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2018年6月22日 (金)

「万引き家族」:是枝さんの力、役者の力

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映画『万引き家族』は、カンヌのパルムドール受賞にふさわしい社会性と問題提起たっぷりの力作。しかも2時間しっかり面白く、技術パート、演技陣も一級の仕事。近年は快調に高いレベルの作品を連打してきた是枝裕和監督ですが、モチーフ的にも是枝家族映画の集大成となっていて、見事でした。うまいなあと思いました。

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社会問題てんこ盛りでありながら、娯楽映画の範疇でも成功しているのが是枝さんの偉いところ。自分で脚本も担当していながら、切れずにやたら長いという陥穽に陥っていないのは、編集も自分でやってるからなのでしょうか。

キャメラ(近藤龍人)がいいです。映像のルックが、多くを語っています。 そして、音楽も作品に似合っていて素晴らしい、誰だろう?と思ったら、細野晴臣さんでした。なるほど。

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そして役者たちがここまでみんな揃って素晴らしいことって、なかなかありません。中でも、カンヌでケイト・ブランシェット審査員長が絶賛した安藤サクラの泣き方が圧巻でした。確かにあれは凄い。その後の笑顔も含め、心を揺さぶりまくります。

リリー・フランキーの細っこい裸体が、なんかヘンでした。昔の日本の『餓鬼草子』とか、ヒエロニムス・ボスの『快楽の園』とかに描かれていそうな感じ。

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いつもと違う感じの樹木希林さんも、役者としての優秀さを改めて感じた松岡茉優も素晴らしいですが、何と言っても二人の子供たちが見事。やっぱり是枝さんって、稀代の「こども使い」だなあ。特に男の子(城桧吏)の「目」が凄かったです! ほんと、将来が気になる子でありました。

2010年代の日本を描き、観る者の心にスクラッチを残し、多くの事を考えさせる・・・やはり4K(北野武、黒沢清、河瀨直美、是枝裕和)の中で一番骨太で正統派の映画作家ですね、是枝さんは。 本作の大ヒットを見るにつけ、まだまだ日本人って捨てたもんじゃないと思いました。

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