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2018年4月27日 (金)

ハリルホジッチの解任について

サッカー日本代表のハリルホジッチ元監督が、来日記者会見を行いましたね。この件に関しては、大江戸はほぼハリルの味方です。日本サッカー協会(JFA)というか、田嶋会長の方が問題じゃないの?と思う非常識さは主に3つあります。

1.なぜW杯2ケ月前に? : 解任するのは雇い主であるJFAの権利だとして、それまでにも何度もタイミングはあったはずです。もうここまで来たら、変えるメリットよりデメリットの方が大きいのは自明の理と思えます。そして何か決定的な理由が示されない中、この残酷なタイミングでの解任というのは、あまりにも非人道的というか、人としてどうなのか?って気がします。巷間では、これでは今後多くの監督が日本代表監督就任に二の足を踏むだろうと言っていますが、もっともです。そもそもこのタイミングじゃあ、後任の西野さんだってなすすべなしではありませんか。

2.手続きが違うのでは? : 田嶋会長がパリのホテルでハリルホジッチにいきなり解任を告げたそうですが、その前にやるべき事をやったのでしょうか? 世の中では、目標を与えてそれが達成できなければ首を切るということはありますが、W杯出場権を1位通過で獲得し(目標を達成し)、テストマッチで本番に備えていた段階なのに。この段階の勝敗や選手起用は、本番へのテストや布石ですよ。なのに、なぜ? せめて事前に警告するとかしないのは、非常にアンフェア。つまり、協会側こそ「コミュニケーションに問題があった」のでは?

3.コミュニケーションに問題ありって? : そもそもこれが謎のフレーズです。コミュニケーションの問題って、何でしょうか? 意思の疎通がうまくいかないのは、日本人と日本人の間でだって、しょっちゅう起こる話です。それに、その理由で解任に至るとしたら「一部のスター選手>監督」という図式なわけですよね。解任当初からの報道でも、「あの選手とあの選手が」とか「反乱」とか「直訴」とか、あるいは「スポンサーの大企業が」とか「代理店が」とか言われてますが、勘繰りたくもなるし、それがほとんど当たっていそうな気がしてなりません。

いずれにせよ、時計はもう元には戻りません。3年かけて積み上げて来たハリルホジッチの日本代表が、その完成形も結果も我々に見せることなく消滅してしまったことは、日本サッカーの後退以外の何物でもありません。「勝負師」ハリルホジッチがあっと言わせてくれる(と期待していた)W杯本番を目にすることはできず、急造の西野ジャパンが勝とうが負けようが(なかなか勝てるものではないと思いますが)、日本に残るものは、蓄積するものは、何もないのです。

今回の解任劇は、多くの美点を持つはずの日本人の「ダークな面」「不可解で理不尽な悪印象」を、世界に喧伝することになってしまったのではと、非常に残念なのであります。

 

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