「祈りの幕が下りる時」:スターの華と哀しき因果ばなし
映画『祈りの幕が下りる時』は、映画版第2弾にして(たぶん)最終版。大江戸はTVドラマ『新参者』は見ていませんでしたが、映画版第1弾の方は観ております。監督があの福澤克維ってことで、パワフルな通俗娯楽作に仕上がってるんだろうなーと思ったら、まあ大体そういう感じでした。
日本橋界隈でも、このシリーズの舞台となっている(らしい)人形町ではなく、浜町の明治座界隈が今回の中心地。そこに大柄で絵になる美男美女(阿部寛、松嶋菜々子)が丁々発止ってことで、いかにも娯楽映画の本道ですね。阿部(53歳)も松嶋(44歳)も、いまだに大いに華があります。こういう「スターで見せる映画」、必要ですよね。
事件はかなり複雑な構造なのですが、通俗メジャーど真ん中の福澤演出は、かなり親切にいろんな手で、その全貌を観客に伝えてくれます。さすがと言えば、さすがです。 で、光や逆光を生かした室内シーンなど、絵的にはTVドラマの時よりもかなり映像の美しさを意識しているようです。
一方で事件の方は、かなり日本的と言うか浪花節的と言うか、紅涙を絞るような哀しき因果ものです。なんだか「昭和」ですねえ。『砂の器』とか横溝正史の金田一シリーズとか『人間の証明』とか、ああいった作品に近いものを感じました。
写真で出て来た初老の「げっそりミッチー」(及川光博)にも笑いましたが、小日向文世さんの若き日の場面でつけてるヅラが気になって、そちらにばかり目が行ってしまいました。断崖絶壁に立ってる場面なんて、いつコヒさんのヅラが風に飛ばされちゃうか(飛ばされないけど)気が気じゃなくって・・・。
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