「聖なる鹿殺し」:とにかく嫌な感じ
映画『聖なる鹿殺し キリング・オブ・ア・セイクリッド・ディア』は、これまで『籠の中の乙女』、『ロブスター』とクセの強い異色作ばかり作ってきたヨルゴス・アンティモス監督作品。今回もクセが強くて、異色です。 それにしてもこのタイトル、長くなるのに日本語と英語の繰り返し。どうかと思います。さらに、英語の意味からすれば「聖なる鹿」殺し ですよね。「聖なる鹿殺し」ってすると、鹿を殺す行為または鹿を殺す人が「聖なる」みたいで、ちょっと違いますよね。
最初の内は特に変だとは感じ取れないのですが、少しずつ違和感や奇妙さが蓄積されていき、それが焦点を結んだ後は、不愉快な不条理が暴走して行きます。 アンティモス監督ともう一人による脚本は、アカデミー脚本賞にノミネートされました。
で、そんなヘンな作品なのに、キャストがやたらとメジャーです(ニコール・キッドマン、コリン・ファレルの『ビガイルド』コンビに、バリー“ダンケルク”コーガン)。おお、ニコール/コリン夫妻の娘を演じるラフィー・キャシディって、『トゥモローランド』で、大江戸がその年の「新人賞」に選んだ子じゃないですか。いつの間にこんな大きくなったのでしょう(特徴的だったソバカスは更に激しくなっておりました)。時のたつのは早いものですね。
すんげー後味の悪いラストです。救いは無く、ひたすら嫌な感じです。その根源となっているのがバリー・コーガンなのですが、こいつの顔が無性に腹立たしい顔というか、とにかく嫌な感じなのです。ある意味凄い演技力と言えるのかも知れませんが、絶対に好意は持てません。それぐらいの不快感をばらまいているのでした。
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