« 日吉リンデンバウムのバウムクーヘン「菩提樹」 | トップページ | 「南瓜とマヨネーズ」:ダメな人たちのリアルな恋愛映画 »

2018年1月 6日 (土)

「否定と肯定」:都内1館ではもったいない

361739_001
映画『否定と肯定』は、非常に真面目で優れた作品。ただドラマティックな起伏やエンタテインメントとしてのグイグイ来るうねりに欠けることは事実です。それでも色々と勉強になり、興味深い作品でした。

イギリスの裁判制度のあれこれにびっくり。訴えられた被告の側が「自分は無罪である」ことを証明しなくちゃいけないんですね! 「推定無罪」がないんですね! 陪審員裁判か判事一人のジャッジかって選べるんですね! 今でもあんなカツラかぶってるんですね!

361739_005
110分の作品のほとんどの部分が裁判をめぐるあれこれです。法廷場面もかなりあります。もともと法廷での対決って、必ずと言っていいほど面白くなるものなのですが、本作もその例に漏れず、火花散らす両者の攻防に引き込まれてしまいます。ベテラン弁護人役のトム・ウィルキンソン、いいですねー。

361739_002

それにしてもミック・ジャクソン監督って、『ボディガード』はともかくとして、『ボルケーノ』とか撮ってた人ですよ。しかも近年はTVでだけ活動していたようですし。もう74歳ですし。よくこの映画の監督をまかせたものですねえ。 でも手堅く、しっかりとまとめています。もしかしたら、この人の最高作になったのではないかしらん。

361739_007_2

歴史ってものは簡単に捏造できてしまうということを、改めて私たちに教えてくれる作品でもありました。それを反証することの難しさもまた存分に伝えてくれています。というわけで、現実の世界や日本の「リアル」に 迫る、非常にタイムリーな作品となっているのです。 なのに都内ではTOHOシネマズ・シャンテのみの公開。これの前に上映された『女神の見えざる手』もやはりシャンテだけの公開でしたが、こちらも女性が主人公の非常にサスペンスフルな秀作でした。エンタテインメントとしても良くできているだけに、どちらももっと多くの人に観てもらいたい映画なのですが・・・。

※よく見たら都内でもう1館、池袋シネマロサで1日1回だけ上映していました。

|

« 日吉リンデンバウムのバウムクーヘン「菩提樹」 | トップページ | 「南瓜とマヨネーズ」:ダメな人たちのリアルな恋愛映画 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/72632620

この記事へのトラックバック一覧です: 「否定と肯定」:都内1館ではもったいない:

» ショートレビュー「否定と肯定・・・・・評価額1650円」 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
歴史は司法で裁けるのか。 1996年、英国の歴史研究家デヴィッド・アーヴィングが、自分のことをホロコースト否定論者だと自著で中傷したとして、現代ユダヤ史を専門とする歴史学者、デボラ・リップシュタット教授と出版社のペンギンブックスを名誉毀損で訴えた実際の裁判、「アーヴィングvsペンギンブックス・リップシュタット事件」の映画化。 面白いのは英国の司法制度では、日本やアメリカなどとは逆に、...... [続きを読む]

受信: 2018年1月 9日 (火) 21時16分

« 日吉リンデンバウムのバウムクーヘン「菩提樹」 | トップページ | 「南瓜とマヨネーズ」:ダメな人たちのリアルな恋愛映画 »