せようも、観てるこっちが心配になっちゃいます(まあ塩見さんは「BEYOND」でのド迫力とは違った意味での気味悪さが出ていて、目が離せませんでしたけど)。

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(以降ややネタバレあり) 暴力や殺し方の工夫(?)も本シリーズの見どころではありましたが、今回はほとんど銃ばかりで、淡泊でした。宴会場でマシンガンをぶっぱなしても淡泊なんですから(幻想シーンかと思っちゃいましたよ)。淡泊というよりは「虚無感」なんですかねえ。 唯一凝っていたのは、大杉漣さんの殺し方ですが、あれだって『北陸代理戦争』ですし・・・。

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そもそも大友(たけし)の大暴れに納得できるだけの理由がないのが、映画としては弱い所。その上あの結末では、・・・良く言えば「詩的」、悪く言えば「筋道立てた創作を放棄しちゃった」感じ(それは北野映画全般に言えることですけど)。

まあ、それでも「サラリーマン社会的」なヤクザ映画の面白さは、捨てがたいんですけどね。消えゆくヤクザと仁義に捧げる「日の名残り」とでも申しましょうか。

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コメント

殺しのエグさは 淡々として 印章が薄かったですがそれなりに面白かったですよ。1と2と比べちゃうとね・・・

大杉連さんの 花菱会 二代目 なんとも 娘婿の立場だけで 形の違った「七光り」根性で 花菱会のトップの器ではなかったですね。

それこそ 前作ビヨンドで 加瀬亮さん演じたインテリヤクザの石原と一緒で いい時は威張ってくさっていい気になってはいても 肝心のここぞというときは自分の保身しか考えない・・・。

でも 言い換えれば 連さんの役者としてのも演技力が伝わってるということでもあります。それはほかの役者さんたち皆さんも そうであります。

>あの結末では、・・・良く言えば「詩的」、悪く言えば「筋道立てた創作を放棄しちゃった」感じ(それは北野映画全般に言えることですけど)。
 そうですが・・・最後に・・・「けじめ」ってやつですね。
そんな大友にふさわしい 偉人の格言 載せてもよろしいですかね・・・。


『生きるか死ぬかは時機に任せよう。世の人が何と言おうと、そんなことは問題ではないのだ。』
高杉晋作(長州藩 幕末の志士)

 皮肉ととるかピッタリととるかは人によってさまざまでしょうが・・・

投稿: zebra | 2017年10月12日 (木) 20時05分

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