« 日本インターネット映画大賞2017投票 | トップページ | 「早春」:恋の暴走ボーイ »

2018年1月18日 (木)

「伊藤くん A to E」:岡田将生の好感度ガタ落ち路線

361221_003
映画『伊藤くん A to E』はもう出だし早々から岡田将生演じる伊藤くんのセルフィッシュな痛男の毒気に当てられちゃう126分。あー、やだ。気分悪い。とにかくこのドイヒー男の造形が、そして彼に振り回される5人の女たちの造形がすべてであり、そういった意味ではよく出来ているのですが、全体的な仕上がりとしてはそこそこの作品でした。それにしても岡田将生って、こういう嫌われ役が板についてますねえ。今後この路線でいくのかしらん? 好感度ガタ落ちだと思うんですけど。

361221_005

一方、5人の女=佐々木希、志田未来、夏帆、池田エライザ、そして木村文乃 なんですけど、こちらの方々も結構ダメな方々で、それぞれにイラっとさせてくれたりもします。だからといって「割れ鍋に綴じ蓋」とはならず、あくまでも不毛な人間関係なんです。もちろんその根源は伊藤くんなんですけど、彼女らにだって何割かの原因があったりもする、そこらへんをちゃんとシビアに描いているのはいいですね。

361221_007
まあ、何と言っても廣木隆一監督ですから、そこらのケアはされています。イタイ人々を痛いままに描くということ。

てなわけで、まずまず及第の娯楽作品に仕上がってはおりましたが、まあこんなもんかなという物足りなさも。「傷つきたくない」という現代の病理(まあ、昔っから誰だって傷つきたくなんかないわけですけれど)を正面切って描いたことにおいては、とてもタイムリーな作品と言えるかもしれません。そこまで過剰に傷つくのをこわがって、これからの人生どうすんの?(年取ってからのハシカは、死ぬこともあるくらい重くなりますよ)。

361221_001_3

夏帆と池田エライザがルームメイトを演じているのですが、映画好きの友人が「『みんな!エスパーだよ!』の新旧ヒロインだ」と指摘しておりました。なるほど。 で、大江戸の結論としては「やっぱり夏帆はメガネが似合う」です(なんのこっちゃ)。ちなみに夏帆ちゃんの公式サイトのトップ画面はいまだに15歳ごろのメガネ姿のお写真です。なぜなんだろう?

|

« 日本インターネット映画大賞2017投票 | トップページ | 「早春」:恋の暴走ボーイ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「伊藤くん A to E」:岡田将生の好感度ガタ落ち路線:

» 伊藤くん A to E [象のロケット]
落ち目の脚本家・矢崎莉桜は、“伊藤”という男について悩む4人の女たち【A】〜【D】の切実な恋愛相談を、新作脚本のネタに利用しようと企んでいた。 一方、莉桜が主宰するシナリオスクールの生徒“伊藤”は、容姿端麗だが1度も脚本を書き上げたことがない28歳のフリーター。 彼は何かと莉桜に絡んでくるのだった…。 恋愛ミステリー。... [続きを読む]

受信: 2018年1月21日 (日) 08時29分

« 日本インターネット映画大賞2017投票 | トップページ | 「早春」:恋の暴走ボーイ »