展覧会「装飾は流転する 今と向きあう7つの方法」:山縣良和の圧勝
明日11月18日からスタートする展覧会『装飾は流転する 今と向きあう7つの方法』(~2/25)の内覧会を観に、東京都庭園美術館に行きました。
エレベーター改修のため半年ほどクローズしていたという庭園美術館の再開プログラムです。
館内がかなりきれいになっていました。この「香水塔」の背後の壁もあんなに鮮やかな色ではなかったんじゃないかなあ。
年齢も国籍もさまざまな7組のアーティストによる、「装飾」を切り口とした合同展。近年、コンテンポラリーアートからちょっと遠ざかっているお江戸なので、この中で知っているのはファッション畑の山縣良和さんだけです。
でもそれで正解と言いましょうか・・・この展覧会、圧倒的に山縣フィーチャーなのです。圧倒的に目立っていました。
獣性と神性を感じさせるもこもこふさふさした人型の作品とか、レースを使った地球儀とか、ニコラス・ローグ『赤い影』を思わせる子供用の真っ赤な衣装とか、人間サイズぐらいのもこもこ地球とか・・・
いやー、山縣作品って、ファッションショーのランウェイよりも美術館が似合いますねー。これは前から思っていたのですが、やっぱりそうでした。
そもそもほとんど服じゃないものが多いし。
主に布や身体装飾を題材にしたコンテンポラリー・アートととらえるべきだと思っています。
しかも、ショーやランウェに置いたり写真になった場合には、妙に素人臭い陳腐さがにじみ出てしまうのですが、美術館のスタティックな展示になると、アラが見えなくなり、意図や素晴らしさがハッキリと出るのです。
山縣はもっと「現代美術の人」ってことになっちゃった方がいいのになあと思います。まあ、でもファッションのフィールド内でこんなことやってるからこそ異端感が際立つってところはありますけどね。
この山縣ワールドの攻め方、派手さに較べますと、他の6人は地味ですよねえ。「これ装飾って言えるんですかい?」ってな作品も含めて、インパクト薄いっす。ヴィム・デルヴォワのゴシック装飾の現代風アレンジメントはそれなりに素晴らしかったですけれど・・・。
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