「トレイン・ミッション」:アクションと空間の描写がヘタで・・・
『トレイン・ミッション』ってタイトルは、いかにもインチキ英語の邦題くさいなーと思ったら、原題は、“The commuter”=通勤電車でした。まあ『通勤電車』じゃ昭和のコメディみたいで、この映画のタイトルにはできませんもんね(ちなみに市川崑監督に傑作『満員電車』っていう風刺コメディがあります)。
※アップ後に佐藤秀さんからご指摘があり、再度調べてみたところ、一般的には“commuter”は「通勤者」でした。失礼しました。
遅れて来たアクションスター、リーアム・ニーソン主演。リーアムさんって、いつもやたらと家族思いキャラですね。
冒頭のご家庭シーンを除けば、ほぼ全編が電車内という限定空間ミステリー・アクションです。まあ娯楽作品として、とりあえず楽しませてくれますが、新しさは何もありません。むしろ当世珍しいぐらいの古典的(正統派の)展開で、観たような場面の積み重ねです。今日びこういう作品(地に足の着いた娯楽アクション)の公開は減ったので、ある意味貴重と言えるかもしれませんね。
終盤にはド派手な見せ場も用意されているのですが、基本的にはリーアムお父さんがその肉体(と頭脳)で奮闘しております。
で、問題なのはこの監督(ジャウマ・コレット=セラ)の演出力がイマイチイマニなこと。特にアクション描写においては、(編集も含め)位置関係とか空間の描出とかがちゃんと成されていなくて、「何がどうなってるのかわからない」状態。つまりはヘタなんだよなー。
(以降ネタバレあり) 終盤で笑っちゃったのは、悪い奴から狙われている人物が名乗りを上げると、他の乗客たちが「いや、私が○○だ」「いやいや、オレこそが○○だ」「いいえ、あたしが・・・」って具合に、みんなで攪乱するところ。こんな使い古されたネタの使用って、恥ずかしい以前にギャグとしか思えないだろー! いや、観てる方が恥ずかしくなって、まいりました。
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コメント
commuterって通勤者ですよ。
通勤電車はcommuter train。
投稿: 佐藤秀 | 2018年4月12日 (木) 12時31分
佐藤秀さん、コメントありがとうございます。
私も最初にネットの辞書を確認して、一般的な意味は「通勤者」だと理解したのですが、
日本語WordNet(英和)での「commuter」の意味
1.主に定期的に一つの場所からもう一つの場所へ移動する乗客が乗った旅客列車
(a passenger train that is ridden primarily by passengers who travel regularly from one place to another)
とも載っていたので、自分的にはそっちの方がしっくり行くと思って、そう書いてしまいました。
でも今調べなおしてみると、ほとんどの辞書には出ていないので、やはり「通勤者」と解釈すべきなのでしょうね。
勉強になりました。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年4月12日 (木) 19時57分
「いや、私が○○だ」
「いやいや、オレこそが○○だ」
「いいえ、あたしが・・・」
あの〜、これはニューヨーカー魂、なのです。
NY生まれの私が言うのですから、そこは信じていただきたい!
クサいようにみえます、けどね(笑)
投稿: onscreen | 2018年4月17日 (火) 01時10分
onscreenさま、ありがとうございます。わかりました。信じます! ニューヨーカー魂なのですね。
ただ小生の体験ですと、子供時代からテレビドラマやそれをパロディ化したコントなどで、このパターンはさんざん見てきたので(しかも近年はギャグとしてしか使われなかったので)、あのシリアスな場面で出てきた時に、思わず笑ってしまったのです。
先生 この窓ガラスを割ったのは誰なの?!
生徒A ぼくが割りました。
生徒B いえ、割ったのは私です。
生徒C 違います。本当はオレなんです。
みたいな…。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年4月17日 (火) 08時57分