「アイスと雨音」:74分1本勝負
映画『アイスと雨音』は、74分ワンカットが話題ですね。でも2016年に公開された『ヴィクトリア』は、なんと倍近い139分ワンカットだったりしますけどね(『東京温度』内の記事はこちら↓)。
フィルムの時代には(&大型カメラの時代には)出来っこなかったことが、割とできちゃう時代になっております。もちろん段取りだとかリハーサルの事を考えると、気が遠くなりそうですが、それでも努力とプランニングで何とかやれちゃうんですよね。
ただ本作の面白いのは、ワンカットの中で1ヶ月間が経過していくってこと。まあ画面に「1週間前」とか表示されるからわかるってところはありますが、心意気や良しです。
大江戸が熟知している下北沢の街がライブ感覚バッチリに背景となっております。人通りがある中での一発撮りは、大変だったでありましょうねえ。
松居大悟監督(出演も)作品では『私たちのハァハァ』が大好きで、公開年の邦画第1位に挙げた大江戸ですが、うーん、今回はちょっとノれませんでした。後半の主人公たちの反撥や無軌道ぶりに、むしろ引いてしまいました。
さらにドン引きになってしまったのは、芝居の後ろに登場して熱唱するMOROHAの存在。まあ、その手法は実験だからいいとして、この歌詞とか歌い方とか佇まいとかが、ごめんなさい大江戸には合いませんでした。
群像劇ではありますが、一番の主役と言うべき森田想が、『私たちのハァハァ』の大関れいかにちょっと似ておりました(髪を束ねるとむしろ蒼井優に似てたりしましたが)。それにしても、すっごい八の字眉毛ですね。
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