「南瓜とマヨネーズ」:ダメな人たちのリアルな恋愛映画
映画『南瓜とマヨネーズ』は、魚喃キリコの原作マンガを冨永昌敬監督が映画化ってことで、そして臼田あさ美と太賀という「ちょっと面白いポジション」にいる二人が主演ということで、興味をそそられました。 で、実際とてもリアルな恋愛映画として、映画的な良さを十分に持った作品に仕上がっていました。
主人公二人がかなりしょーもない奴らで、かなり「うわー、共感できんなー」って所があります。しかも後半をひっかき回すオダギリジョーがまた、
「ブラック・オダギリ」全開で(ジョー・ブラックですね。よろしく。)、結局みんなしょーもない人々(光石研あたりもね)。まあ、そこらのダメ感がこの作品の
テイストってやつですからね。
ダメな男女の恋愛映画ってやつも(『浮雲』まで引っ張り出しては大げさですが)日本映画の伝統なので、その意味でも「ちゃんとした映画」感が強いのです(いかにも低予算なのに)。恋愛映画としての生々しさがきちんと描かれているのです。
そんな人たちをリアルに演じた臼田、太賀、オダギリの三人とも、えらく好演です。人物をきっちりと演じ切っています。
ツチダ(臼田)が働くライブハウス「下北沢GARAGE」には大江戸も行ったことがありますし、売れないバンドマンの友達もいたりします。なので、色々とリアルに迫って来ました。でもそれ以上に、普遍性のある恋愛映画です。
妙にあっさりしていて、でもやるせなくて胸キュンなラストも、嫌いではありません。
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