「ワンダーストラック」:見事な1927/1977の再現

映画『ワンダーストラック』は、トッド・ヘインズ監督作品ですが、原作&脚本があの傑作『ヒューゴの不思議な発明』のブライアン・セルズニックと聞いては、そして予告編に流れるデイヴィッド・ボウイの『スペース・オディティ』を聴いて、大変期待しておりました。“Wonderstruck”ってタイトルもカッコイイですし。
1927年(モノクロ)と1977年(カラー)の世界を交互に描いていきます。とにかくその時代考証と再現;美術と衣装の見事な再現に目を見張ってしまいます。ここまで徹底してやるというのは、さすがにトッド・ヘインズなのです。服のみならず、靴からバッグから髪型から帽子から・・・すべてにわたって圧巻の再現力なのです。セット多用なのかと思ったら、かなり実在する建物や風景に手を入れて使っているようで、そこらもびっくりです。
音楽も「ザ・劇伴」って感じで、見事にその場面を説明するような音楽のつけ方をしています。しかもかなりべったりと、延々つけていくのです。そう、まるで篇中に出て来るサイレント映画のような音楽の使い方なのです。
両世代の主人公ともが聾唖者だというのも、これまでLGBTを扱い続けて来たトッド・ヘインズの姿勢の延長線上でしょう。

そして、アメリカ自然史博物館です! 1927年にも1977年にも変わらぬ存在だったからこそ成り立ちます。大江戸は4回行ったことがある大好きなミュージアムです。モノクロとカラーで描かれるその展示や、見入る人々。ああ、また行きたいものです。ちなみに小生が大大大好きなシロナガスクジラの模型(ほの暗い大展示室の上空に浮かんでいる)も出て来ましたよ。
ただ映画は、終盤に至って(妙に説明的になって)失速していったのが残念でした。もっと“Wonder”で押していった方が良かったのにね。
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コメント
個人的には失速どころか、どんどん登っていきました!
それはそれぞれの感じ方、ということで(笑)
投稿: onscreen | 2018年5月23日 (水) 01時34分
onscreenさん、ご理解ありがとうございます。
そうなんですよね。ほんと、人それぞれで。ある人にとって最高の映画が、ある人にとって最低ってことも、しばしばあることですし。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年5月23日 (水) 22時50分