「正しい日|間違えた日」:男と女のラブゲーム
映画『正しい日|間違えた日』は、ホン・サンス×キム・ミニ連続上映の第3弾。製作年度としてはこれが一番古い(2015年)のだそうです。
やっぱりいいです、ホン・サンス。いつもの(登場人物も場面も少ない)ホン・サンス映画ながら、酒飲んでグダグダ会話して・・・の楽しさと、スリリングな心のやり取りに満ちています。
とにかくキム・ミニがかわいいったらありゃしません。特に、序盤の喫茶店で見せる横顔のかわいさったら(彼女が結構松本穂香的表情を見せることを発見)! この喫茶店やその後の寿司屋における彼女と映画監督との会話は、まさに「男と女のラブゲーム」。ここらの下心やら駆け引きやらは、ホン・サンス映画の醍醐味です。
それにしても、自分たちの事を(どこまでフィクションかはわかりませんが)取り入れながら、こんな映画を作っちゃうホン・サンスとキム・ミニ。韓国で叩かれたのもむべなるかなですし、観る人によっては「いい気なもんだ」と思っちゃう人もいることでしょう。でも大江戸は許せちゃうんですよねー。ま、「私小説」みたいなもんですし。そして、あくまでも「フィクション」の領域で普遍性を獲得しておりますし。
前半/後半で同じシチュエーションからスタートし、同じ場面で展開する2つの異なる話になっているのですが、その微妙な比較が面白いのです。同じような場面設定、同じような人物で、いくつもの異なる物語にしていくって、これ、イコール ホン・サンス映画全般のことじゃないですか。面白いなー。今回も堪能させていただきました。
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