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2018年4月 3日 (火)

「ラッキー」:じいさまの退場

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映画『ラッキー』は、昨年91歳で亡くなったハリー・ディーン・スタントンの遺作。作中の設定では90歳のじいさまを演じています。まさにハリーの幕引きのために作られたような作品です。

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体操したり、街をうろついたり、馴染みのダイナーやバーに行ったり、じいさんの日常を淡々と描いて、何もドラマティックな事は起こりません。 ほとんどラッキーじいさんの観察日記みたいになっています。そういう映画なんです。

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デイヴィッド・リンチも出ております。陸ガメの家出を心配するおやっさんの役。いつもながらの味がありますね。

タバコを吸い続け、悪態をつきまくり、でも人々から嫌われない(むしろ好かれている)ラッキーじいさんを、仏頂面で演じるハリー。見事な遺作ではありませんか(味のある歌声も披露しましたしね)。

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でもまあ、そんなに大した(映画史に残るような)作品ではありませんし、あまりに何も起こらないので、現在の88分以上ある作品だったりしたら、しんどかったでしょうね。

ハリーが田舎道を去って行くラストも、題をつけるならば『砂漠の流れ者』って感じで、名優の「退場」にふさわしいものでした。カメが効いてるんだ、また。

 

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» ラッキー [象のロケット]
神など信じずに生きてきた90歳のラッキーはアパートで一人暮らし。 目を覚まし、コーヒーを飲み、タバコをふかす。 いつものバーでブラッディ・マリアを飲み、馴染み客たちと過ごす。 そんな毎日の中でふと、人生の終わりが近づいていることを思い知らされた彼は、「死」について考え始めた…。 コメディ。 ≪“孤独”と“一人”は、同じじゃない。≫... [続きを読む]

受信: 2018年4月 7日 (土) 11時50分

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