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2017年12月30日 (土)

「花筐 HANAGATAMI」:なぜおっさんが学生を?

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映画『花筐 HANAGATAMI』は、大林宣彦監督が遺作の覚悟を持って取り組んだ2時間49分の力作。40年前の商業作品デビュー作『HOUSE ハウス』よりも前からの企画だというあたりも、感慨深いものがあります。評判も極めて良いようです。しかしながら、正直失敗作でした(などと書く筆も、大林監督の病状を考えると鈍るのですが)。

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近作の『この空の花 長岡花火物語』『野のなななのか』と共に「古里三部作」であり「戦争三部作」なのだそうですが、大江戸は三作とも好きではありません。やけに長いし、描こうとするシリアスなテーマと大林流シネマの狂騒的ギミックの方法論が、どう考えても分裂しているように思えるのです。主張に関しても、あまりにもストレート過ぎて・・・。

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特に本作で違和感があるのは、いいおっさんたちが学生役をやってるところ。女子たちは役柄に合わせてそれなりに若いのに、窪塚俊介(36歳)、満島真之介(28歳)、長塚圭史(42歳)ですもんねえ。コントみたい。なぜ?? そして(群像劇ながら)一番の主役であるところの窪塚が、幼稚園児のようにいつもニコニコ、ハキハキで、どうにもこうにも気持ち悪いのです。何、この演技(または演技指導)?

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世界中と日本がキナ臭さを漂わせている現代に大林監督が命がけでこの映画を世に問うた姿勢は素晴らしいと思いますし、初期の大林にもどったかのような耽美性も「おお、やってるやってる」っていう懐かしさがあったのですが、でも申し訳ないけれど、ちっとも迫るものが感じられなかったんですよねえ。役者たちにも魅力が感じられなかったし。

小生の好きな大林作品はやっぱり『HOUSE ハウス』であり、『さびしんぼ』であり、『ふたり』なのです。少女のセンチメンタリズムなのです。

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