「友罪」:重い投げかけ

映画『友罪』は、重かったですねー。2時間9分なのに、観ていてそれより30分ぐらいは長く感じられました。気が滅入ります。
しかも娯楽映画の枠組みを越えるほどに、説明が親切ではありません。ほのめかしたり、描かずに推測させたり、行動の意味を明確にしなかったりと、観客に委ねる部分がとても多いのです。
秀逸なのは、主人公二人(瑛太と生田斗真)が働く部品製造工場とその労働者たちの描写。ブルーカラー・ワーカーの鬱屈や荒(すさ)み方を、デスパレートな感じに描いています。どす黒いコンプレックスと、ざらついた暴力的な空気が、何とも言えませんでした。
夏帆はメガネをかけて地味な感じで登場します。このキャラクター、同情を誘う一方で、無意識にズルい所があるのですが、夏帆が「柄に合った」好演で、その「無意識に」って部分に説得力を与えています。
また、山本美月(この人、なぜか最近映画に出まくってますね)の雑誌記者は、彼女が演じているが故にその「薄っぺらさ」が説得力を持って迫ります。

とにかく観る者にいろんな事を考えさせる映画です。犯罪者とその更正というテーマ、加害者の家族にとっての償いというテーマ、自分の近くに元殺人犯がいたら普通につき合えるのだろうかというテーマ・・・、映画では(当然ながら)答を出しません。私たちに重い問題を提示して、その先は観客に委ねています。その先は、リアルな社会の中で私たちがどうするかということなのでしょう。
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