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2018年5月31日 (木)

「モリーズ・ゲーム」:面白いけど、長い

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映画『モリーズ・ゲーム』は、かなり面白いですね。そして、半年ほど前の公開作『女神の見えざる手』にも共通するような主人公のキャラクターと知的ゲームが楽しめるエンタテインメント。言うまでもなく、どちらもジェシカ・チャステインの主演です。この人、こういう(今の時代に合った)キャラクター演じさせたら当代一。無敵です。

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それにしてもこれが実話ベースだってんで、びっくりです。モリー・ブルームの類稀なる半生をダイナミックに描きます。ジェシカが演じたので、リアルな説得力が出ました。そうでなきゃ、実話なのに荒唐無稽過ぎて・・・。

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そこらをスリリングでパワフルな娯楽作として結実させたのは、名脚本家のアーロン・ソーキン。本作は彼の初監督作でもありますが、「新人」らしからぬ堂々たる演出を見せています。ただ役者たちの好演が大いなる後押しとなったことも確かでしょう。ジェシカはもちろんのこと、弁護士役のイドリス・エルバが見事! 知性と強さと人間の深みを湛えたキャラクターで、このように演じられる人はなかなかいません(今までこの人、ノーマークでした。今度から注目します)。

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ただ2時間20分ってのがさすがに長くて、中盤以降はシーンが長過ぎて、そこが欠点。2時間以内に収めた方が、引き締まった秀作になったであろうに、残念です(ちなみに『女神の見えざる手』も2時間12分ありますが、あちらはダレ場一切なしでした)。脚本家が監督も務める場合って、自分で書いたものを切れずに、ぜーんぶ丁寧にたっぷりと撮って、編集で残しちゃうもんだから、ダレがち、たるみがちなんですよねー。本作もその陥穽(かんせい)から逃れることはできませんでした。

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