« 「リメンバー・ミー」:ガイコツが、みんな違って みんないい | トップページ | チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ、チェリーの季節 »

2018年3月25日 (日)

「空海 美しき王妃の謎」:信心深い人は観ちゃダメ

361111_002

映画『空海 美しき王妃の謎』(日本語吹替版)は、CGたっぷりの現代的娯楽作品。「娯楽大作」と呼んでもいいスケールなのですが、一方ではキワモノ感もそこそこ漂っておりまして(何せ原題が“妖猫傳”ですから)・・・。チェン・カイコーって、こうなっちゃったんですね。

弘法大師様の若き日々を描いた作品などと思って行くと、かなり想像を外れていることは確かです。あまりにも荒唐無稽なので、真言宗はじめ仏教関係者は快く思わないのではないでしょうか。

361111_004
染谷将太演じる空海さんは、探偵のようであり、また本作の狂言回しでもあります。白楽天との間に、微かにゲイっぽい空気が感じられなくもありません。

楊貴妃に関しては、まあきれいな顔の女優さんなのですが、難しいですよね。国を亡ぼすほどの、世界の三大美人に挙げられるほどの圧倒尾的な美しさとなると、いくら美人さんが集まっている映画界とはいえ、説得力を持って演じられる人などまずいないでしょう。ハードルの高すぎるお題なのです。

361111_007_2CGは使い過ぎなほど使いまくってますが、黒猫の動きとか結構雑な仕事も目立ちます。現在の世界トップレベルのCGとは言えませんよね。 その一方、セットなどの美術は素晴らしかったですよ。「汚し」なども含めて、上質な仕事をしているのがわかりました。衣装も良いですね。 こんなんだったら、中国の映画はCGに頼らないで、物量ガンガン、人海バンバンで、昔ながらの映画作りをしてくれた方がいいのに。その方が世のため人のため映画のためだと思うんですけどね。

361111_006

まあ序盤に危惧したほどのトンデモ映画にはなりませんでした。後半は歴史大作(奇想天外ではありますが)としての風格さえ(少しだけ)漂っておりました(少しだけですよ)。

それにしても阿部寛の阿倍仲麻呂って、・・・名前で選んだのでしょうか? 当時の日本人に見えないこと著しいです。彼の乗った遣唐船が渦潮に巻き込まれて、プハーッっと顔を水面に出すとローマ風呂! なんてのが良かったなあ。

|

« 「リメンバー・ミー」:ガイコツが、みんな違って みんないい | トップページ | チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ、チェリーの季節 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「空海 美しき王妃の謎」:信心深い人は観ちゃダメ:

» 映画『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎』★ビジュアル系“空海の事件簿in長安”with黒ネコ [yutake☆イヴの《映画★一期一会》]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/171621/ ↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。 ・空海: 染谷将太☆ ←目当て 空海の宗教的精神世界とは、関係なく(^^♪ “化け猫騒動”のナゾ解きでした。 (中国題:妖猫伝  ←そのまま!(^^♪)) 染谷将太さんの空海が、もったいない気もしつつ(汗) ビジュアル重視の...... [続きを読む]

受信: 2018年3月26日 (月) 01時27分

» 劇場鑑賞「空海―KU-KAI― 美しき王妃の謎」 [日々“是”精進! ver.F]
詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201802250000/ [続きを読む]

受信: 2018年3月26日 (月) 06時09分

» 空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎 [象のロケット]
1200年以上前、日本から遣唐使として中国・唐に渡った若き天才僧侶・空海は、詩人・白楽天(のちの白居易)との交流を深めていく。 その頃、世界最大の都・長安の街では、権力者が次々と奇妙な死を遂げていた。 事件を探る空海と白楽天は、約50年前の玄宗皇帝と楊貴妃の時代に、唐に渡った日本人・阿倍仲麻呂の存在を知る…。 ミステリー。... [続きを読む]

受信: 2018年3月26日 (月) 16時37分

« 「リメンバー・ミー」:ガイコツが、みんな違って みんないい | トップページ | チ、チ、チ、チ、チ、チ、チ、チェリーの季節 »