「猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)」:風格と重みと暗さ

映画『猿の惑星 聖戦記(グレート・ウォー)』は、新シリーズというかリブートというかの第3作目。何とも風格に満ちた仕上がりで、堂々たるものです。何せ猿たちが立ったりしゃべったり乗馬したりしていることに、何の違和感もありません。それぐらいモーション。キャプチャーのCGが凄いレベルにあるということですし、その表情の中に多くの微妙な感情を込めたって点でも、大いに評価されるべき作品です。
一つ一つの絵が映画的で、レベル高いです。もちろんアクションもレベルが高くて、クライマックスの一連のアクションやVFXも圧巻です。もちろん演出力も脚本力もレベルが高いので、余計そう感じるわけですが・・・。 でもダイアローグによる説明場面が全篇通して多く、そこがダレ場になっていたのは残念でした。あとは、あまりにも重く悲劇的なトーンの140分ってのが、正直しんどいです。
数々の先行作へのオマージュも見られました。『地獄の黙示録』やら、『大脱走』やら、いろんな西部劇やら・・・。スキンヘッドのウディ・ハレルソン(好演)なんて、まさに『地獄の黙示録』のカーツ大佐でしたねえ。シーザーがマーティン・シーンになって・・・。
また「バッド・エイプ」のコメディ・リリーフとしての軽み、おかしさが、暗いトーンのこの映画を多分に救っておりました。顔つきも、殿山泰司さんにそっくりで(!)。
猿対人の構図が、典型的な民族戦争だったり、「壁」を作ったり、星条旗が燃え落ちたりと、なかなかに時代を反映しております。 そしていよいよ「コーネリアス」も出て来ました。ってことは、もう1作ぐらいあるんでしょうねえ。
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シリーズ堂々完結。
そして誰もが知るあの世界へ回帰する...
『猿の惑星:聖戦記(グレートウォー)』
~あらすじ~
猿と人類の全面戦争が始まってから2年が経ち、シーザー(アンディ・サーキス)が率いる猿の群れは、森の奥深くのとりでに姿を隠していた。ある日、奇襲によってシーザーの妻と息子の命が奪われる。シーザーは人類の軍隊のリーダーである大佐(ウディ・ハレルソン)に復讐す...... [続きを読む]
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» 『猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)』には脱帽だ [映画のブログ]
【ネタバレ注意】
『猿の惑星』シリーズのリブート第一作『猿の惑星:創世記』(2011年)に、私はいささかの不満があった。旧シリーズに濃厚だった人種差別や人権問題を重視する姿勢が、リブート版からはあまり感じられなかったのだ(詳しくは「『猿の惑星:創世記(ジェネシス)』に欠けているもの」を参照されたい)。
代わって『創世記』が強調したのは、自然破壊の問題であり、科学技術に依存す...... [続きを読む]
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猿と人類の全面戦争が勃発してから2年後。 シーザーは猿の群れを率い、森の奥深くに秘密の砦を築き身を潜めていた。 しかし軍隊の奇襲によって妻と年長の息子の命を奪われてしまう。 軍隊を指揮する大佐への憎悪に駆られたシーザーは復讐を決意し、新たな隠れ場所へ向かう仲間たちから離れることに…。 SFスリラー。... [続きを読む]
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» 猿の惑星:聖戦記(グレート・ウォー)・・・・・評価額1750円 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
そして、時の輪が閉じる。
2011年の「猿の惑星:創世記(ジェネシス)」から始まる、リブート版新三部作完結編。
本作のキャッチコピーは、「そして、猿の惑星になる」という大胆なもの。
要するに、物語の結末は昨今流行のパラレルワールドにはならず、人類は滅び、猿たちが地球の支配者となる旧シリーズ第一作へと繋がると、明確に言い切っちゃってるのだ。
ならば、前作「猿の惑星:新世紀(ライジン...... [続きを読む]
受信: 2017年11月 1日 (水) 21時55分
» [映画『猿の惑星:聖戦記』を観た] [『甘噛み^^ 天才バカ板!』 byミッドナイト・蘭]
☆・・・派手なアクション要素もある、非常によく出来た、人間vs猿の種族生き残り闘争の物語。
これは、古今東西の歴史で見られる民族紛争と同じテーマでもあるからして共感も得られるのだろう。
虐げられし民族が、権利を手に入れようとする物語である...... [続きを読む]
受信: 2017年11月 8日 (水) 00時29分
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