« 銀座ウエストのエンゼルケーキ | トップページ | 「MIFUNE : THE LAST SAMURAI」:ミフネ・ザ・グレート »

2018年5月19日 (土)

「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」:ドイヒーでポンコツな人々

362656_002
映画『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』は、パワフルで怪作に近いんだけど、ギリギリ真っ当に成功しています。ただ語り口はコメディ調のニュアンスを含んでおり、かなり笑えます。それはもちろん悪いことではなく、むしろ作品の魅力です。あくまでもフィクショナルな劇映画ですが、(さもドキュメンタリーのような)インタビュー形式を取り入れたり、演者がカメラ(観客)に向かって話したり、いろんなことをやってくれます。

362656_008

とにかくドイヒーな人、ポンコツな人ばっかり出て来ます。と言うより、そういう環境に生まれ育ち、そこから抜け出すことのできなかったトーニャの悲劇といった物語でもあります。中でも凍り付いた無表情と鬼の心と口汚さとで観る者をも凍り付かせるのがアリソン・ジャネイ演じる毒母! いやー、近寄りたくないなー。娘のトーニャは「被害者」でもあり同情の余地があるのですが、そしてヒゲやデブはただのバカなんですけど、この母親はかなり「諸悪の根源」っぽいですもん。

362656_003
トーニャを演じたマーゴット・ロビーは、本作のプロデューサーも務めておりますが、いやー、見事な演技でした。だって、自分のイメージを落とすほどのひどいキャラクターを見事にひどく(バカで、ゲスで、ビッチで)演じておりました、。ただの美人女優じゃなかったんですね。お見それいたしました。さらには4か月にわたる特訓で、かなり滑れるようになったというスケート場面の見事さ! 彼女自身が滑れていることが、作品の力となっています。そしてスケートをダイナミックに捉えたこのキャメラの見事さ! テレビで見るフィギュアとは全然違うハードでパワフルなスポーツの迫力がバッチリ出ておりました。

362656_004
(以降ややネタバレあり) あの「事件」の顛末にも唖然としましたが、その後に訪れるボクサーに転身した彼女の試合場面が効いています。そこにある屈辱、怒り、悲哀、強さ、諦念・・・そういった複雑な感情が、観ているこちらにも迫って来ました。それでも、人生ってもんは続くんだなあ。

|

« 銀座ウエストのエンゼルケーキ | トップページ | 「MIFUNE : THE LAST SAMURAI」:ミフネ・ザ・グレート »

コメント

<とにかくドイヒーな人、ポンコツな人ばっかり出て来ます

この点で、めっちゃ笑いました。
かなりの傑作だと思いましたが、そう感じない方もいて不思議?!

投稿: onscreen | 2018年5月24日 (木) 06時50分

トラックバックありがとうございます。先だっての「さよなら、僕のマンハッタン」の時同様、やはりこちらからのTBが届かないようですので、アドレス欄に「アイ,トーニャ・・」記事URLを入れて投稿します。なかなか見応えの怪作、だったですね。

何年か前、確かcocologへのTBは、届きはしたんですけれど、今同様、当方の編集欄には送信記録が出なかったりで、何か相性が悪いのかも?しれません。

投稿: MIEKOMISSLIM | 2018年5月24日 (木) 23時08分

onscreenさん、毎度どうも。あれはまさに「コメディ部門」ってやつですよね。
MIEKOMISSLIMさん、ありがとうございます。
うーん、TBの愛称悪さ、困ったもんですね。でもこれからもよろしくどうぞ。

投稿: 大江戸時夫 | 2018年5月25日 (金) 22時16分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/73518267

この記事へのトラックバック一覧です: 「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」:ドイヒーでポンコツな人々:

» 劇場鑑賞「アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル」 [日々“是”精進! ver.F]
詳細レビューはφ(.. ) https://plaza.rakuten.co.jp/brook0316/diary/201805080000/ アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル / アイ, トーニャ 史上最大のスキャンダル オリジナルサウンドトラック (アナログレコード) 【LP】 ... [続きを読む]

受信: 2018年5月20日 (日) 06時08分

» アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル [にきログ]
いやーお久しぶりの更新です アニメや映画を見てはいたんですけどなかなか更新できていませんでした 最近見た映画ではグレイテスト・ショーマンが素晴らしかったですね お勧めの作品でした 今回は気になっていた作品で見に行けたので感想です フィギュアスケート界での大きな事件であるナンシー・ケリガン襲撃事件を題材にした作品が映画になると聞いて気になっていたんです あらすじ 貧しい家...... [続きを読む]

受信: 2018年5月20日 (日) 22時01分

» アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル [象のロケット]
貧しい家庭で、幼いころから母親の暴力と罵倒の中で育てられた少女トーニャ・ハーディング。 天性の才能と努力が開花し、女子フィギュアスケート競技でアメリカ人初のトリプルアクセルを成功させ、1992年アルベールビル、1994年リレハンメルと二度のオリンピック代表選手となった。 しかし、ナンシー・ケリガン襲撃事件により、彼女の転落人生が始まる…。 実話から生まれた物語。... [続きを読む]

受信: 2018年5月23日 (水) 08時04分

« 銀座ウエストのエンゼルケーキ | トップページ | 「MIFUNE : THE LAST SAMURAI」:ミフネ・ザ・グレート »