« 「キングスマン ゴールデン・サークル」:痛快だが前作には届かず | トップページ | 「ジャコメッティ 最後の肖像」:かばいきれないろくでなし »

2018年1月 9日 (火)

「嘘八百」:ゆるゆる笑いも、欠点多くて・・・

361607_004
映画『嘘八百』は、正月気分の抜けないうちにゆるりと観てゆるゆると笑える感じの(まあ、つまりは昭和の正月映画の添え物的な)作品です。武正晴監督も職人仕事に徹しています。

このオリジナル脚本(足立紳・今井雅子)がゆるいんですよね。はっきり言って、欠点もいろいろあります。

361607_002

『なんでも鑑定団』的なうんちくをちりばめながら、『スティング』的な(と言っては褒め過ぎですが)だまし(コンゲーム)をやる所まではいいんです。でもその切れ味が鈍かったり、ディテールが嘘くさかったり、人物がカリカチュアライズされ過ぎていたりして、どうにもシャープじゃないんですよね。こういうのはやっぱり小粋にチャキチャキっとやってくれないと(「茶器」の話ですし)。

361607_007_2最もうまく行っていなかったのが、中井貴一の娘役・森川葵と佐々木蔵之介の息子役・前野朋哉のカップルの造形。男の方も類型的過ぎるうらみがありますが、女の方は「こんなやつ、いねーよ」的なリアリティの欠如です。ジオラマオタクに一目ぼれするあたりも「なんだかなー」ですけど、その男にいつも「エヘエヘ」的な笑いでバカみたいになっちゃってるところとか、終盤のあり得ない行動とか・・・、どうにもしらけちゃうんですよねー。ウソくさくて。

361607_008_2

クライマックスもさほど大きく盛り上がることはなく、その後の堀内敬子がらみのドタバタなどは、ほぼ意味不明なほどバランスを崩しちゃってます。色々と残念な作品です。

役者陣の中で良かったのは、大物鑑定士に扮した近藤正臣の風格と腹芸。そして、贋作チームのメンバーで書の達人に扮した木下ほうかの淡々と飄々とした味わいでした。

 

|

« 「キングスマン ゴールデン・サークル」:痛快だが前作には届かず | トップページ | 「ジャコメッティ 最後の肖像」:かばいきれないろくでなし »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/72654630

この記事へのトラックバック一覧です: 「嘘八百」:ゆるゆる笑いも、欠点多くて・・・:

» 嘘八百 [象のロケット]
千利休を生んだ茶の湯の聖地である大阪・堺。 目利きだが空振りばかりしている古物商・小池則夫と、腕は立つのにくすぶっている陶芸家・野田佐輔は、お宝を巡って最悪の出会いをする。 しかし、ある大御所鑑定士に一杯食わされたことがある2人は結託し、“幻の利休の茶器”で仕返しついでに一攫千金を狙うことに…。 コメディ。 ≪笑う門には福来たる!?≫... [続きを読む]

受信: 2018年1月17日 (水) 22時12分

« 「キングスマン ゴールデン・サークル」:痛快だが前作には届かず | トップページ | 「ジャコメッティ 最後の肖像」:かばいきれないろくでなし »