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2018年2月 3日 (土)

「デトロイト」:観るのが辛い重い球

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映画『デトロイト』は、重金属系骨太映画を作り続けるキャスリン・ビグロー監督5年ぶり(アメリカ公開時)の新作。この監督、性別のことはともかく、'51年生まれの66歳なのにパワーあります。観る前から「いい作品に違いないけど、観てて気分良くはないだろうなあ。辛いだろうなあ。」と思っていた通りにしんどい、142分の重い球です。

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全体の印象としては、かっちりとした強度のあるドラマ。ただ、あえて雑に動くドキュンメンタリー風のキャメラが臨場感を煽ります。モーテルでの警官の蛮行を描く40分ほどは、観てることが精神的にハードです。 (以降ネタバレあり) そして作品として容赦がないのは、決して安易なハッピーエンディングなど用意していないことです。現実の重さが観る者を押しつぶし、いつまでも考えざるを得ない状態にさせるべくそうしているのです。

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それにしてもこの人種差別の悪魔のような白人警官(ウィル・ポールター)がやけに子供顔なのが、またコワイし嫌な感じです。アメリカの中学生(不良)によくいるタイプです。でも何で周りの警官とか軍とかは、あんな若造に長時間好き勝手やらせといたんですかねえ?(州兵の隊長みたいな人はヤバイと思いながら、人種問題に関わりたくないって帰っちゃうし。アフリカ系の警備員もそうですけど、現場にいた人たちって、もう少し何とかできなかったのでしょうか? もう少しうまく動けなかったのでしょうか?

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結末は非常に胸クソの悪いものです。 でもこれ実話ですから。そこから半世紀、トランプの台頭に代表されるようなレイシズムの巻き返しが世界中で起こっている今、本作が登場した意義は大いにあると思います。

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