「恋は雨上がりのように」:佳品だけど難点も
映画『恋は雨上がりのように』は、「佳品」といった印象。思ったよりもちゃんとした映画になっていましたし、思ったよりもキャラクターの心情がきちんと描かれていて、思ったよりも心に迫る作品になっていました。
まあ、一方では「アレはどうなったんですか?」的な立ち消えエピソードも多く、いくら原作モノの映画化とはいえ、もっと映画内で決着つけられなかったものかと思ってしまいました。
『渇き。』以降の小松菜奈としては、これが一番良いのではないかなあ(自分が観た作品の中で、ですけど)。決して芝居がうまくはないし、表情も微妙なのですが、不思議と説得力があります。 「空手チョップ」Tシャツ姿から、白ワンピ+水色カーディガンへの“変身”などは、確かに「おお!」と思うほど鮮烈でした。
一方で大泉洋は、彼にしては相当抑えた演技(当然それは正解です)。地味目に、前に出ないように心掛けながらも、じんわりチャーミングな味を滲ませておりました。
小松菜奈のバイト仲間で(ごひいき)松本穂香が出てました。明るい茶髪と濃い目のアイメイクで、いつもと違う感じ。出番は少な目。それでも、かわいいったらありゃしない。
松本は朝ドラ『ひよっこ』でブレイクしましたが、現在の朝ドラ『半分、青い。』に出ている清野菜名が、小松菜奈(「菜ナ」つながりだ)の幼馴染の陸上部員役で出ておりました。でも、ちょっと高校生には見えませんねー(現在24歳)。
そして小松の母親役の吉田羊さん。普通に難なくこなしていましたが、最後の横顔ショットの演技がスゴイのです。あの微細な表情の変化だけで、泣きそうになりました。
終盤はやけに爽やかで、その一方尻切れトンボでもあります。でも、ここらで切らないともう、ドロドロになっちゃうしかないのかもねー。それは違うし。マンガと違って、映像実写はどうしてもリアルな生ぐささが出かねないものですから・・・。痛し痒しであります。
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