« 「ブレードランナー2049」:絵と音と雰囲気の見事さ | トップページ | 南青山の岡本太郎記念館 »

2017年11月 6日 (月)

「女神の見えざる手」:過剰な主人公、緻密な娯楽作

361391_003
映画『女神の見えざる手』は、めっぽう面白かったです! ロビイストを主人公にした、アメリカの銃規制問題をめぐる密度の高いポリティカル・フィクションなのですが、脚本も演出も見事としか言いようがありません。この脚本家(ジョナサン・ペレラ)はなんと初の脚本、初の映画なのだとか! それでこの緻密さには、驚愕しかありません。 監督はジョン・マッデンで、こちらも彼の最高作では?と思わせるものでした。

361391_006

(以降少々ネタバレあり) 緊迫感溢れる展開で、善悪入り乱れながら二転三転して、どんでん返しもあって、いやー、知的な娯楽映画としては最良の出来栄えです。帰り道にそばを歩いていた女性の二人連れ客が興奮気味に「面白かった!」と、この映画の話をしていました。しかも二組も。なかなか無いことです。

なのに、東京では2館のみという公開規模。あんなにつまらない○○○が、東京だけで何十スクリーンもの拡大公開なのに・・・(○○○には各自で選んだ作品名を入れましょう)。悪貨が良貨を駆逐するとでも申しましょうか、まったく憂慮すべき事態であります。

361391_001
この共感度ゼロでアクの強さ100%のモーレツ・バリキャリ主人公を演じるのが、ジェシカ・チャスティン。どうしてアメリカって、こういう「トゥー・マッチな人」を生んじゃう土壌があるのでしょうかねえ。「程よく」とか「中庸」とか「折り合い」とかっていう概念がないんですよね。農耕民族と狩猟民族の違いでしょうか? でも、ジェシカはお見事。名演に近い領域です。 

そして「かっこいいハゲ」界の最右翼=マーク・ストロングが、本作でもまた知的で抑制が効いた大人でイケてました。この人、スタンリー・トゥッチとどっちだっけ?といつも思っちゃうんですよねえ。

361391_004

銃規制の良し悪しに関しては、たぶん意図的にニュートラルなスタンスを取っています。そのために、ポリティカルな意義は薄れ、エンタテインメントとしての上出来さが浮かび上がります。そこを物足りなく感じる向きもあるかも知れませんが、大江戸はそういうスタンスの支持派です。そして面白い映画の支持派として、本作をお勧めします。

|

« 「ブレードランナー2049」:絵と音と雰囲気の見事さ | トップページ | 南青山の岡本太郎記念館 »

コメント

2度目も、面白かったです!

投稿: onscreen | 2018年5月13日 (日) 17時56分

でしょうねえ!

投稿: 大江戸時夫 | 2018年5月13日 (日) 20時52分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/72153828

この記事へのトラックバック一覧です: 「女神の見えざる手」:過剰な主人公、緻密な娯楽作:

» 映画:女神の見えざる手 Miss Sloane ビジネスの究極のせめぎ合いの闘い、を 強力なメンツで料理した、今年有数に楽しめる一本。 [日々 是 変化ナリ ~ DAYS OF STRUGGLE ~]
全米公開で、評価が割れていた今作。 なので、実はあまり興味が湧かなかった。 が、予告編で以下の 2つを知って、俄然行かねば!に。 それらは、 1. メインテーマが「銃規制」 であり、かつ、 2.主人公は所属していた会社に反旗を翻し、闘いに挑む物語 ということ。 1. でいうと、ラスベガスで50人以上の犠牲者の銃乱射事件の直後で、このテーマはタイムリー! ついでに 2 .は実は、自分の境遇に似ている設定、なのだ! (誤解がない... [続きを読む]

受信: 2017年11月 6日 (月) 23時57分

» 女神の見えざる手 [風情☭の不安多事な冒険 Part.5]
 フランス&アメリカ  ドラマ&サスペンス  監督:ジョン・マッデン  出演:ジ [続きを読む]

受信: 2017年11月 7日 (火) 09時39分

« 「ブレードランナー2049」:絵と音と雰囲気の見事さ | トップページ | 南青山の岡本太郎記念館 »