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2018年1月29日 (月)

「ジュピターズ・ムーン」:ハンガリーの宗教的SF

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映画『ジュピターズ・ムーン』は、珍しやハンガリー映画(資本的にはハンガリー・ドイツ合作ですが、舞台も言語もハンガリーで、監督はじめ主なスタッフも役者もハンガリー人)。しかもSFです。とは言え、サスペンス、アクション、難民問題、差別、テロリズムなど多様な要素を取り込んだ作品なのですが、一番感じるのは「宗教映画」だという側面です。空中に浮かぶ能力を手にした少年(顔はかなりオッサンなのですが)も、作中で「天使」と呼ばれたりしています。

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この映画、カンヌ映画祭のコンペ出品作でもあります。 確かに、ハリウッドSF映画にはない神秘感や土俗臭があり、観たことのない不思議なポジションに属する映画となっております。

「飛ぶ(浮遊する)」ことがメタファーでもあり、いくつかの浮遊シーンは「どうやって撮ったんだろう」と思ってしまうようなものでした(「あれはクレーンじゃ無理だから、ドローンかなあ」とか) 。

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部屋をぐるんぐるんと回転させちゃうシーンは、かの『恋愛準決勝戦』(『2001年宇宙の旅』の無重力シーンにも影響を与えたハリウッド映画)の神秘バージョンのようでした。

凄かったのは、ブダペスト市内でのカーチェイス・シーン。めちゃくちゃロー・アングル(改造バイクで撮ったのかなあ)で、しかも長回しの1カット! これだけヤバイ疾走感のカーチェイスって、井坂聡監督の『FOCUS』と双璧かも知れません。

362484_001_2でも基本的に哀感が滲むダウナーな作品なので、大江戸としては乗り切れませんでした。

(以降少々ネタバレあり) 『キネマ旬報』に内藤誠さんが「少年が超能力で国境を越えないのに少々いらついた」と書いてあり、笑ってしまいました。あ、そうだなーと思いました、パスポートがどうとか言わずに、飛んで行きゃあいいじゃん。まさにその通りです(笑)。

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