« 「孤狼の血」:お家芸復活 | トップページ | 「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」:「妖怪大戦争」なの? »

2018年5月13日 (日)

「サバービコン 仮面を被った街」:トランプへの怒りと・・・

363640_002
映画『サバービコン 仮面を被った街』は、ジョージ・クルーニー監督作品ですが、脚本がコーエン兄弟らってことで、実にコーエン兄弟テイストの作品。またそこに、コーエン兄弟が敬愛するヒッチコックのテイストも含まれておりまして、予告編を見た感じだとシニカルなブラックコメディだろうと思っていたのですが、だいぶシリアス寄りの作品でした。

363640_004
本作を通して、リベラル派のクルーニーが声を大にしてぶち上げているメッセージは、ドナルド・トランプ批判。「古き良きアメリカ」とか「輝いていた強いアメリカ」とか言っても、その実態はこういう代物だったんですよ、強烈な人種差別にまみれた、とんでもない時代だったんですよ、と訴えています。確かにこの映画で描かれている白人中産階級層の言動を今の尺度で見ていると、むかつくことばかりです。

363640_008

美しい郊外の街の一皮下の醜さ、異常さをダーク・ファンタジーとして描いたのが、デイヴィッド・リンチの『ブルー・ベルベット』だとしたら、本作はシニカルなサスペンス・ミステリーとして描いております。 完璧な時代再現(衣装、美術、ヘアメイク)と、名手カイル・クーパーによるメインタイトルの、いわゆる「古き良きアメリカ」も効いています。それ以上に効いているのは、子供の使い方でしょう。

363640_007_2

(以降ネタバレあり) 汚れ切った(白人の)大人たちとの対比で、子供のイノセンスが生きて来ます。ラストなんか、ちょっと涙腺に来るぐらい感動的なシーンでした。そしてカメラが引けば、延々と続く(隔てるために作られた)柵。その柵を越えて続くキャッチボール。まさに、「メキシコ国境に壁を作る」とかのたまっている大統領への怒りのメッセージではありませんか。クルーニーのこういう所、好きだなあ。そして、美しいラストシーンだなあ。

|

« 「孤狼の血」:お家芸復活 | トップページ | 「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」:「妖怪大戦争」なの? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/73480400

この記事へのトラックバック一覧です: 「サバービコン 仮面を被った街」:トランプへの怒りと・・・:

» サバービコン 仮面を被った街 [象のロケット]
1950年代、アメリカ郊外の閑静な新興住宅地サバービコン。 白人ばかりが住むこの街に、黒人の家族が引っ越してきた。 自治会は大騒ぎとなり、一家への嫌がらせが始まる。 一方、その隣のロッジ家には強盗が入り、足の悪い主婦ローズが殺されてしまう。 残された夫ガードナーと息子ニッキーの世話をするため、ローズの姉マーガレットがしばらく滞在することに…。 サスペンス。... [続きを読む]

受信: 2018年5月14日 (月) 19時38分

» 映画『サバービコン 仮面を被った街』★白人のトンデモ家族withキャッチボール♪ [yutake☆イヴの《映画★一期一会》]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/171915/ ↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。 ・監督: ジョージ・クルーニー ・脚本: ジョエル&イーサン・コーエン ・ガードナー: マット・デイモン ・ローズ&マギー; ジュリアン・ムーア ↑このメンツに惹かれて鑑賞しました☆ 1950年頃のアメリカ郊外サバ―ビコン。 ...... [続きを読む]

受信: 2018年5月14日 (月) 21時24分

» 『サバービコン 仮面を被った街』 輝かしかったあの時代…… [映画批評的妄想覚え書き/日々是口実]
 監督は『グッドナイト&グッドラック』などのジョージ・クルーニー。  脚本に名前を連ねているのは、コーエン兄弟とジョージ・クルーニー、グラント・ヘスロヴの4人。  原題は「Suburbicon」で、「Suburb(郊外)」から派生した造語っぽい。  時代は1950年代。閑静な郊外の街“サバービコン”。そこに住むロッジ家の平穏な日々は、突然の強盗事件によって一変する。足の不自...... [続きを読む]

受信: 2018年5月14日 (月) 23時54分

« 「孤狼の血」:お家芸復活 | トップページ | 「アベンジャーズ インフィニティ・ウォー」:「妖怪大戦争」なの? »