「ゲット・アウト」:シャマラン風ではありますが
映画『ゲット・アウト』は、予告編を見た限りではシャマラン風の「深い謎の秘密」をめぐる作品。で、実際その通りでした。有名とは言えない座組み(スタッフ&キャスト)でやってる、低予算のアイディア勝負の作品です。さすがにB級の匂いも漂っているのですが、粗雑だったり陳腐だったりはしていません。こういう作品もちゃんと公開されてるのって、良いことですね。
ちょっと映画擦れした人なら「次はこうなるんだろうなあ」と思うであろう通りに展開します。そういった意味では、オーセンティックで非常に素直な映画です。そこがシャマランとは大いに違う点ですね。でも、得体の知れない不安な空気の醸成においては、シャマランと共通するものがあります。
(以降少々ネタバレあり) 小出しにする謎は、まさにシャマラン流。あのアフリカ系女性や、あのアフリカ系男性や、あの深夜の疾走などの奇妙さはがまさにそうです。でも作品ところどころのトーンとしては、『ローズマリーの赤ちゃん』的だったり、『オーメン』的だったり、監禁ものホラー的だったりもします。写真を使った謎明かしなども、過去の映画の記憶を引き継ぐもので、この監督の映画ファンぶりがうかがい知れます。
だから、ちょっと社会派風にも見えるんですけど、最終的にはいわゆる「社会派」なんかではさらさらなくって、あくまでも娯楽作です。良くも悪くも。割とすぐ忘れてしまいそうでもありますし。
最後に一言;笑いながら泣く女って・・・、竹中直人かよっ!
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