「いぬやしき」:ハリウッド・レベルのVFX
映画『いぬやしき』は、予告編の段階でVFXスゲーなと思っていましたが、想像以上でした。ここまでのクォリティなら、ハリウッドに対抗できますね。てか、小生がアメリカ人で、東洋の小国のこんな映画でジジイが空飛んでたら、(好事家マインドをくすぐられて)大喜びしてしまいそうです。
物語は良いテンポでどんどん進んでいきますし、多くの先行作品からのインスパイアも受けております。ガンを宣告されてから、「良く生きる」ことに目覚める主人公は、黒澤明の『生きる』ですし、終盤の新宿ビル屋上の二人は、『太陽を盗んだ男』の沢田研二と菅原文太のようでした。そもそも大友克洋の『童夢』も結構影響を与えているような気がしますしね。
とにかく新宿上空の飛行バトルやビル破壊は、レベル高いっす。『パシフィック・リム アップライジング』(の変な東京破壊)より、よっぽど凄いっす。実写映像の多用と繊細な加工が、生きてます。そしてカットごとの構図がセンス良いんですよねー。もちろんカットつなぎも的確で、描写力あり。佐藤信介監督って、便利屋娯楽職人的イメージが強い人ですけど、(少なくとも本作では)いい仕事してますよー。
新宿バルト9のビルや、新宿ピカデリーの脇が出て来たのは、上映館への目配せ??(でもTOHOシネマズ新宿は出て来て無かったと思うのですが・・・)。
物語自体はひねりもなく、素直過ぎるぐらいの「嫌われてるダメオヤジ→だけど、スーパーな正義の味方だった→カッコ良くめでたしめでたし」パターン(まあ、原作ものだから・・・)。 ラストを見る限り、続編がありそうなので、期待しておきましょう。
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