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2018年3月14日 (水)

「ハッピーエンド」:毒気控え目

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映画『ハッピーエンド』は、ミヒャエル・ハネケ5年ぶりの新作。ハネケらしいといえばらしいのですが、らしくないところも多々あります。スマホ画面の映像を使ったり、SNSのやり取りを使ったりしているのは、まあ時代がそうだからねと納得できますけど、毒が弱い気がしてなりませんでした。ハネケ先生には、もっと気が滅入るほどの毒を期待してしまうのですが・・・。

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家族(親戚も含みます)の間の面倒くささや葛藤や秘密を、いつものように意地悪な視線で描くのですが、いつもよりさらっとし過ぎているというか、変態度少な目だと思います。

ただ時々隠せずに出現する変態風味(SNSの文面とか、カラオケで熱唱しながら狂ったような動きを見せるとか、ラストの車椅子とか)には、「おお、やっぱりハネケ」と喜んでしまうのですが、それらにしても寸止めな感じです。

362708_004その理由はやはりイザベル・ユペールが真っ当なキャラクターだってことなんじゃないでしょうか。登場人物中一番真っ当かも知れません。それじゃあ肩すかしってもんですよね。まあ、でも『白いリボン』以降、ハネケも変わったのかも知れません。カウリスマキじゃあるまいに、移民問題のエッセンスまで振りかけちゃってますし。

映像的に一番鮮烈だったのは、冒頭の定点カメラによる工事現場での壁面崩落事故。いやー、リアルでした。

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13歳(12歳)の少女が「I ★ JAPAN」というTシャツを着ている場面があるのですが、うーむ。「I ♥ JAPAN」なら「LOVE」ですけど、「★」の場合、何と読むのでしょう? 目が星になっちゃうぐらい好きだってことならいいのですけど、「hate」みたいな意味だったらいやだなあ、形からすると「爆破する」かも知れないなあ、などと気になって仕方ありませんでした。

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