「ゲティ家の身代金」:「ハンニバル」との共通点
映画『ゲティ家の身代金』は、リドリー・スコットらしい重厚な娯楽作。これぞ正攻法といった展開と描写ですが、作品の最初と最後に「実話をもとに、映画的効果のため脚色を施した」というような意味の字幕が出ます。確かに「これ、どこまでが事実で、どこからがフィクションなんだろう?」と思わずにはいられませんでした。 原題は“All the Money in the World”。なるほどですね。
母親役は、小生が勝手に「アメリカの本橋麻里」と呼んでいるミシェル・ウィリアムズ(当然、本橋麻里のことは「日本のミシェル・ウィリアムズ」と呼んでおります)。安定感のある演技です。そして大富豪ゲティの役は、ケヴィン・スペイシーのセクハラ降板を受けて、急遽再撮9日間のクリストファー・プラマー翁。それでオスカー・ノミネートの好演とは、まさに怪我の功名。でも、これは評価すべき演技ですよ。
それにしても、金持ちってやつは・・・。まあ、常軌を逸していないと、あれだけの大富豪にはなれないのでしょうけれど。 一方、誘拐された孫が微妙にバカっぽくて、なんだか納得してしまいました。
スコットがイタリアで撮った娯楽作ということで言えば、『ハンニバル』が思い出されますね。映像のルックも似ていると思います。そして、こちらはゲティ翁、あちらはハンニバル・レクターという怪物が出てるってことでも共通してます。ああ、かたや「頭蓋骨斬り」、こなた「耳斬り」ってことも共通してるではありませんか。
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コメント
イタリアの描写、確かにとてもリアルでした。
私はゲティセンターの方にアタマがいっちゃてましたが(笑)
投稿: onscreen | 2018年6月17日 (日) 08時40分
ゲティ氏が温泉にはいると、「スパゲティ」。
失礼しました。
投稿: 大江戸時夫 | 2018年6月17日 (日) 21時02分