「幸せの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス」:もっと洒脱であれば
映画『幸せの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』って、3本分みたいなタイトルですよね(原題はシンプルに“Maudie”。 『パディントン2』、『シェイプ・オブ・ウォーター』に続く「サリー・ホーキンス祭り」の1本です。
この映画のサリー・ホーキンスって、障害のある人ってところとか、深い青緑をまとっていたりするところとか、『シェイプ・オブ・ウォーター』との符合も多いのです。この人、調べてみたら誕生日(4.27)が大江戸と一緒なので、びっくりしました。
それはともかく、やっぱりうまいぞ、ノってるぞ、サリー・ホーキンス!なのでありました。 夫(のようなもの)役のイーサン・ホークとの好対照なコンビぶりも素敵なのですが、それにしても、このイーサン、そんなに褒められた奴じゃあありませんよねえ。不器用な奴というよりも、無知な罪を抱えた頑迷な奴じゃあないですか。これで「夫婦愛」がどうたらって感想はちょっとないんじゃないかなあ。でもこのイーサンの役、30年前ならクリント・イーストウッドがもっとキュートに演じていたはずです。
中盤以降、けっこうスローな会話場面が多くて、ちょっと退屈したことも確かです。この女性監督さん(アシュリング・ウォルシュ)、愚直すぎるきらいがありますね。大江戸の趣味としては、この題材ならもうちょっと洒脱にすらすらと描いてほしいのですが・・・。
実話ベースの作品ですが、モードのプリミティブなフォークアート・ペインティングを、ニクソンがほそがったってのが、意外ですね。小生はちょっと家の壁に絵を描いてみたくなったりしました(やらないけど)。
1930年代に始まる物語なので、時代から言えばしょうがないわけですが、ポリティカリー・コレクトではない差別語がバンバン出ます。字幕には訳されていなかったけど、イーサンだって彼女を“crippled”呼ばわりしてます。でもそういうのって、ちゃんと翻訳すべきだと思うんですけどね。そういう時代だったわけですから。
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