「MIFUNE : THE LAST SAMURAI」:ミフネ・ザ・グレート
映画『MIFUNE : THE LAST SAMURAI』は、2016年制作のアメリカ映画。多くの作品を通して三船敏郎の生涯を綴ったドキュメンタリーです。
実際今日の日本で三船の事を話題にする人ってほとんどいないのですが、こうして見てみると、いやー、やっぱり日本映画史上最大のスターにして、世界に誇れる日本人=サムライなのだなあと、強く感じます。
一番最初のパートは、「チャンバラ映画」に関してです。佐藤忠男さんも出て来て、語ります。やはりミフネはサムライだから、そこから語り起こすしかないのです。
若い頃の彼は、彫りが深くて水も滴るいい男ですが、中年以降の彼の堂々たる押し出しと目力、顔力の凄いことと言ったら! まさに、(先進国としての)欧米に対して恥ずかしくない顔であり、唯一無二の俳優でした。
特に黒澤明との作品に関しては、本作の中心として深く掘り下げています。『七人の侍』『蜘蛛巣城』『用心棒』『赤ひげ』あたりの作品フッテージに加えて。撮影現場の写真や記録映像も交え、この映画史上最強コンビの凄さを再確認させてくれます(できれば、『野良犬』『生きものの記録』『白痴』『椿三十郎』『天国と地獄』あたりのフッテージも入れて欲しかったなあ)。
インタビューに答える人々が豪華です。スピルバーグにスコセッシ、香川京子、八千草薫、司葉子などなど。役所広司がひよっこに見えてしまうほどです。そしてエンドタイトルの最後に、この作品内のインタビュイーとして登場しながら、今は逝去された4人=土屋嘉男、夏木陽介、加藤武、中島春夫の名前が出ます。いやー、いい時に(と言っては語弊がありますが)、というかギリギリのタイミングで作った作品だったのですねえ。
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