「バリー・シール アメリカをはめた男」:若くて軽くて凄いこいつ
映画『バリー・シール アメリカをはめた男』は、事実に基づく映画化ってことにぶっ飛んでしまいます。事実は小説より奇なりですね。 それぐらい破天荒なお話を、1970~80年代の時代色たっぷりに、トム・クルーズ主演で描く娯楽作。監督がダグ・リーマンなだけに、チャキチャキと小気味いい展開で進みます。
トムくん(と言っても今55歳ですけど)が軽薄なスマイルを振りまきながら、色々とやらかしてくれます。この腰の軽さ、重みの無さがスゴイですね。容姿の若さもすごいけど、それ以上に性格や行動が(と言っても映画のキャラクターですけど)メッチャ若い、奇跡の人です。
ただ、『ウルフ・オブ・ウォールストリート』を観ても、『インヒアレント・ヴァイス』を観ても感じることですが、時代の狂騒を描いた作品って、観てて疲れるというか、しんどいです。更に言えば、その割にはあまり面白くありません。本作もそれらの列に連なるものでした。主人公に共感できないってのも、皆同じですしね。
でも一番悪いのはアメリカって国。そこらへんの告発を(ブラックユーモアにくるみながらも)発信していくあたりが、骨のあるダグ・リーマンなのであります。
それにしても、あの札束の呆れるほどの量には唖然、茫然でありました。そんなに多過ぎて隠し場所に苦労するぐらいなら、もらってあげたのに・・・。
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